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井上計君 今後このようなことがないように
監督指導していただくと同時に、また会社側もそのような対策を十二分に講じ、また改善をしていく、また働く
人たちも常に自分たちの命に重大なかかわりのあることということで、作業とあわせて、働く
人たちもそういう面に重大な関心を持っていただくことが必要でありますが、それで果たして一〇〇%の安全が確保できるのかどうかということになると、また問題があると思うんですね。
ただ、現在我々の置かれておる社会環境からいって、一〇〇%身の安全が守れるということはなかなかこれは不可能だと思います。飛行機に乗ってもいつ
事故が起きるかわかりません。あるいは万一、こうやって町中を車に乗っておってもこれまたどういう
事故が起きるかわかりませんから、一〇〇%ということは不可能ではありますけれ
ども、しかし、一〇〇%の安全を確保するそのための努力を怠ってはいかぬということになりますが、しかし、と
考えていくと、先ほど来同僚
委員もいろいろと
指摘がありましたが、私は何かそこに、いわば企業効率の面から
考えてどこかに無理があるというふうなことについては、やはり先ほ
ども申し上げましたけれ
ども、強く
感じる点がある。
その一点は、現地でも実は会社側にちょっとお尋ねをしたんでありますけれ
ども、当日
事故発生が、十五時三十五分ごろ圧風が発生して、直ちに十五時四十分から四十三分にかけて退避命令を発動した。それで救護隊が十五時五十分に招集されたということですね。これは非常に速やかな態勢づくりができた、こう思います。
ところが、
関係方面に通報を会社側がしたのは十六時二十分なんですね。そこに三十分の差があるんです。私は会社側にこの三十分の差というのは、これは何ですかと言って伺ったんですが、余り明らかな返事がありませんでした。というのは、従来、一応
事故原因をある程度掌握し、ある程度の
状況によって実は通報するということでありますから、会社側がちょっとした
事故なら通報しないということも従来あったんではないか。その安易さがこういうことになったんではないかというふうに
感じましたのでお伺いしたんですが、会社側にこれ以上ああいうふうな場所で、会社側は大変悲痛な
状況におられるので、余りそこは突っ込んで聞かなかったんです。
それらも、まあいわば会社側が
保安設備まで完全にしていくことはますます経営効率が悪くなるというふうなところで、何かそんなふうな
感じを常に持ち、また先ほどから申し上げているように、やはり目標の出炭量をどうしても出さなくちゃいかぬ。だから、
事故が発生したとわかっていても、できるだけ、やはり外部に知らせてそのために作業の中止、停止等々が起きないようにしようというふうな、そんな気があったんではないか、こんな
感じがしたわけですね。
そこで、安全対策等いろいろありますけれ
ども、
一つ考えられることは、現在これだけ科学技術が進歩しているにかかわらず、もちろんいろんな探知機等々あるいは坑内の設備、今は十年、二十年前から見ると格段に
合理化され、あるいは技術革新が導入されておるようでありますけれ
ども、まだまだ古い、いわば機械設備ではないか、こんな
感じがするんです。だから、仮にそのような危険場所等においてはロボットを使うとか、あるいはもっと技術革新を積極的に導入するとかというふうなことが必要であろうし、また可能であろう。ただ問題は、そこに経済的な問題があるということであろうと思いますが、先ほど伺ったように、また申し上げたように、これらの補助費をもっと、そういうふうな
事故防止のための、採炭とかいろいろな坑内のそのような設備、いわば
保安設備だけでなしに、そのようなやはり機械等の整備あるいは開発等に向けるような、そういうふうなひとつお
考えはどうでしょう。