○安恒良一君 私は今
国会に提出され、連合審査されておりますこの
国民年金法等の一部改正に関する
法律案は、所管庁である
厚生省
年金局、社会保険庁船員保険課が担当して立案したものであります。しかし、その法律の内容と
構想は、
共済年金それから
恩給それから議員互助
年金等々に影響をもたらす内容を含んでいるものだと思います。
しかしながら、今同僚に対する御
答弁をお聞きしますと、
大蔵大臣は
国家公務員共済年金についてはこの
国会に提出したいのだと、こういうことを言われていますが、その他たくさん関係するところの
共済年金関係はどういうふうにされるか全然定かではないわけであります。そして、そういう中でただ単に
国民年金と
厚生年金の中身が、
政府の皆さんは改正と言われますが改悪をされ、その改悪の主たるものは国庫
負担が大幅に減るということ、それから
給付水準が二〇%から三〇%下がる。こういうことで今やまさに先行しようとしているのであります。こういう中で開かれた連合審査でありますから、本来ならば全法案についての関係を聞きたいのですが、持ち時間が三十分しかありませんので、主として
厚生年金と
国家公務員共済年金の関係について少しお聞きをしておきたいと思います。
そこで、まず
一つ実例をちょっと挙げてみたいと思いますが、今回
政府の
厚生年金改正案では、六十五歳になりますと
厚生年金から脱退をさせまして、
年金を
全額支給することになっています。ところが
共済年金の
改正案はまだ出てきておりませんからはっきりわかりませんが、
一つの例を挙げますと、
共済年金改正法案の中には六十五歳になっても在職中は
共済組合員である限り
年金は
支給しない、これは退職
年金の原則であります。それから、
共済年金の
受給者が他の被用者
年金の被保険者となった場合、政令で定める額、現在で言いますと大体
国家公務員の平均賃金四百五十万程度以上の給与
所得がある場合は政令で定めるということで、いわゆるこれは割合で
支給停止条項があるわけであります。
私は何も
厚生年金側をこれに改めると言っているわけじゃありませんが、これはわかりやすい例として
一つの例を挙げたのですが、かように
共済年金と
厚生年金の間には、例えば俗に言われる官民格差であるとか、今度は共済間で言うと官官格差であるとか、いろんなことがあるわけです。今まではこれは別個で、それはそれなりであったのですが、今回はどうも
共済年金の方は、とりあえず
基礎年金だけはやはり
導入をしようという方向に進んでいるように、私は聞いているわけです。
そこで、
基礎年金を
導入したときに
財政調整がどうなるかということで、私は資料を
厚生省に要求しました。私の手元に資料が来ていますが、例えば
共済年金の場合は
一定の
年齢がたちますとやはり
基礎年金給付費と
基礎年金拠出金では
基礎年金給付費の方が上回るという事例が出てきているわけです。これは二千億。この
年齢で言いますと、七十年になりますと二千億ですね、いわゆる
共済年金は
基礎年金拠出金を
給付費の方が上回ると、こういう現象が出てくるわけです。ですから、いわばこの前も論争しましたが、
国民年金、
厚生年金、そして
共済年金との間におけるところの
財政プールといいますか
財政調整がある程度行われる、もちろんこのほかに国庫
負担があります。それから同じ
厚生年金の中でも船員保険が今度は
厚生年金会計と一緒になるわけですが、これを見ますと、これも明らかに
基礎年金給付費と
基礎年金拠出金では、
昭和六十一年から
昭和百年近くまで、毎年毎年これは二百億ずつぐらいのいわゆるマイナスだと、こういうことで、これまた
財政調整にこれはなっているわけです。
ですから、私は
財政調整のことについて、けしくるとかけしからぬとか、こういうことを言っているわけじゃありませんが、こういう状態の中において
大蔵大臣、
共済年金改正案のときに
厚生大臣との間にどこをどう
調整されようとするか。
厚生大臣、今私が挙げた事例のときにはどうされるのですか。逆に
厚生年金の方が条件的に悪いところも別にあるわけですから、こういうものを
調整しないまま
基礎年金財政だけは一本にして、お互いにやったり取ったりする、これでは私は被保険者は納得しないと思うんです。ですから、これは両大臣に、政策の問題ですから事務当局の問題じゃありません。両大臣に、今言ったような点ほどのようにして、あなたたちは七十年には全体の
年金の
統合をやりたいと、こうおっしゃっていますから、そこはどういうふうにしていこうというお考えなのか。その点を
大蔵大臣と
厚生大臣にお聞きをしたいのであります。