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夏目忠雄君 了承いたしましたが、これからが本題ですから、ぜひ
建設大臣も
国土庁長官もお聞き取り願いたいと思うんです。
先ほどから、
地すべり地帯になぜ入っておらぬのかというような議論が盛んでございますが、私は、
地すべり地帯に入っておればよかったとは思いますけれ
ども、何しろ
地すべり地帯というのは
全国に何万カ所とあるので、入ってみたところで、先ほど向こうで言ったように二百何十億しかないんだから、とてもじゃないが順番は回ってこない。それを当てにしておったら地方の自治体はえらいことになる。私はこの
災害を聞きました途端に思いましたのは、実はあそこの髻山からこの
地附山を通りまして茶臼山に至る一帯の土地は、その
報告書にもありますように、大体同一地形、同一地層のところで同じところなんですが、残念なことに、こっちの方のその途中にある安茂里の小市には、やはりちょうど今の
湯谷団地と同じように小市
団地があります。それで、そこの上には地蔵平
団地がある。こっちには浅川霊園があるというので、小市の方は大丈夫かいというのが私の第一印象だったんです。
小市の方は、御存じのように、十年ほど前にやはり
地すべりがございまして、押し出して、十九号線の国道へこの程度の石がごろごろ落ちてきまして、あわてて土どめ
工事をやって、現在は落ちついております。現在は落ちついておりますが、やはりそういう前科がある、小市
団地については。こういうところを私は
地すべり地帯に入れてくれとはもう申しません、これ待っていられないから。私は、これはやはり地方自治体の自分のところの身にふりかかる
災害ですから、
防止工事を
建設省が本格的におやりになる前に、少なくとも危険を予知する、観測して予知する、これを地方自治体はやらなければいかぬ。これはもう自分のことですから、やらなければいかぬと思うんですが、これは私はそれほど難しいことじゃないと思う。
というのは、要するにいたずらするのは地下水なんですから、地下水の観測をするためにボーリングを何カ所か必要なところへ掘って、地下水を定期的に観測していけば、その水位の上下その他によって
地すべりの兆候ありや否やということはある程度観測予知ができるはずだと思うんです。これはまあ素人考えですから、そんなことしたってだめだとおっしゃれば別ですけれ
ども、そういったものや、もしくは若干ひずみが出てきたようなところにはひずみ計をつくると。そして定期
点検をやるといったような極めて初歩的な観測予知というものは、これはもう地方自治体はやらなきゃしょうがないです、自己防衛のために。とても
地すべりの本格的な
工事をおやりになってもらうまで待っているわけにいかない。こういうものはやりたくても、しかし、現在の例えばこの
長野市の場合におきましては、それだけの技術陣営、専門的な知識がない。ですからこれに対して、そういう
地すべり地帯に入れて本格的な
地すべり対策工事をおやりになる前に総
点検、さっさ言われましたが、総
点検をやってみたところで予算がないんだからやりようがないんです。しかし、順々におやりになることは結構だから、速度を進めて順々におやりになっていただくのは結構ですが、まず何はともあれその観測予知ということをやらなければ、これは大して金がかかるものだとは私は思わないんです。
ですから、そういったようなものを
市町村がやろうとしたときに、これに対する技術的な
指導と、それからもう
一つは、これは
市町村の悪いくせで、国から例えば二割でも三割でもわずかでいいから助成をくれれば、やっぱりほかのものと違って一生懸命にやるわけだ、これは現在悲しいかなそういうくせがついているのだから。だから、そういう極めて初歩的な予知観測の制度をやろうとしているものに対しては、でき得ればこれは専門的な
指導方法をぜひやっていただきたい。できれば若干なりとも財政援助をやって、
全国のまず危険地帯というものをそこからおやりになると、こういう考え方を
国土庁長官並びに
建設大臣はおやりになる必要があると私は思うんですが、御
検討をいただけるかどうか。その前に専門の方の話があったらどうぞしてください。