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喜屋武眞榮君 私は、五月二十八日に那覇空港で起こりました自衛隊機と全日空の民間航空機との接触による
事故、この問題を中心に尋ねたいと思います。
事故にはニアミスとかあるいはタッチミスとかいろいろありますが、この問題が起こって以来、沖縄は今騒然となっております。その騒然となっておる
状況の中で、衆議院の
内閣委員会でもこれが取り上げられました。
参議院の運輸
委員会でも取り上げられました。また、きょうの
決算委員会におきましてもこの問題がただされました。私はそのような一連の動きをじっと見詰めながら今日まできております。
沖縄には、何か事が起こるというと、それはもちろん大事な問題、人間の基本的問題、命にかかわる問題、財産にかかわる問題、こういうもろもろの問題については立場を超えて、党派を超えて一致団結をして当たってきた歴史があります。これを島ぐるみ闘争と言っておるのでありますが、まさにその島ぐるみ闘争が再燃しようとしておるのがきょうこのごろの動きであります。
ところで、衆議院の御答弁あるいは
参議院の御答弁、そしてきょうのまた
決算委員会の答弁を私なりに受けとめながら、これでは抜本的な解決を期待するのが無理だと、こういう結論であります。ですから、今まで述べられたようなそのような不誠実性発言では抜本的な解決はできないということ、これが第一点。
第二点は、いろいろとニュアンスの違いはありますけれ
ども、もしあのような
事件が、沖縄に起こっているような
事件が
関係大臣の自分の郷里に、県にあのようなことがあったとするなら果たしてあのような答弁がなされるであろうか。そういうことまでも私は考えてみたくなるんです。
そしてさらには、本当に平和とは何か、民主主義とは何か、こういった本質的な基本的な立場に立って日本の政治を正しく方向づけていこうというこのことが、本当にお持ちだろうかと疑いたくなるようなことがたまたまあります。
今沖縄が島ぐるみ闘争に立ち上がろうとする合い言葉は「命ど宝」という、命こそ大事であるという、この「命ど宝」という一語に結集して島ぐるみ闘争を展開しつつあるわけであります。
と申しますのは、先ほ
ども聞きました
防衛庁長官の御発言の中で、
事故防止を
徹底させるというお話がありました。ところが、それはもう聞き飽きて何の薬にもならない、こう私は内心はね返しました。なぜかといいますと、一年前の昨年の六月二十一日、那覇空港での自衛隊機の炎上
事故の直後、七月四日、沖特委において防衛庁の上田秀明当時訓練課長は、質問に対してこう述べておるんです。
再発防止の諸施策の
一つとして、運輸省管轄の空港に自衛隊が共用さしていただいておるというような那覇空港の特殊性にかんがみ、訓練のための離着陸時間は、民航機——民間航空機の離発着が集中する時間帯を避けて設定する、と述べております。しかしながら、今回の
事故は、まさに民間航空機の定期便が那覇空港に到着し、滑走路を滑走中に、訓練に飛び立とうとした自衛隊機によって滑走路上で引き起こされた前代未聞の
事故であるということはだれしも否定できないでしょう。
さらに同課長はこうも述べております。「管制機関との意思疎通を図るために運輸省管制官等との協議、調整
会議等を積極的に
実施しておる」とこう述べてきたんです。しかしながら、
事故はどうですか。今回の
事故は管制官の指示を誤認した自衛隊のいわゆるパイロットのミスによって引き起こされたということは、これはもう明々白々たる事実であるとこう言われておる。その自衛隊機のパイロットと運輸管制官との意思の疎通が全くできていないと言わなければならないでしょう。
要するに、
事故が
発生するたびに防衛庁はあるいは
関係庁は、再度
防止の諸施策とかあるいはパイロットの教育訓練とか繰り返してきておるのが今日までの実情であります。その経過の中から生まれたのが今度の
事件であるということなんです。
そこで私は、衆議院における
内閣委員会、
参議院における運輸
委員会あるいは現地からの激しい怒りを込めた与野党を超えた一致した
意見、姿勢を受けて、結局結論は、解決の道は、今までそのときそのときに述べられた皆さんの答えでは解決できないという結論なんです。それならばどうすればよろしいか。やっぱり姿勢を、あるいは認識を変えていく姿勢の中からしか前進は期待できない。まあ次善の策とかなんとかいう、ベターのという表現もありましたけれ
ども、内容は違います。民間空港として軍民共用をやめさせるという、これ以外にこの問題を解決する道はない、こういうことなんです。ところが、そのことについて私がひそかに期待を寄せておりますのは、総務
長官が五月三十日の衆議院の
内閣委員会において、民間専用としてもう一本滑走路を
建設する必要がある、これは県民の総意であるという質問に対して、後藤田総務
長官は、県民の要望を心にとめて、
政府としても那覇空港をどうするか
対応策を研究してまいりたいと、こう述べておられる記事を私は見ました。そこで、そのことがよもやうそではなかったと私は信じておるがゆえに、直接御本人の、見えておられますので、総務
長官にこの真偽を再確認いたしたいと思います。