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政府委員(矢橋有彦君) まず新しく
考えております制度の概要について先に申し上げまして、それから後、個々の問題について補足してさらに申し上げたいと思います。
私
ども、訪問販売トラブル情報
提供制度を創設をしたわけでございますが、これは特定
企業の販売行為にかかわる訪問販売トラブルの拡大防止、発生の未然防止に資するため、私
ども通産省の消費者相談室に寄せられました訪問販売にかかわる消費者相談事例の中から、一般消費者あるいは
関係団体等へ情報の
提供をしようというものでございます。
段取りでございますが、まだ第一回の公表は現実に行っておりませんで、ただいま準備中でございます。あとしばらくかかるわけでございます。
この制度を発足させるまでに、確かに先ほど来先生御指摘の委託費も下敷きの
一つにしたことは事実でございます。そしてまた、その委託費による
調査の結果も、先生御指摘のようなニュアンスであったことも事実でございます。
しかし私
ども、これを発足させますためにそれだけを下敷きにしたのではございませんで、昨年の十一月から今年の三月にかけまして、早稲田大学の本明教授を座長にお願いを申し上げまして研究会をしてまいったわけでございます。その勉強会のメンバーには地方公共団体の方、あるいは消費者団体の方、あるいは学者の方、それからジャーナリズムの方、いろいろ幅広く
委員をお願いを申し上げまして、広い角度から検討した、そしてその結果、一応の制度を策定をしたと、こういうことでございます。
そこで、いつの間にか
企業名の公表制度がトラブル情報
提供制度に変わってしまったのではないかという点でございますが、制度の名前はともかくといたしまして、私
ども企業名も公表しようと
考えております。ただ、
企業名の公表はいきなり公表するんでございませんで、まず最初はトラブルの事案を、こういう手口がある、気をつけてくださいという注意喚起のために、
企業名を抜きにいたしまして、しかし注意点がよくわかるようなふうにまとめたものを公表しようと思っているわけでございますが、その手口等の公表と並行いたしまして、私
どもといたしましては、当該
企業及び当該
企業の所属するところの業界団体に対しまして、内容是正のための
行政指導をいたします。そして
行政指導をどうしても言うことを聞かない
企業であり、かつまた問題はなお継続しているようなケースについては、その段階でよく事実を確かめた上で、またその
企業の言い分も聞いた上で
企業名を公表するという段取りにしているわけでございまして、終局的には
企業名の公表もあり得るという制度にしているわけでございます。ただ、いきなり、やみくもと言うとおかしゅうございますけれ
ども、いきなり
企業名を公表するよりは、手口を公表しておいて――手口と言うと言葉が悪うございますが、を公表しておいて、並行して指導をいたしまして、指導を聞かない場合に
企業名を公表する、こういう段取りにしているわけでございます。