○井上計君 就任後まだ日が浅いのにもかかわりませずいろいろと
調査をされて、また抱負をお持ちいただくことを大変敬意を表します。ぜひ今大臣述べられましたような目的を達成するために、今後とも精力的なひとつ御
努力をお願いをいたしたいと思います。
そこで、今お答えの中にもありましたけれども、何といってもやはり
沖縄は本土と比べてあらゆる面において格差が多いわけでありますけれども、その格差を是正をしようとしても
沖縄のいわば地理的な
条件あるいはまたその他の
条件等からして、幾ら本土と同じような
方法で格差を是正しようとしてもそれは困難だというふうな面があるわけですね、現実的に。それはやはり
沖縄の特性を生かしてという今お話もありましたが、
沖縄の特性を生かしてぜひそれをやっていかなくちゃいかぬというふうに考えます。現在の所得格差あるいは失業率が高いという、現在でもいわば四十七都道府県中最高の失業率、それから最低の県民所得ということでありますが、六十二年の国体が終わったら、このままでいくともっともっと
条件的に悪くなることはもう明らかなわけですから、したがって国体が終わった後さらにもっとよくなるような、これもやはり今年度
あたりから真剣に
検討していかなくちゃいかぬと、こう思います。あれこれ申し上げると切りがありません。
そこで、私は一、二
提案をし、またお伺いしたいと思うんでありますが、やはり
沖縄の特性を生かす
一つの
方法としては、今お話がありましたけれども観光開発、これは有利ないわば
条件を持っておるわけであります。しかし、実際にはなかなか観光開発といっても年々若干伸びてはおりますけれども、さらに今後飛躍的に
沖縄を発展させるためには、現状ではこれはなかなかそうはまいらぬというふうな問題があろうと、こう思います。
そこで、観光開発を進めさらにまた亜熱帯というふうな特性を生かした農産物等々のやはり振興といいますか、これらをやっていくために
提案をいたしたいのは、既に沖特委員会でも前の河本長官にも提言をしておきましたが、現在は
沖縄、那覇市で若干行われておる例の観光客相手の戻し税の物品販売ですね、これをもっと拡大をしたらどうであろうか。実際には戻し税といってもそう大して安くなっていないわけですね。これは丸々空港で売っているような免税というわけにいかぬかもしれませんけれども、これを戻し税の範囲をもっと拡大をする、一番いいことは私、提言したことがあるんですけれども、どこかの離島に、宮古なら宮古、石垣なら石垣に一定の地域を限定をして免税ゾーンをつくる。そうすると、そこへみんな観光存が行くというふうなことになりますと一番いいわけですが、これはいろんな問題からして困難であろうと思いますが、まずそれなら現在行われている戻し税の範囲を、那覇だけでなくて石垣だとか宮古だとかというところにもそういうふうな戻し税の商品を販売する店をどんどんふやしていく、ある程度。それから戻し税の率をもっと拡大をしていく、商品を拡大をしていく。このようなことも私は観光客誘致の有力な
方法になるんではなかろうかとこう考えて、大分前になりますけれども前長官に提言をして、河本長官も
検討いたしますということでありましたが、余りどうも
検討されていないようでありますが、ぜひひとつ新長官にこれ御
検討をいただきたいと、こう思うんですね。
それからもう
一つは、やはりお答えがありましたけれども、離島の交通あるいは通信の
整備というこれは絶対緊急の課題であろうと思います。
そこで、長官も離島視察に行かれまして直接見てこられた、あるいは聞いてこられたと思いますけれども、現在問題になっておる石垣の新空港の建設の問題です。私ども、まあ喜屋武委員も同様でありますが、先般参りましたときに促進派とそれから反対派と両派から大変保な歓迎を受けました、長官もそのようであったようでありますが。それから、双方からそれぞれやはり切実ないろんな陳情並びにお訴えを聞きました。それから私は、特に反対派の人たちの
要望にこたえまして船へ乗り推して、埋立予定地の白保地区、白保の海を見てまいりました。私と一緒に
社会党の委員それから公明党の委員、共産党の委員と私とで四人乗ったわけであります。率直に申し上げて、四人のうち二人は埋め立て、新空港絶対反対の人でありました。私は、
沖縄のいろんな
状況等を考えて促進すべきであると、こういう考え方で従来行動をしております。一人は中立てあったろうと、こう思います。
その四人が乗りまして、乗った結果、これは、いろいろとどういうふうな
お互いが認識を持ったかは今後の問題でありますけれども、私は、実際に反対をしておる地域の人たちの話も聞き、白保地区を船に乗った結果、その印象は、確かに自然保護は大事である、また、地域の人たちの反対する声が全く
理解できないわけじゃないけれども、しかし、
沖縄の振興開発のためにはある程度は辛抱してもらわぬと仕方がない。むしろ、地域の人たちの反対をしているのは自然保護と。自然保護と言われますと、これはどこでもそうでありますけれども、まあ、あの程度なら辛抱してもいいではないかということが
一つ。それから、生活上の問題については、埋め立てによって失ういろんな漁業等の問題がありますけれども、それにかわるべきものを考えてあげる必要があるけれども、しかし、それとて私は絶対的な反対理由ではないなと、こういう感じがいたしました。それからもう
一つ反対派の大きな理由としては、現在の空港で事足りるではないかと。そうして、新しい空港をつくるということは将来の軍事基地にするんだと、こういうふうな反対理由がある、これは全くいただけないと、こういうふうに感じました。
そこで私は反対派の代表に、あなたたちは現在の新空港に反対をするのなら、どうすればいいと考えているかと言ったら、今の空港をもっと拡大すればいい。しかし、今の空港を拡大することができないと。じゃ、新しい地域にもし空港予定地をつくったら反対をしますかと言ったら、それは返事はできませんと、こういうことなんですね。だから、自分たちのところには反対だが、まあ、よそなら仕方がなかろうと、こういうふうに実は受け取れるわけですね。じゃ、それもだめだといったらどうするかと言ったら、今の空港のままでいいではないかと。とすると、現在千五百メーターの滑走路でありますから、御承知のようにいわば違反空港である、二千メーターに拡張しなければ違反空港だと、それは知っていますかと言ったら、知っていると。そうすると、今のままの空港だとこれ以上石垣島と東京、大阪等の直行便はできませんよと、そのためには石垣島のいろんな農産物の振興等々はできませんよ、観光客はふえませんよ、それでもいいんですかと言ったら、仕方がないと。個人的な受け答えてありますが、実はそういう答えが来たわけですね。
だから私は、地域の人たちの考えあるいは反対の理由はわからないわけじゃありませんけれども、地域の人たちをできるだけ今後とも説得をしてもらうことによって、やはり大所高所からこの
計画を早く進めるように長官にひとつ格段のお骨折りをいただきたいと、こう思いますが、長官のお考えはいかがでありますか。