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説明員(寺田章次君)
お答えいたします。
まず第一点目のスパイクタイヤ
対策としての道路舗装の改良
状況等でございますが、現在スパイクタイヤによります舗装の摩耗が問題となっておりますけれ
ども、私
どもの方におきましては従前よりタイヤチェーンによります舗装の摩耗問題が存在しておりまして、建設省及び北海道
開発局におきまして耐摩耗性舗装の研究
開発を行いまして積極的にその向上を図ってきているところでございます。舗装の耐摩耗性を向上させるためにはアスファルト混合物の配合、適切な骨材の選択など幾つかの方策があるわけでございますが、研究の面からは、舗装の耐摩耗性を大幅に向上させることは難しいというふうに考えております。
このように耐摩耗性舗装の研究
開発は限界に近づいているわけでございますが、今まで研究の面で得られました成果を現場に応用していく必要があるというふうに考えておりまして、このため昨年十一月、
現地に応じた耐摩耗性舗装の活用を
関係地方建設
局長、知事等に指示したところでございます。なお、一般に、使用材料を考慮いたしまして十分な配合設計と入念な施工を行いますと、アスファルト舗装については滑りどめ
対策を講ずる必要はないわけでございますが、曲線部、交通事故の多発箇所等につきましては滑りどめ
対策を講ずることもございます。
次に、二点目のスパイクタイヤ
対策としての道路の勾配基準等を見直すべきではないかという御指摘でございますが、道路を新設または改築をいたします際には、道路の構造に関する一般的技術的基準は、道路法第三十条に基づきます道路構造令で定められております。この中に、積雪寒冷地におきます道路構造に関する基準が定められております。具体的に申し上げますと、種々の調査結果をもとに積雪寒冷の度が甚だしい
地域におきましては、縦断勾配と片勾配等との合成されました勾配でございます合成勾配を八%以下とすること等が定められております。このため、積雪寒冷
地域におきます道路につきましては、地形、地質の
状況、気象条件等を勘案の上、これらの基準に沿いまして適切な構造となるような設計を行っているところでございます。
次に、三点目のスパイクタイヤ
対策として除雪等の道路管理を徹底すべきではなかろうかという御指摘でございますが、建設省におきましては、冬季の道路管理につきまして除雪等の雪寒事業の向上によりその充実を図ってきているところでございます。しかし、冬季の道路管理にはおのずから限界がございまして、特にスパイクタイヤの装着を必要としない冬季道路管理、すなわち、除雪を徹底し、さらには凍結防止
対策を完全に実施するということにつきましては、気象条件の厳しい
地域等におきましては不可能であるというふうに考えております。したがいまして、当面は、舗装被害等の軽減を図る
関係から、
関係区域のスパイクタイヤの使用実態等を勘案の上、スパイクタイヤ装着の不要な区域、期間におきます装着自粛等に資する施策を
推進することといたしております。
次に、四点目のスパイクタイヤ
対策として融雪を
推進すべきではないか、あるいは消雪パイプ等の普及を図るべきではないかという御指摘でございますが、建設省におきましては、消融雪施設としての消雪パイプにつきまして、一定規模以上の積雪深のある人家運担区域等で地下水の豊富な箇所においてその設置を図っておるところでございます。しかしながら、水源の確保、低気温下での凍結の問題、水はね等の問題もありますので、全面的に実施することは難しいというふうに考えております。今後とも地下水が豊富で、このような問題のない箇所で、消雪パイプの設置によりまして効果的な除雪が可能な箇所につきまして消雪パイプの整備を図っていくことといたしております。
五点目のスパイクタイヤ
対策として、道路清掃を充実強化し、清掃方法の改良を図るべきではないかという御指摘でございますが、道路の清掃につきましては、道路の
保全の観点から常に留意してやっているところでございますが、特にスパイクタイヤ
対策といたしまして、昨年十一月の道路
局長通達で、融雪時期に越冬汚泥が乾燥飛散し、沿道環境に影響を及ぼす箇所につきましてその
対策に努めるように指示したところでございます。なお、越冬汚泥の除去方法等につきまして、建設省及び北海道
開発局におきましてその施工方法及び施工機械の
開発研究を鋭意進めているところでございます。
次に、第六点目のスパイクタイヤ粉じんに対する道路清掃の効果の問題と、道路清掃の効果を把握すべきではないかという御指摘でございますが、粉じんにつきましては、粒径によりまして路上堆積物、降下ばいじん、浮遊粉じん、浮遊粒子状物質等に分類されているわけでございますが、粒径の小さい粉じんの清掃による低減効果につきましては、現在のところ明確ではないわけでございます。したがいまして、今後この粉じんの粒径による違いによります清掃の効果につきまして調査し、効果的な清掃の実施方法について
検討してまいりたいというふうに思っております。
以上でございます。