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政府委員(
矢崎新二君) 現在の
作成状況について御報告を申し上げます。
現在の
段階は計上すべき主要な事業等について逐次内部で
考え方を詰めているわけでございまして、
連休明けの時点で基本的な正面を中心とする
考え方をおおよそ煮詰めつつある
段階であったわけでございますが、その後部内でも検討を重ね、さらに後方の
関係につきましても、正面と後方のバランスを重視するという観点から、どういった
考え方で五九
中業の期間中に私
どもが
考えていくかということを詰めつつあるのが
現状でございます。
どういうふうな
考え方で今やっているかと申しますと、正面につきましては、四面環海という我が国の地理的な特性あるいは科学技術の趨勢等を考慮いたしまして、防空能力でございますとかシーレーン
防衛能力でございますとか、洋上、水際撃破能力等の着上陸阻止能力といったものの強化というものを重点に
考えていきたいということでございます。
それから、後方の
関係で申しますと、やはり真に有効な
防衛力というものは正面と後方のバランスが大事でございますので、その点について十分配慮をいたしたい。それからC3I能力ですとか継戦能力、即応態勢、抗堪性の強化、それから後方支援あるいは教育訓練
体制の充実といったようなことを図っていきたいと思っておるわけでございます。
それでは、陸、海、空別にどういった
考え方を今とっているかという点について、若干ブレークダウンして申し上げたいと思います。
まず、陸上自衛隊については、
一つは師団の近代化の問題でございます。これは北海道にあります師団とそれ以外の師団について若干その色合いを異にして
考えていきたいというふうに
考えておるわけでございまして、北海道にあります師団等については、戦車とか白走火砲を主体とする戦闘力の強化というものを
考えたい。しかしながらそれ以外の師団の場合、つまり本土にあるような師団でございますが、そういったものについては機動力の向上というものを特に重視していきたい。例えば対戦車火器を増強するとか、あるいは老朽火砲の更新というようなことも
考えながら、全体としては機動的に動けるような
体制をつくっていきたい。
それから、師団の内容にいたしましても、対空能力とか電子戦能力等々の今まで比較的手薄だったものを強くしていきたいというふうに
考えております。
それからさらに、北海道におきます初期の対処能力を強化するという観点から戦車部隊の一部の配置を見直しをしていきたい。北海道に少し手厚く配備することも
考えたいというふうに
考えております。
それから、師団の近代化と並びまして、師団以外のいわゆる方面隊の直轄部隊の分野になるかと思いますけれ
ども、我が国の地理的特性等を考慮いたしましていろいろ
考えたいと思っております施策といたしまして、洋上、水際撃破能力を強化するために地対艦誘導弾部隊、いわゆるSSMでございますが、そういった部隊の整備に着手をしたいと思っております。これは現在
防衛庁で
開発中の新しい装備でございますが、それが六十二年度には
開発が完了するというふうな見込みを持っておりますので、それをできるだけ早く具体化していきたいということでございます。
それから、空中機動力や打撃力を強化するという観点から、対戦車ヘリコプターAHISでございますが、そういうものとか、あるいは輸送ヘリコプターであるCH47、こういうものの増強を図りたいと思っておるわけであります。
次に、海上自衛隊につきましては、対潜水上艦艇の装備の近代化を図りながら、大綱水準約六十隻の
達成を図っていきたいというのが基本でございます。
それから、作戦用航空機につきましても、大綱水準の約二百二十機の
達成を
目標として、P3Cとか対港ヘリコプターの増強を
考えていきたいというふうに
考えているわけでございます。
それから、航空自衛隊につきましては、引き続き作戦用航空機の水準が最高水準に達しておりませんという状況を踏まえまして、引き続いてF15の増強等も図っていきたいと思っております。
それから、支援戦闘機、現在FIの部隊で編成をしておるわけでございますが、これの次期支援戦闘機の選定の問題がございます。いわゆるFSXの問題と言われておりますが、これにつきましては、今後、
国内開発あるいは現用機の利用、外国機の導入といったようないろいろな選択肢を検討していった上で、その検討結果を踏まえ所要の整備を推進をしたいというふうに
考えております。さらに地対空誘導弾、ペトリオットの整備とかあるいは早期警戒機の偵察機能等の充実ということも
考えていきたいと思っております。
そのほか後方の事業といたしましては、情報警戒、指揮通信の分野の事業をできるだけ重視をしていきたいと
考えております。例えば通信衛星の利用の拡大ができないかといったようなことも含まれるわけでございます。さらに、弾薬の備蓄等によりましての備蓄等の増強を図りまして、継戦能力の向上を図りたいと思っております。また、指揮所等の重要施設の地下化を図ったり、移動用のレーダーを整備したり、あるいは基地の防空火器の増強等の抗堪化施策を進めたいと思っております。また、研究
開発についても充実を図っていきたい、こんなことを
考えているわけでございます。
さらに、特に現在
考えております問題として洋上防空の問題がございます。洋上防空の問題につきましてはかねてから、シーレーン
防衛能力の向上ということが
防衛庁としても
一つの大きな問題であったわけでございますけれ
ども、五九
中業の中では、このシーレーン
防衛能力を総合的な体系としてひとつ検討してみたいと思っておるわけでございます。その中に例えばOTHレーダーの問題でございますとか、あるいは早期警戒機あるいは要撃機、さらには艦艇の対空火器の能力の問題という問題が含まれますし、空中給油機の活用がどの程度可能であるかという点の検討の問題もございます。そういったいろいろな兵器の体系をどういうふうに組み合わせて洋上防空
体制を効率的に構築できるかというような問題も現在検討をしておるという状況でございます。
以上でございます。