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大木正吾君 確かにこれは育ってきた国の商慣習の違いがございますし役所の中の違いもございますから、何かあっちこっちから、
世界、地球上の流行語のように
日本が悪いと。確かにそれは金がもうかっちゃっているから悪いということになるのかもしれませんけれ
ども、インバランスが激し過ぎるからそういうことになるかもしれません。ただ問題は、これをだんだん解決をしていく際にどうしても被害者が中に起きてくるということがあるわけです。ですから、私の物の見方からしますと、例えば最近貿易の黒字、経常黒字といったものも予想外にふえているわけですけれ
ども、それをため込んでいる海外の資本の上り方が
世界で第一位になってくる。そういうふうにとらえていきますと、
国内には、これは
通産大臣等もよく御理解でしょうけれ
ども、
産業的なアンバランスがございます。そうすると、例えば名前を挙げたら失礼ですけれ
ども、鉄鋼ですとかあるいは自動車とか電気機器とか、そういったところは花形
輸出産業である。こういう
関係の方々はどんどん銀行までつくってしまっておる、トヨタ銀行などという話もございますけれ
どもね。そういったところが今度海外資本収支でもって海外にお金を置いていく。一方では、どこに景気のいい風が吹いているのだという
産業もあるはずなのです。
ですから、そういった面で私の
考え方を述べさしていただきますと、前にたしか、これは
植木委員長な
どもまだ別の
委員長をやっていたころかもしれませんけれ
ども、例の狂乱インフレーションの前後に、
日本の石油
関係の会社が公取その他に訴えられたケースがありまして、住友化学の社長なんか、私たちもよく知っている方なのですけれ
ども、何らかの形でもって一応罪を受けたという形になっておるわけです。あのときに出たのが、大蔵省が発想したもので法人利潤税というものがあったわけです。私の見方からすれば、ここ十年ぐらいはまだばらつきの
状態の経済
産業状態が恐らく続いていく、ある
産業は成長し、ある
産業は停滞ですね。
そうすると、これは大蔵省の主税局は呼んでおりませんから答弁はある
意味では要らないかもしれませんが、感想でも述べていただければと思うのですが、私は
輸出課徴金というものはこれは反対です。課徴金なんて、戒めるというような言葉は絶対使っちゃいかぬと思います。しかし、法人利潤税というか、法人税をもう一段階上に延ばす。三%とか五%一定の金額から上にいった部分はやっぱり国に還元していただくといったものによって、結果的に言えばこういった市場開放の犠牲というと言い方が厳しいのですが、犠牲というか、その影響を受けた中小なりあるいはその
関係の
産業に対しまして何らかの助成をしていく。そうすると、さっき
農水大臣もお答えになった木材絡みの問題につきましても、一方で自動車がどんどんもうかっているのだよ、そのうちの一定の収益を上げた分から上の部分については、予想外だった分については五%税金を余計にもらいたいのだ、その分を今度大蔵省に文句を言わせずにこっちに使うという形でないとなかなかうまくバランスがとれないという
感じがするのです。
だからやっぱりどこかに——いえば全体的には、
外国から見ていると
日本の
国民は金持ちじゃありませんし、それから同時に企業の中のアンバランスがあることは、
産業的にも当然起きがちだし、これからも続くでしょう。そういったことは、私の
感じとしましては非常に大まかな
考えですけれ
ども、やっぱり法人税を三段階、もう一ランク上に上げて、そうして
輸出で稼いでいるところは大変御苦労ですけれ
ども、今でも高いといって稲山さんなんか怒っていますけれ
ども、国のためにはそういったことをだれかが、
大臣の方々が言いにくければ、政調会長は元気がいいですから政調会長にがあんと言ってもらってもいいのじゃないかという気がします。
それから同時に、もう一言言いますと二百数十兆の預金、これは私も実は電電出身だから郵便や通産とは隣り合わせにいますから、ちょっとここで言って記録に残っちゃうと後でもってつるし上げを食うかもしれませんけれ
ども、大体
日本の
国民の一世帯平均貯金が六百二、三十万となっています。ですから、一遍ずらっと税金をかけろという去年の
議論は必ずこれから八月にまた起きますよ。大蔵省にしてみれば金がないのですから、
調整額をどうしようかという
議論でもって頭へきているわけです。しかも百分の一・六というあの公債の赤字の積み立てたのを全部放棄しちゃっているわけですから、そういった段階ですから、一遍やってみて、そうして六百万ぐらいまでのところは三月の申告のときに税金をちゃんと返してあげる、こういうふうにでもして、一兆円、五千億ぐらいのものは出てくることは間違いないですから、そういったことも
考えなきゃならぬでしょうし、そういったことをもうちょっと、私はこういった
日本が金持ちだ、金持ちだといってわいわい騒いでいるときに、どうですか、政治家の二人や三人は腹切り覚悟でもってやらなかったら、とてもじゃないけれど荒波は乗り切れませんよ、
通産大臣は苦労していますけれ
ども。私はそういう見方に立っているわけですね。
ですからそういう中でもって、ちょっと今度は
質問に変わりますけれ
ども、とにかくさっき村田さん等からお答えがあったのですが、部品購入でもって五十億ドル一応何とか出てきましたと。しからば一体具体的に、その部品を納めている自動車の中小メーカー、そういったところは一体どうしてくれるのだという問題が起きたときにどうされるかとか、あるいは骨なし鶏肉
関係でもって受ける三県の業者
関係に対しましてどういうふうにされるのか。大蔵省に言ったってそれは一円も出してくれませんからね。そういったこと等について私は心配なことは、市場開放は結構だけれ
ども、大きなものでもってそこから救っていくということは、これは内需拡大の問題がございますが、個別の問題として、この種の問題に対しての対策について両
大臣にもう一遍、具体的なことも含めて若干意見が、知恵があったらここで聞かしてほしいと思うのです。