○佐藤昭夫君 当面直ちにつくるものではないから云々というようなことで合意ができるものじゃないですよ。この三点セットなるものだって何も三点一遍に、一挙に同時につくるというわけじゃないでしょう、順次つくっていくんですから。ですからその論法は通らないということで、本当にこういう形で事がどんどんと独走をしていくと。しかもあれでしょう、
事業運という民間団体が勝手に
計画をしているんだと、そしてそのことに基づいて国とは一応独立無関係な青森県がつくった諮問機関でいろいろ
議論されておることだから、まあ言うなら知りませんよと、関係ありませんということで済むかと。とりわけさっきも言っておりますように十一人のうち六人、
原研とか動燃とか、こういうところの関係者が入っていますと、あなた方も信頼をしておるという人たちが入っていますと、そうすると、なおのこと大体これは国としてもオーソライズをされたようなそういう見解だというふうに一般的には受けとりますよ、無関係だと言ったって。しかも何でしょう、去年のあれいつごろでしたか、青森市と三沢市で科技庁が
原子力産業会議、あそこに委託をして講演会をやっておるでしょう。原子
燃料という何か新しい言葉、用語が出てきていますけれ
ども、原子
燃料サイクルを
考えるというテーマで。という形でどんどんとこれを推進、応援をする。そういう行事なんかは国として組んでおるじゃないですか、勝手に進んでいますということではない。そういう点で私は極めて事は重大だと、こういう形でどんどんと既成事実が進んでいくということになれば重大だということで、今
一つの問題を提起をしたわけです。
もう
一つ安全性にかかわる重大問題ですが、時間が極めてないのであれなんですけれ
ども、例えばこの
報告書の八十四ページ、「再
処理安全
技術の現状」というそういう見出し、それから再
処理についての湿式再
処理法、ピューレックス、これは国内外で既に二十年以上の実績を有する
方法だと、こう書いておる、国内外でですよ。ずっと国際的に見たって、まあまあ何とか体を保っておるというのはフランスぐらいじゃないですか。あとのところはもう次々とダウンをしておると。
日本だって動燃で
動き出したと思ったら途端にストップと。こういう状況で二十年以上にわたって国内外で実績を持っていると、こういう言い方がどうして言えるかと。ところがこういう論法で、だから安全、大丈夫ですということで事がどんどん進んだら、私はもう危険きわまりないと思うんです。
時間がありませんから、続けて問題の提起をしておきますけれ
ども、高
レベル廃棄物の
ガラス固化
技術、これについては、これももうそういう
技術の蓄積があって安全に
貯蔵ができるんだというふうに七ページで書いて、さらに七十七ページで、
ガラス固化
技術について「内外において数多くの
開発、経験が得られつつあり」と、ここも「内外において」と。肝心の
日本の実情はどうか、これはあれじゃないですか、今、動燃において高
レベル放射性物質の
研究施設CPF、あの
施設で、実験室規模、だから実物大ではないわけです。この実験室規模のホット
試験を始めたばっかりと。どうして内外で
ガラス固化
技術が数多くの
開発「経験が得られつつあるというような、こんな書き方ができるんだと。こういう書き方で事がどんどん進んでいくというのを黙って見ていいのかという問題が挙げられますね。あるいはこの
報告書の七十九ページ、いわゆる
施設周辺の放射線量
規制基準、この問題を書いているんですけれ
ども、これによりますと、ICRPの一九六五年勧告のあの五百ミリレムパー年という、こういう時代おくれの数値を一応の目安、そして一層の低量
規制に努力するその参考例として挙げているのが西ドイツの気体三十ミリレム、液体三十ミリレム、アメリカの二十五ミリレムと、こういう例を引用をし
ているわけですけれ
ども、ところが肝心の
日本の動燃再
処理工場の実態である気体の〇・七ミリレム、液体の〇・六ミリレム、こういうものを取り上げてない。あるいはまた、近年の
我が国の五十年以降の原発に関する線量
目標値五ミリレムパー年、こういうものも取り上げてない。非常に恣意的に外国の例を
幾つか取り上げながら放射線量の
規制を殊さら甘くしよう、こういう記述になっておるというふうに言わざるを得ないわけです。こうした点
幾つかの問題挙げましたけれ
ども、何か見解ありますか、今の点について。