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志村哲良君 次に、東海
地震に関してお伺いをいたします。
このことに関しましては、さまざまな論議も重ねられましたし、また、
関係各部門における
調査研究も進んでおるところであります。また、災害対策の施策等も既に講ぜられつつあります。そもそも東海
地震が予測される原因といたしましては、例えば朝日新聞特別取材班の手になります「
地震警報のでる日」というような書物な
どもございましたが、一九七六年当時、東大の助教授であった石橋
先生の主張なさった、歴史的な繰り返しの時期に来ておる、周期説でございますか、あるいは
地震発生の空白域がある、あるいは地殻の動きが怪しいというような向きの見解が、いろいろ表現の差はあるといたしましても、一応共通した
認識として私は定着しているのではないかと思われます。
周期説に関しましては、例えば一八五四年の安政の大
地震から既に百三十年をけみしまして、一応百十七年と言われておる繰り返しの時間を超過しておるというような点に
指摘の
中心があるのではないかと思われます。また、地殻の動きが怪しいという点に関しましては、三角測量、
水準測量等が具体的に明らかに示されておるというように実は
考えております。だが、この地殻のひずみという点に関しましては、若干専門的な
分野に過ぎる嫌いがあるかと存じますが、非常に大切な問題でございますし、実は、個人的な立場ではございますが、私は山梨県に在住をいたしております。殊さら不安も大きいものでございますのであえて発言をいたす次第でござます。
この地殻のひずみに関しましては、プレートテクトニクスという
考えがある模様でございます。比較的新しい理論で、
日本におけるプレートの境界に関しましては、一九七二年に現在の神戸大学の杉村教授によって定められたと伺っております。ところが、例の一九八三年の
日本海の中部
地震以降、このプレートの境界に関しまして異論が出されておる模様であります。先ほど
大臣並びに
政府委員のお手元にはお届け申しておきましたが、元来北海道の脊梁山脈を通っていたと言われる北米プレートの境界が大分本州南部に一九八三年以降下がって引かれてきておりまして、とそのように主張をされておるわけでございますが、南に下がってきておるわけでございます。
申し上げましたように、私は山梨県に住んでおりますので、ちょうど、その新しい説に基づきますと、北米プレートあるいはユーラシア・プレート、フィリピン・プレート等が三重に邂逅する点に位をいたすというようなことに相なろうかと思います。まことに実は、三重邂逅点であるから即座にこれが
地震に結びつくというのではございませんでしょうが、プレート説によります、プレートの
潜り込みですとかあるいははね上がりというようなことなどが一つは
地震の原因になっておるというようなことを
考えますと、不安に駆られる昨今でもあるわけです。
このような点にかんがみまして、
地震の
予知を進めるに当たりましては、殊に
基礎的な
研究や測量を強力に進めることが必要ではないかということを痛感いたすものであります。
基礎科学
分野の中でも特に
地震の
予知に
関係の深い地質学あるいは火山学、
地球物理学等の
分野の
研究は、私は焦眉の急を要するものではないかと実は
考えるものでありますが、この点に関しまして
研究調整局長の御
意見を伺いたいと思います。