○板垣正君 運営の面で最大の問題は、天皇、皇后両陛下をお迎えしてすばらしい会として行われる。また、各県で行われておりますが、自衛隊の協力等も混乱がなく行われると。これは混乱の起こらないための協力であります。そうしたことが運営面の実は大きな問題になっていることはあえて申し上げるまでもないと思うのであります。
そこで私、率直に申し上げますが、
沖縄における自衛隊のいろいろな行事の参加問題、これについて私は実に非常に心を痛めているわけであります。最近も一月十五日の成人式の参加問題をめぐって、これは那覇市の小禄地区の式典でございますが、自衛隊員百八十五名が成人に達し、そのうち九十四名が小禄地区、うち七十六名がこの成人式に参加したい。これは小禄中学校の体育館で行われたわけであります。しかし、いわゆる護憲反安保国民会議という労組を
中心とした方々が、反自衛隊闘争の一環として成人式には参加させない、反対だと、こうした中でこの行事が行われたわけでありまして、まさに賛否がマイクでマイク合戦を繰り広げる、あるいは機動隊が出動する。
それで、実際には自衛隊は、これは午後一時からの式典でありますが、自衛隊はマイクロ
バス四台に乗って午前十時に会場にもう早く入ってしまって、それでそのために行事そのものは何とか行われたということでございますけれ
ども、やはりこうした行事について、私
どもはもちろん
沖縄の皆さん方の反戦平和、また自衛隊に対する特別の県民感情、これは痛いほどわかるわけであります。しかし、同時にこの自衛隊の方々もやはり国を思い平和を思う
気持ちにおいては劣るものではない。しかも、ともに人間であり日本人であります。反対の運動はこれはいろいろな形で行われることは自由でありましょう。しかし、その姿において、やり方においてはやはり節度があってしかるべきではないか。お互いにこれは不幸なことではないか、そういう点をあえて申し上げるわけであります。
また、二月の十六日に行われた
沖縄一周駅伝、これは第八回目でありまして、市郡対抗の駅伝大会というスポーツの大会でありますが、これにつきましても自衛隊の人が糸満から十二名参加をするということによって、この参加をめぐって大問題となり、いろいろないきさつがございましたが、当初予定されておった参加十二
チームのうち七
チームは参加をしない。自衛隊が参加するなら我々は参加しないという形で参加は五
チームにとどまったということ。
沖縄の反対する方々は、県民感情からいって参加は認めないのだという態度を貫かれる。自衛隊員は県民ではないのだという叫びも上がる。これは主催したのは日本陸運でございますけれ
ども、自衛隊員といえ
ども日本陸運に登録されているアマチュア選手である。アマチュアの選手がスポーツに参加する、だれでも参加できる、これがまさにスポーツの命でございま,しよう。
これが結果的にそういう姿が起こり、しかもその当日怒号の中でランナーである自衛隊員の人がスタートして走り出したら、反対の人たちがそれを取り囲んで走らせない、やむなくまた引き返す、また主催者に激励されて若干コースをずれて走るというふうな、これはスポーツにとってはまことにあるまじき姿でございましょうし、私はここに根差す深い
沖縄の特殊なる心情を思い、これはある意味における私
どもも責任を持つわけでありますが、だからといってこの限度を超えた、言うなればスポーツ精神を踏みにじる、さらにさらに言うならば人権にかかわる差別の行為、これはどうしても看過できないのではないか。この辺は反対は反対としても節度ある態度をとっていくことが真に平和を愛し、秩序を愛し、自由を愛するそのもののいずれの
立場にあるにせよとるべき態度ではないのか。十二月には那覇のマラソンが行われるそうであります。那覇市当局は個人参加であれば参加を認めるという意向を漏らしておられるようでありますが、ぜひとも今度はそうした混乱がないような形で行っていただきたいと思うのであります。
そういうことに関連をいたしまして、海邦国体もこれがいろいろな
立場において今
沖縄の国体を無事にふさわしい姿で行われるかどうかという、非常に選択の重大なところに来ているわけでありますが、知事さん初め、
沖縄だけ例外の姿でやられるということであってはならない。そういうことで、もちろん
内容的には
沖縄県にふさわしい盛り上がりというものを大いに期待するわけでありますけれ
ども、やはり陛下をお迎えし、また、そうした形でこの行事が本当に本土と一体となった
沖縄の
たくましい活力あふれる、二十一世紀を目指していく姿として実るように、まさに私
どもは祈るような思いでございます。そうした点につきまして、長官、御見解ございましたら承りたいと思います。