○伊藤郁男君 非常に微妙な
段階であろうと思いますので、これ以上は申し上げませんが、ただこの問題、定期運送
事業免許を
申請してから五年、やっと
許可になってそれから一年半。そしてしかも、二月の我が党の塚本書記長の衆議院における
質問の中でも、大臣は、とにかくこれは資本金がわずか三十二億円だと、しかもこれから一カ月も
交渉が延びちゃうと
会社の損害が十億にも達する、したがって四月一日とにかく
運航できるように最大限の
努力をして責任を持ってやりますと、こういう御答弁まであったわけですから、ぜひこの問題は、先ほど大臣も責任を痛感されておるということを申されましたので、大きな貿易摩擦という壁もありますけれ
ども、ぜひその辺の事情も考えながら一段の御
努力を
お願いをしたい、こういうことでございます。
それから次に、先ほ
ども質疑が行われておりましたが、例の串木野の
瀬渡し船開洋丸の沈没転覆
事故ですね。二十七名の
釣り客が一瞬のうちに波にのまれて死んでしまったまことに悲しい
事故なんでありますが、このような種類の
釣り舟、
瀬渡し船の
事故というのが毎年のように繰り返されておるわけですね。ところがこれに対して、再びこのような
事故が起こらないような有効な対策が何としても見つからぬ、こういう現状ではないかと思うのです。もちろん今回の場合は天気の悪い中を強行に出航をした、こういうことも大きな原因だと思うんですが、そういう意味では船頭といいますか、
船長といいますか、そういうものの判断が大変重要であるということはもう申すまでもないわけですが、問題は、
瀬渡し船というのは
申請だけで認められてしまう。したがって、
海上運送法上の適用を一切受けないということになっておるわけで、そこに大きな問題があると私は思います。
それから、例えば
定員の問題も、船の大きさによって、この船は二十名でございます、この船は十五名でございますということでいわば勝手に
定員を決められるというような
状況にある。今度の場合はもう七名も
定員オーバーということで乗せている。これに対しても
定員オーバーを一々チェックするということができない。さらに、テレビ報道によりますと、あの船は
船体を
改造して少し大きくしたということなんですが、十二メートル以下の船であっても、
船体を大きくしたり
改造したりする場合には、これは
船舶安全法で小型
船舶検査機構に
運輸省が委託して安全を確認する、こういうシステムにはなっておるんですが、これは
釣り舟、
瀬渡し船というのはそういうものの種類の船は大変多いわけですね。そういう意味で、
船体を大きくすればバランス上大変大きな問題が発生することはわかっているんだけれ
ども、十分に
船体の
構造上の問題を一体
検査をしたのかどうかという疑問も残っている。
さまざまな疑問があるわけですが、いずれにいたしましても、私も
釣りが好きで
釣りには行くんですが、大変危険な目に遭ったこともあるわけですが、何としてもこういう
事故がこれから起こらないように、しかも
釣り人口はますます多くなるわけですから、何か有効な手だてといいますか、
運輸省として総合的な見地からそういうことが起こらないような何か行政上の
指導体制というようなものが果たしてつくれないものかどうか。大変法律的にそういう意味で困難というんですか、さまざまな
問題点があることはわかっておるわけですが、こういう
事故が再び起こらないように何とかしてもらわなければならぬ、こういうふうに思っておるんですが、その点についての御見解をお伺いをしておきたいと思います。