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政府委員(西村康雄君) 先月航空審議会に対しまして、「今後の空港及び航空保安施設の整備に関する方策について」諮問をさせていただいたところですが、この諮問は、まず
一つは、第五次空港整備五カ年計画というものを具体的にどうするかということでございますが、もう
一つは、二十一世紀を迎えてどういうふうに長期の空港整備政策を
考えていくかということの諮問でございます。
これから御審議いただくわけでございますが、私
ども事務当局といたしますと、空港の空白地域は、六十分圏の一応その外を空港空白区域として
考えてみますと、かなり全国に展開しております。これらの区域については、高速交通の恩恵に浴さないという問題があるわけでございますが、ただ、この区域について今後どうするかということは、
一つは、それぞれの区域のポテンシャルに応じた開発ということを
考えていくわけでございますので、実際に空港をつくったときの開発効果というものを
一つ踏まえながらやっていく必要があるだろう。そういう点で、まだ必要な空港はどれだけあるかということを
考えていく、それから既存の空港をできるだけ活用するということで、これは六十分圏の圏域がさらに広がるということを
期待しているわけでございます。
それで、東京なり大阪なりの首都圏、近畿圏以外の地域は、両圏に対しまして高速交通の恩恵を受けさせるということが主たることになろうかと思うわけですが、そういう地域のあり方は、大量交通が
期待できるところはローカルの空港として、そのようなものが
期待できない、しかしある
程度の
負担には耐えられる、割高の運賃に耐えられるというところはコミューター空港というもので培養していくというような方策が
考えられるわけでございます。
ところで、今もう
一つ先生御
指摘のありました近畿圏あるいは首都圏内の部分につきましては、これはどちらかと申しますと、陸上の交通が東京なり大阪なりとの
関係で非常に密接に発達している。そのために特別な空港というものを必要としなかったわけですが、しかし、逆にそれらの地域におきましても、例えば首都圏の各県が
北海道とつなぐという場合には非常なやはりハンディがあるわけでございます。そういう
意味では、先ほどの地域開発とは違った
意味で、なおそういう首都圏の各県とその他の府県とのつながりというのはもう
一つまた必要性が次の
段階で出てきているわけですから、それらはできるだけ東京なり大阪なりの主要空港とコミューターで結ぶという
要請が出てきても不思議はないというふうには
考えているわけです。
ただ、羽田あるいは伊丹、あるいは今度つくります関西国際空港というところはコミューターの受け入れがどう可能かということになるわけですが、実際に羽田空港に別の滑走路を設けてコミューター専門の滑走路をつくる余地が現実にはない。それから、大型機と一緒にコミューターの小型機を入れるような余裕というのは能力的に非常にない。大型機の後に小型機を入れるというのは非常に危険を伴います。非常に間隔をあけないとそれができないということで、飛行場全体の能力
を落としてしまうわけで、これもまた難しいというようなことでございます。ただ、それぞれの空港につきましては、ヘリコプター等もこれはさらに補完するものとして
考えられますので、いろんな形で
考えていきたい。それからまた、羽田でなくてもコミューターとしての役割を果たすものができれば、それはそれなりに評価していきたいということで、そういう方の研究もこれからしていきたいというふうに
考えている次第でございます。