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加藤(万)
分科員 私が言うまでもございませんでしょうが、石油業法はガソリンの
輸入についての
規定というのはないわけです。ガソリンの
輸入そのものについて禁止するという条項はございませんわ。ですから、ナフサの石油業界との
関係のときに、あれだけのトラブルがあって石油会社をつくられたわけでしょう。当時ナフサは二〇%海外
輸入製品でございましたが、今日では五〇%、石油化学の使うナフサでいけば七五%供給ですよ。しかも、今日その量は自由と言っていいでしょう。
ただ、私は後でナフサのことを言おうと思ったが時間がございませんからこの際申し上げますが、石油業法によってナフサの
輸入量のコントロールをするということは、石油精製業界が石油化学業界のナフサの
輸入に対するコントロール権を持つということになりますよ。率直に言ってそれがいいかどうかは私は少し疑問があるのです。私は、石油化学のエチレンやナフサの設備ができるときに、実は当時社労におりましたから言ったのです。通産の若手の技術者といろいろ研究しまして、
日本のエチレンとナフサのシステムは多過ぎる、オーバーフローになる、必ず石油化学工業は撤退せざるを得ないようになるから、例えば鹿島のアンモニア計画のできるときには、これはやるべきではないという意見を申し述べたことがあるのです。今ごらんのとおりですよ。あのときにもし撤退しておけば、宇部興産のエチレン計画あるいはあの辺の計画でもし量的にとどめておけば、恐らく
日本の石油化学業界はあの混乱を経ずして構造転換ができたのではないかと私は今でも思っているのです。実は今石油精製業界の新しい構造転換の時期が来ているような気がしてならないのです。これは危惧ならいいですよ。しかし、サウジアラビアにいたしましてもあるいはシンガポール石油にいたしましても、原油と抱き合わせてもう
日本に自由化を迫っているんじゃないですか、ガソリンについても。あるいはイランが今日戦争でイラン・ジャパン石油がああいう形になっていますけれども、あの建設がもし三井化学との間で進捗しておりましたら、今日石油精製業界はあんなにのんびりしてはいないと私は思いますよ。幸か不幸がああいう戦争が起きましたから結果的にあの工事が延びて、スパンとしては中近東からの石油製品の
輸入が少し延びていますね。結果的にはそういう
状況になっていますけれども、そういう観点から見まして私はガソリンの、この際石油製品と申し上げておいた方がよろしいと思うのですが、この自由化問題については通産はもっと真剣に考えて、しかも構造変化に対応する体質というものを石油精製業界などに御指導を相当強くしませんと構造変化に対応できない、この構造変化に対応するための無理がどこかに起きる。特に私なんかの場合には雇用の問題を非常に重視しますから、例えば
日本化成がああいう
状況になって、いわきが新産都市でありながらあれだけの港が事実上もう投資がむだな投資になってしまっているような
状況ですよ。今度ソビエトの船が入るか入らないかが問題になっていますけれども。そういう
状況が。再来してはいけないと私は思いますから、ライオンズ石油の今度のガソリンの自由化という問題、いわゆる国内の
輸入という問題をめぐりまして実は頭をすっとかすめたのはそのことだったのです。初めは興味本位におもしろ半分に、ガソリンが安くなるわいと思っておりました。しかし、だんだん考えてみますと、実は石油精製業界も事によると石油化学と同じような
状況に陥りやしないか、その危惧を早く通産が
指摘をし、同時にその構造改善のための施策、時期を長期に置いて、スパンを長く置いてやらないと大変なことになります。しかも、それが石油業法という業法の上にあぐらをかくなんという言葉はよろしゅうはございませんけれども、もしその上に乗って時期を待つという態勢が業界の側にあるとするならば、それは間違いですよ、こう御
指摘をされるのほかえっていい指導ではなかろうか。今度のライオンズ石油の問題を機会に、そこに通産行政の指導を置かれるのが至当ではなかろうか、私はこう思っているのです。したがって、今の勧告問題もちょっとお聞きしました。ライオンズ石油に対しては、最初のシンガポール石油に対する
輸入に対しての念書をおとりになった。きのうの話で、私はきょう電話で聞いた程度でもっと細かには知りませんから、今のお答えをお答えとして私なりに受けとめておきますけれども、今度は
輸入業者として廃業しなさいということを通産が指導された。あなたのお話ですと、税関の方からこの製品は石油製品ではないかというお問い合わせがあって、その結果として云々とこう言いますけれども、逆に通産の方から、それは石油製品じゃないか、こう御
指摘になったという向きもあるようです。この辺はあなたの公式の場の
答弁ですから、私はそれを信用しておきます。
そういう問題は別といたしまして、中小企業に対してそういう念書をとり廃業しなさいという高圧的な行政指導ではなくして、今言ったような将来的展望を持ちながら、どうでしょうが、今やると石油業界はこういう混乱が起きますよ。あるいは我が党はそういう方式をとっているのでありますけれども、石油精製業界の構造転換は軟着陸だと私は言っているのです、率直に言って。
日本の農業構造改善と同じように急激な転換はできないでしょう。軟着陸だとするならば、その軟着陸にふさわしい、中小企業
関係のガソリンスタンドを含めて、メジャーとの
関係を含めて指導があってしかるべきだと思います。時間がありませんから意見だけ先に述べさせていただきました。
一つだけ関連して質問しておきますが、ナフサが先ほど言ったような
状況になってまいりますと、もう備蓄する必要性はなくなってきているんじゃないですか。石油
状況も緩和されてまいりました。石油製品も相当在庫がたまっています。国内で九十、
輸入製品で七十日分、年間で関税を含め金利を含めて大体百六十億円石油業界はこの負担をしておると言われております。半分ぐらいにしてもいいんじゃないですか。これは私の勘ですが、ナフサの備蓄は日数にして約半分、もっと極端にいえば三分の一ぐらいにしても、かつてのオイルショックのような
状況には相ならない、こういうように私は思いますが、いかがでしょうか。