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小沢(貞)
分科員 今お手元に資料を差し上げてありますけれ
ども、米消費
拡大・純米酒
推進議員連盟、この奇妙きてれつな名前の議員連盟を我々はつくっているわけです。今まで座長でやっておった
大村さんがこの前の選挙の後、おまえのやっておるあの純米酒
推進議員連盟しっかりやれと、兵庫県かどこかからわざわざ私に電話をかけてきたことも印象に残っておるわけですが、そういう立場から二、三の質問をさしていただきたい、こう思います。
私たちの役員は、今夜励ます会がある自民党の長谷川峻
先生、副会長は、会長代理ですが社会党の角屋
先生、加藤六月、
小渕恵三、羽田孜、公明党二見さん、共産党林さん以下約二百六十名、超党派の農水議員で構成をしておるわけです。きょうはそういう立場から、昨年の暮れの
予算増額運動に当たっては
大臣、
長官から格段の御厄介になりました。この席をかりて改めてお礼を申し上げておきます。
ことしに入ってからそんな
報告をかねて役員会をやった結果、その冊子の一ページの下のところに、
予算委員会やその他の委員会でぜひことしは次の三項目を重点に発言をして世論を喚起し、あるいはまた外郭団体とも相談をしながらこの実現を図っていこう、こういうのがその下に書いてある三項目であります。我々小使役で取りまとめ役ですから、どうも農林省や食糧庁が一番おっかながっているのは大蔵
大臣、大蔵省。第一次、第二次超過米で懲り懲りしちゃって、金のかかることについてはどうも発言権が弱そうでありますので、きのうは大蔵
大臣相手にこればかりでさんざんに要請をしておきました。
第一は、米飯学校給食についてさらに強力に進めるとともに、日本型食生活に幼児期よりなじむためには幼稚園、保育園における給食についても実現をしていけ、これは新規でありますので、なかなかこういう
予算の少ないときは困難だと思いますが、きのう大蔵
分科会に厚生省から、あるいは幼稚園の方は文部省からそれぞれ担当者に来ていただきまして、特に学校給食の——長谷川会長はこういう表現を使っていました。何しろ餓鬼の時分からどうしても御飯を食べさせるようにしなければいかぬぞ、印象に残っている長谷川会長の言葉でありましたし、今厚生政務次官をやっている北海道の高橋辰夫君が、どうしてもやれ、おれも厚生省で頑張るぞ、こういうような勢いでありまして、きのうの答弁においては前
向きに
検討さしていただく、こういうようなことのようであり、私は食糧庁に率直に申し上げますが、ことしはおかげさまで学校給食約二百五十億の
予算だったと思います。新しいことをやっていくわけですから
予算を増額してやれ、こういうことはなかなか主張しにくいことかと思いますが、この枠の中で、どうせ幼稚園や保育園から始めるといっても、さあやりましょうというところはわずかなところですから、それには施設費もかかれば給食のこともやらなければなりませんし、いろいろの
対応が必要でありますので、来年はわずかなところでいいから、しかも学校給食の二百五十億前後の枠の中で一部からでも始めてもらう、こういうようなぐあいに、これはぜひ前
向きに受けとめて研究をしていただきたい。これは要望にとどめておきます。
二番は、酒米の使用数量が激減している。
昭和五十二年には六十二万トン、
昭和五十九年には四十五万六千トン、この八年間に約十七万トンの酒屋さんの方で使うお米が減ってしまったわけであります。これは大変な量であります。何年かかかって食糧庁さんに御厄介になって、学校給食二百五十億を使って、ことしの予定が十四万何千トンだと私記憶しておりますが、営々として
努力をして学校給食に十四万トンをようやく消化できるようになったにもかかわらず、お酒の方についてはこの八年間ばかりの間に十七万トン消費量が減ってしまう、これは考えてみれば大変なことであります。これにぜひ重点を入れていただきたいと思いますが、これは時間の
関係で、みんな資料に入っておりますが、はしょってちょっと見ていただきたいと思います。
この冊子の十五ページであります。「酒米の計画数量及び実績係数量の推移」、
昭和五十二年の実績の一番下を見ていただくと、六十一万九千トン、それから下の段の右の端の五十九年の実績の見込みの一番下を見ていただくと、四十五万六千トン、こういうように現実に減ってしまっておるわけであります。これの原因はもう明確であります。酒の税金が高い。お米が高い。私は、率直に言って原因は二つだと思いますから、この両方から
解決をしていかなければならない問題であります。お酒の税金のことについてはきょうはここでは発言をいたしません。しょうちゅうばかりどんどん出てしまって、その中にもデータが入っておりますが、きょうは読み上げませんけれ
ども、お酒の方はさっぱり売れないというのは、去年だかおととしにお酒の税金が上がり過ぎた、こういうことが原因だと思います。これまた大蔵省に要求をしてこれから消費を伸ばしていかなければならないお酒の、清酒の税金については、相対的にしょうちゅうやビールやウイスキーより安くできるような形をぜひとってもらいたい。
これを大蔵省に皆さん方からもぜひお願いをしてほしいと思いますが、主として農林省の方へお願いをしたいことは、お米が高過ぎる、私は、率直に言ってそうだと思います。酒造中央会からは輸出のお酒のためには他用途米、工業用米と同じように払い下げてくれ、これはもう正式な陳情であります。その前にはこういうのが出てきました。どうぞ、保税工場で我々はお酒をつくって輸出に回すから、その原料米はカリフォルニア米を輸入させてくれ、これは大変なことだと思って、こんなもの持ってきたってだめだ、こういうように我々は言ったわけなんだけれ
ども、お酒屋さんは大変苦しくなってそういう運動を起こさざるを得ないような
事態になっておるわけであります。
そこで私は、端的に一例としてこれは参考のために申し上げますが、ことしは御厄介になりまして二万六千ヘクタールだけ減反緩和をしていただきました。その上もし来年総数量を、多少一方でも二万でも減反緩和、このことで、そしてそのお米をお酒屋さんの方へ回す、もし仮にそういうようなことを想定するならば、十アール約五万円の減反奨励金がかかるわけですからそれが節約できるわけです。二十アールでお米が一トンできるわけです。だから二十アール、お米一トン分の十万円というものは大蔵省、政府が出すところの減反奨励金は理論的には少なくて済むわけです。だからそれをそういうような形でもし酒屋に特別に回すことができるならば、トン三十万円のお米を二十万円で回すことができるんではなかろうか。これは数字の上だけの
計算ですが、大蔵省も、食糧庁も、農民の手取りも減らない。酒屋さんは約三割安い米が入手できる、
計算上は一応はそうなる。もしそれがいけなければ、半分の量にして他用途米と同じように十万円で払い下げてやれば、量としては半分それらに回すことができる。こういうことで、工夫によって、増反をいたします、その分はお酒屋さんに回します、その分は減反奨励金が少なくて済むわけだから、三者どこも
財政上腹の痛むことはなくてみんなに喜ばれる、こういうことができるのではないか、こう私は思います。
唐突に私ここで申し上げて、これまたすぐ御返事はできないと思いますけれ
ども、お米の消費がお酒のことについてできない根本原因は税金とお米が高い、この二つにありますので、食糧庁、
農林大臣、政治的な大きな問題だと思いますので、御研究をいただいて取り組んでいただくように、これまた要望を申し上げます。こういうことがだんだんと全中や
農業会議、あるいはその他の
農業団体もわかってまいりまして、ことしあたりの運動としてはこういう項目も入って運動が出てくるかと思いますので、それについてもひとつ格段の御配慮をいただきたい。みんな要望ばかりで、私の時間の都合で大変申しわけございません。
三番目は、そこに書いてありますように、「米麦価の
価格差が広がる一方である。米消費
拡大をはかるためにも格差の是正に取り組むこと。」私のところでわかりやすく一覧表をつくりました。今差し上げた資料の中にあります。左の方に「消費者米・麦価の推移」こういうのが入っております。一番上の欄は、
昭和二十七年のときにはお米はキログラム五十四円で政府は売り渡しをいたしました。その右の欄は、麦はその当時キログラム三十五円で売り渡しをいたしました。米麦価比は約六五%、六四・八%であり、
昭和六十年は、最近消費者米価を上げましたから三百五円パーキログラム、麦の方は六十九円パーキログラム、それで格差は二二・六になりました。このことを格差の比だけで見るならば、
昭和二十七年には約六五%の格差、現在は二二%の格差、米麦価比は約三分一になっておる、こういうことであります。右の方の欄は「対米価比の推移」、これは総務庁「家計
調査報告」からとったものでありますが、一番上の
昭和三十年のときには米が八十五円パーキログラム、麦の方は七十二円パーキログラム、対米価比は八四・七、それが
昭和五十八年の一番下の段に至っては、お米はキログラム四百四十八円、麦は百九十三円、開きは四三・一%、これも半分になっておるわけであります。
これはどういうことを物語るかと言えば、外国の麦が安くなった等いろいろな原因がある、消費者に高い麦をやってはいかぬという理由もあると思います。米の消費者
価格が高過ぎるという面もいろいろな面から分析できますけれ
ども、私たちトータルで考えてみると、外国の麦を食べることを奨励をして、日本の米を食べることを
価格上は抑えているように映るわけであります。外国の農民のものは安く国内で売っている、日本の農民のものは高く売っている、これでは
価格の上から米の消費が進まない。きのう大蔵省にさんざんやったら、大蔵
大臣はメモをしっかり書いてきて難しい答弁をしておりました。何を言っているのか最後はよくわからぬような答弁でありましたが、大蔵
大臣もその方向はなるほどと肯定したような答弁でありました。これは消費者が控えておりますのでなかなか難しい問題でありますが、基本的にはこの問題にメスを入れていただかなければ米消費の
拡大はできないのではなかろうか、このように考えます。
以上三点、要望だけ申し上げましたが、
長官からでも
大臣からでも、一言御答弁をいただければと思います。