○
三浦(隆)
委員 初めに官房
長官に
お尋ねいたします。
きょうは大変お忙しいところをおいでいただきましてありがとうございました。一応順番を決めておりましたけれ
ども、官房
長官優先ということで、一応の予定を少しずらさせていただきたいと思います。
初めに、小樽市におきます北教組小樽支部の偏向、違法活動について関連して
お尋ねしたいと思います。
実はこれには前にもここで触れたことがございまして、長い経過というものがございますので、少し時間をとりますが、簡単にこれまでの大ざっぱな概略を述べさせていただきます。
初めに、今回の質問に
関係いたしまして、二月十五日から十七日にかけまして、私は小樽の教育長、問題の校長
先生、そして父兄の代表の方とお会いいたしました。また、札幌市に行きまして北海道の道教育長ともお話いたしまして、私に寄せられた資料を確認をとってございます。実は昨年の末に小樽支部の
先生と思われる方から匿名でいろいろと資料を送られてまいりました。またその後、教育の正常化を願う父兄の方からも同じく資料をいただいております。
さて、
昭和四十九年でございますが、大分前なんですが、北教組小樽支部によります小樽市小中学校教育課程、通称白カリというものがつくられまして、ここで教育編成権が事実上学校の手を離れまして教員組合のものとなりました。言うならば学習指導要領は無視されることになりました。
そして
昭和四十八年、この白カリに先立ちまして小樽市教育
委員会と北教組小樽支部との間で六月十日付で覚書が交わされまして、学校長の存在を無視しまして教育の主要問題は市教委と小樽支部との
交渉事項となっております。
次いで、
昭和五十一年には、学校で正規の教科書を使用しないで小樽支部独自の補助教材中心の授業が行われるようになりました。このため、小樽市内の学習塾では「教科書教えます」の生徒募集の張り紙が目につくようになったと現地の新聞は報じております。
そして、
昭和四十九年ごろから、こうした教育では困るということで教育正常化の動きが高まりまして、
昭和五十三年に偏向教育是正のため、小樽市民による教育正常化促進
委員会が結成されております。そして、この教育正常化の動きに対しまして、北教組小樽支部では次のように述べております。独占資本と
政府・自民党が、資本主義体制の構造的矛盾と経済危機を軍事大国化、軍国主義強化によって切り抜けるために教育を支配するという戦略的攻撃でありますと年次大会で述べているわけであります。これは全く筋違いな、左翼偏向的な意見だろう、こう思います。
その後も
昭和五十五年七月の北教組の大
会議案書に、道徳教育や必修クラブ活動が行われないという、そうした小樽市教員組合による運動の成果を誇りまして、具体的にその
調査結果として各小学校ごとのパーセンテージ的なものが示されております。
そこで、これらの推移を受けまして
昭和五十六年四月、民社党は小樽教育
実情調査団を現地に派遣することになりまして、私もここに加わりました。この
調査をもとにしまして私は、
昭和五十六年四月十日、同年十月三日の二回に分けて文教
委員会あるいは予算
委員会などで発言して、小樽市教育の正常化を訴え、文部省よりも正常化へ向けての強い意見表明もあり、一応の決着を見たというふうに思っていたわけであります。
しかるに、昨年末におきまして小樽市内の教員から匿名で再び、小樽市における教育の異常事態を是正してほしい旨の文書が私あてに送られてまいりました。また、同
趣旨のことが小樽市学校教育正常化促進連合会からも会長名で私あてに文書が寄せられております。この文書の中に、小樽市の教育が北教組小樽支部の暴挙により不正常な状態にあります、無法、違法を繰り返す教師集団の良心と良識に訴え、正常な教育が行われることを願いますという旨の文章が書かれております。
そこで、現在におきます北教組小樽支部の違法、不当な
状況について簡単に述べさせていただきます。
第一番目には、小樽支部長名によります本年一月二十四日付の各分会長、闘争
委員長あての対抗戦術の徹底というふうな文書が配られております。これがそうでありますが、これ全部読むわけにいきませんが、その中を
幾つか挙げておきますと、道教委、市教委主催になる研修会、講習会を拒否せよ、指導主事の学校訪問を拒否せよ、児童生徒からの金銭徴収、集計業務を返上せよ、月末
統計の報告業務を拒否せよ、小中図工美術展など事業拒否せよ、予防接種、給食報告、風邪罹患
調査などを拒否せよ、本務外労働を拒否せよ、休日出勤、時間外労働拒否など、その一部を挙げてみましても、教育法令に違反していることはもはや明瞭だろうというふうに思います。
第二に、教頭選考に際しまして、昨年十月から十一月にかけての作成だろうというふうに思われますが、教頭候補者不適格基準というふうな文章がここにございます。それによりますと、教頭になっていけないのは、未組織者及び組織離脱表明者、ストライキ不参加者、秘密裏に官製研修に参加した者、学習指導要領に固執する者、主任手当を返還しない者などが記載されておりまして、教頭にはストライキ参加あるいは主任手当返還など法令違反を促すことが列挙されているわけであります。
第三番目に、昨年十一月に朝里中学の増改築完成記念式典におきまして教員による国旗及び小樽市旗の引きおろし
事件というのがございました。ここには、校長による職務命令に従わない教員の過ちと、校長の力の弱さを
指摘することができると思います。
また、昨年の十二月、小樽支部の動員指令に従った教員による四日間にわたる市役所の不法占拠
事件が起こっております。
また、昨年三月、勤務時間内に集団で教員が職場放棄しての小樽支部定期大会を開催し、これに出席しておりまして、これに対して市教育長は賃金カットしない旨、大衆団交により確認書に署名捺印するというふうになっております。
そしてまた、六番目に、現在組合専従ではないにもかかわらず、小樽支部長は慣行と称して職場である小学校に満足に出校しないでおります。しかも、この学校は昨年まで出席簿も置いてない。当然現在も勤務評定は行えない
状況にございます。
以上のような常軌を逸した北教組小樽支部が現に存在していることは、心ある教員にとっても悲しむべきことであり、小樽市民にとっては子供を安心して学校に預けていることができないということだろうと思います。
一方、このような異常な教育を本来是正する立場にある小樽市教育長が、
昭和五十八年五月九日付確認書で法令違反の労働慣行を尊重するという旨の、これまたここにございますような署名捺印をするような、こういう事態も起こっております。その後、同年七月十六日付覚書でこれを訂正したとこの教育長は言うのですが、この訂正
内容は極めて不十分でありまして、これだけでは済む問題ではございません。言うなら、一日も早く小樽市教育の正常化を望みたいところでございます。
そこで、官房
長官に
お尋ねしたいわけであります。
首相の教育改革にかける熱情と、これを受けた臨教審において今教育改革に向けて熱心な討議が連日のごとく行われております。しかし、どのように教育理念が語られ、教育制度を改めましょうと、教員が悪ければどうにもならないことだと思うのです。特に北教組小樽支部のような左翼偏向集団と、その指令に従う教員及びこれを正すことのできない教育
委員会や校長であってはとても正常な教育は望めません。国の法令に違反し、校長の服務命令にも従わない教員がいるときには、それなりの断固とした処置が必要だろう、こう
考えます。
一方、
昭和五十八年度でございますが、日教組の予算は
総額二百八億二千八十五万九千九百三十七円でありまして、このうち救援資金特別会計は百六十四億七千百六十三万八千九百四十八円と
総額の七九・一%という異常な高さを示しております。このような突出した救援資金特別予算の組み方はまさにほかに類例を見ないところだ、こう思うのです。
政府は、臨教審の審議及び文部省による文教行政を通じ、どのような教員であってほしいと期待しているのか、理想的な教員像について
政府の御見解を承りたい、こう
考えます。