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松浦委員 民間活力をやる。先ほど、個人所得はあのように上がらない、労使に期待しなければいかぬ。人勧は値切っておるわけですからね、
政府が労使関係にある人事院勧告は値切っておる。民間の賃金も上がらない。個人消費は伸びないのですよ。片一方では、六十五年の関係で
税金が上がるかもしれない。内需を拡大をする道は設備投資減税しかない。
予算の規模によって違いますけれども、
我が国の設備減税というのはアメリカと比較してみたら問題にならない。所得税減税はない。財政は景気に対して消極的である。一体、従来の
我が国の経済は外需中心の景気回復、今までの
数字を挙げる必要はありませんけれども、従来の経済運営を見ますと当初は内需、内需と言っておる、五十八年も五十九年も。ところが、最終的に見てみたら全部外需に依存した景気回復だ。しかも、アメリカの景気が一ポイント上がったら日本の輸出は三%伸びる。今急激にアメリカの景気がどんと落ち込んだら、
我が国の景気は三%輸出が停滞するのですよ。アメリカの景気が二ポイント落ちたら、日本の輸出は六%落ち込むのですよ。内需はないわ、外需は停滞をしたらまた不況ですよ。こんな縮小均衡型の財政経済運営をやっておっていいのですか。
私は、少なくともこの際本当に民間活力を活発にやるなら、民間が働いてくるように、日経連という
言葉は余り好きじゃないけれども、この経団連月報の中にもちゃんと書いてあるのです。大体、民間資金の導入は利潤の見通しが必要である、民間資金のみで公共事業を推進することは難しい、
政府、公共体の資金配分がトリガー的
措置として必要である、こう言っておるのです。まさに建設大臣の出番ですよ。そしたら、その建設投資はどうか。下水道についても三三%しかいっておらない。五カ年
計画はみんな金がないからだめだ。今
大蔵大臣は、ただ単に赤字財政をなくすということだけが財政の中心にきておる、経済は自由、ですから動きがきかない。片一方では、経済摩擦を解決しなければならぬ、内需を活発にしなければならぬという命題がある。もう矛盾がきてどうにもならない。その矛盾がきてどうにもならない最大の原因というのは、五十八年八月の「
展望と
指針」をつくるときに、初めから大きな誤りをしておるのですよ。
「
増税なき
財政再建」を図るなら、私は個人的な意見になりますが、六十五年にというよりももう少し繰り延べればいい。
赤字体質から出ていくのを、七十年ぐらいに五年間ぐらい延ばせばいい。緩やかに
赤字体質から脱出する方法を考えればいい。
赤字国債を減額する分を投資に回す。マネタリストは利子の問題や何かといろいろ言われるけれども、一昨日
竹下大蔵大臣が稲葉
委員に答えておられましたけれども、そうじゃない。GNPが大きくなる、
国民総生産が大きくなる、その比率に占める公債費の比率が下がっていく、日本の景気がよくなっていくということであれば、経済摩擦が解決するということであれば、「
増税なき
財政再建」というのをもう中曽根さんは今やまさに放棄しようとしておるんだから、これについても基本的に見直して私たちに諮ってもらいたい。そうすれば、我々も土俵の中で真剣になって
議論できるのですよ。一方的なんです。「
増税なき
財政再建」についても、ただ
土光臨調、
土光臨調でやりっ放し。それがだんだん行き詰まってきた、取れるところから金を取ったらもうだめだ。今まで
河本さんがつらい思いされたと思うのですが、特命大臣。あの方は早くから直間比率の見直しとかなんとかということを盛んに言っておられた。しかし、頑としてその
政策は
政府の
政策にはなり切らなかった。今矛盾してきておる。だから「
増税なき
財政再建」、これが優先するなら、六十五年という枠組みをもっと先に延ばす、そういう方法というのをどうしても考えなければ、我々はここで
財政再建について提起しよう、そういったことを
幾ら言ってみても、六十五年という網がかかったら言えないですよ。(「
財政再建なき
増税だ」と呼ぶ者あり)だから、極端に言うと、今言われたように
財政再建なき
増税ですよ。必ずまた、
赤字国債依存体質から出る六十五年はだめでした、七十年にしてください、
政府はこう言うはずですよ。
総理大臣、どうですか。