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矢追委員 あと十二分しかございませんので、残念ながらまだまだこの問題がたくさんあるんですが、一応整理をいたしましてまとめてお
伺いをしたいと思いますが、これだけではまだないわけでして、先ほど大蔵大臣、定率繰り入れの問題もおっしゃいましたけれ
ども、そのほか最近のこのいわゆる
財政運営、私は財源あさりと言いたいわけですが、
昭和五十年度以降、この十年間を見てみますと、
赤字国債の発行時のいわゆる特例債を出すためのいわゆる財特法と言われてきたものですね。
昭和五十年度から始まっておりますね、公債の発行の特例に関する法律。これは五十一年、五十二年ずっと続いてまいりましたが、五十六年度以降は随分変わってきたと思うのですね。というのは、まず五十六年度から財特法が財確法に変わりましたね、財源確保法に。そうして中央競馬会、電電公社納付金、開銀、輸銀の利益金、産投会計からの繰り入れ等、そういうのを組んでまいりました。五十八年度の財確法は定率繰り入れの停止、自賠責特会、あへん特会、造幣特会、そして電電公社、中央競馬会の納付金、こういったものを組み込んでまいりました。五十九年はついに借換債、
赤字国債を十年で現金償還すると言いながらついにこの借換債に踏み切ったわけでして、この五十九年度は特に等というのがついておりますね、財源確保等という、今までとまたこれは変わりました。
こういうふうな、要するにこの過去十年を見てもこれほどぶれてきている。しかも先ほ
ども申し上げましたように、特に中曽根内閣になってから大変こういった財源あさりの
やり方が、とにかく血眼になって財源を探してきて何でもかでも突っ込んでいく。さっき言ったように、ちょっと政管健保が黒字になったらそれ貸してくれ、そして借りたものは返さぬ、これはさっき御指摘をしたとおりでございまして、こういうふうな
財政運営はもう私は六十年度が限界ではないか。まずその前に過去を反省してもらいたいです。こういうことはよくなかったということをぜひはっきり表明してもらいたいと思います。こういったことでいきますと、まず来年度を展望したら国債整理基金の繰り入れもこれは復活しなければいかぬですね。定率繰り入れはもうちょっとこれ以上やると
あと残りがなくなってしまう。これも復活せざるを得ない。それにもお金は大分かかります。一兆八千六百億かかる予定ですね。
さらに、公共事業費の削減といいましても、これも限界に来ている。先ほど言ったようなバイパスまでつくってごまかして同じぐらいにするというぐらいですから、これもなかなか削減ができない。これを二つ足しただけでも二兆円たしか要るのですね、歳出増。しかも歳出は、
一般会計の中における実際の使えるお金というのは年々減ってきていますね、これはもう御
承知のとおり。
昭和五十年には
一般会計予算総額に対する
一般歳出の構成比は七四・四あったのが
昭和六十年度では六二・一に減っておる。この調子でいきますと、五%という伸びを仮定計算しても
昭和六十五年には五八・四、ゼロ%としたら五二・四、もう半分しか使えない。こんな
財政はもう大変な危機状況も破綻状況。しかし、そういうのを今までずるずるずるずると歴代
政府が
財政再建を怠り、今日まで追い込まれてしまった。しかもなおかつ、その大変な
財政ということに対する、
総理も大蔵大臣もそれは大変だと思っていらっしゃると思いますが、まだまだ認識は甘いと私は指摘をせざるを得ない。とにかくこういう
予算編成で繕っておいて、その場しのぎをやったら何とかなるだろう、いよいよなくなったら
あとはもう
税金取ればいいんだ、これでは私は
国民は納得しない。こういういいかげんな
財政運営ではなくて、きちんとした展望を持って、これから五カ年計画でも七カ年計画でも結構です、あるいは十年後でも結構です、やはり
国民に納得のできる、行政改革を含めた、
財政再建はこうやります、そして税については不公平をこうやります、その上に立って
国民に
負担はこれぐらいはやむを得ないからお願いしたい、こういう筋だと思うのですが、その一番大事な、しかも
総理が前内閣以来行管庁長官としても頑張られたこの行革、これも軌道に乗っていないし、
総理就任以後のこの
財政運営を見ておりますと問題が余りにも多過ぎる。まだまだ私は言いたいことは山ほどあるのですが、時間の関係でこの程度にとどめますが、まずこの
財政運営が特に中曽根内閣になってから大変問題であるということはお認めになりますかどうか。
さらに
財政再建。その前に、今のこの
財政危機というのは大変な状況だということ。ただ、
国民が果たしてそこまで感じているかどうか。アメリカも大変な
財政赤字、しかし経済は伸びているからいいんだ、いいんだということで、ドルは高くなっている。
日本も
財政の
赤字の方は何とかするんだから、国は倒産することはないんだからほっておけ、目先は、経済がよきゃいいんだ、こうなったら私は困ると思うのです、そのツケは必ず我々の子孫に行くわけですから。その点で
総理は戦後の総決算を言われ、もし今後名宰相としての歴史に名をとどめたいなら、この本当の
財政危機を本気になって乗り切らなきゃならぬと思います。それに対する
総理、大蔵大臣の具体的な、今まで申し上げた私の考え方をお認めになるかどうか、さらに今後の決意、また具体的な方途を出されるなら今後どういうスケジュールでやられるのか、お
伺いをして質問を終わりたいと思います。