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正木委員 これも大分内容が変わってきているんですよね。
最初は、福田
内閣が
財政再建と言い出したときには、赤字国債の発行をゼロにするということが
財政再建だと言っていたわけです。そのときにはまだ赤字国横の借りかえなんということはつゆほども
考えていらっしゃらなかった。建設債の方は何しろ公共投資の原資でありますから、要するに公共投資の結果として、道路も残っていれば、橋も残っているし、ダムも残っているしということで、これはそのサービスを子孫が受けることができるんだから、その借金を子孫が払うということについては、それはない方がいいけれども、その程度はいたし方なかろうというような
考え方であったわけですね。だから、せめて何も生んでいかないいわゆる赤字債というものについては、発行をゼロにするということが
財政再建のめどであるというふうに言われていた。ところが、それがいつの間にか国債の整理基金の方の繰り入れもやめる、そうして赤字債まで借りかえをしていくというようなことになって、態様が変わってきたということで、こういう結果が出てきたと私は思うわけです。
したがって、私がここで申し上げたいことは、こういうふうな状況の中で、いわゆる
国民に負担を求めて
大型間接税というような形でそれを穴埋めするというようなことでないことを
財政再建の道として
考えていかなければならぬ。その
一つは何かというと、一番理想的な形は、いわゆる安定成長というのは、少なくとも五%台に乗せて、しかも、その主軸になるのは内需であるという理想的な姿をつくり上げながら、そうして、景気の維持をしながら、そこで税の自然増収をもたらして、その税の自然増収で赤字分を消していくというようなことが一番理想的な形だと私は思うのですよ。現に、八〇年代の
経済の指針の中にも出ているように、私はこれは何遍も言っているけれども、要するに赤字の中で割合から言うならば六〇%が構造的な赤字、要するに行政機構の肥大化とか行政の非能率から起こってくる赤字、四〇%が循環的赤字と称せられる、いわゆる不況が長続きしたために、要するに企業の収益が上がらず、それによって税の伸びが非常に低い、このことによる循環的な赤字である。これをあなたの政府は全部ごっちゃにしているんだ。あなたの政府だけではなしに、前の政府もそうだけれども、ごっちゃにしてしまって、何でも削ればいいという形をとっている。確かに行政改革という面は、その六〇%の構造的な赤字を減らすためには、どんどん進めていかなければなりませんよ。これについても余り成果が上がらない。そうして片方の循環的赤字を消すためには、これは
河本さんの得意中の得意だけれども、要するに税の自然増収を生むような
経済成長というものを確保するための
財政的な、金融的な措置を講じていくということ、両方両立させた形でやっていかなければならぬ。ですから、これをやってやはり
財政再建をしていくというのが理想的な姿でありますけれども、そういう我々の、これは民社党の
大内さんももうしょっちゅう言っているけれども、そういう提言を一向に政府は受け入れないで、何でもかんでも削ればいい、削ればいい。
言葉は悪いけれども、みそもくそも一緒にしているというような形で
政策遂行をしてきた結果がこういう結果になったんじゃないかと私は思うのですよ。そういうときに、片方の構造的赤字を消すというための
努力ということが一向に行われず、成果が上がらずに、そうして
大型間接税を導入するという形で、これはもう口では言えないけれども、腹の中ではこれよりほかに赤字を消す手はないなという
考え方になっているということが
国民にとっては最も不満なのであります。この辺が、
一般消費税(
仮称)とEC型付加価値税と、これは名前は確かに違うけれども、精神としては、やり方としては、
考え方としては、その置かれている客観情勢というのは同じことなんです。要するに、もう増税よりほかに手はありませんというようなところまでもっと行政改革を徹底してやっていく、そのほかの適切な最気回復のための、最気維持のための
政策というものをどんどんやっていく、そういう姿をはっきりと
国民に誠意として見せない限り、
国民はこんな
大型間接税なんといったって全然受け入れる気はありませんよ。これやったらまた
自民党は
選挙に負けますよ、変な話だけれども。その辺、非常にわかりにくく、わかりにくくするような行政で、ただ漫然と
大型間接税を導入するよりほかに財源がない、減税の財源だってないじゃないかというようなところへ世論を誘導しようとしているけれども、それは大衆は賢明ですよ。そう簡単にはこれを受け入れられないというのが当たり前のことだと私は思っているのです。
そこで、時間がありませんから、もっとみっちりやりたいところがあったんだけれども、すごい脱税がありますね。不正預金というのがありますね。国税庁、来ていますか。国税庁がまとめた五十八年度の源泉所得税白書と言われる報告では、全国の金融機関の一割を調査した結果、ほとんどの店舗でマル優制度を悪用した不正預金が見つかって、その額は実に六千七百億円、追徴額が三百億円にもなったと伝えられておるけれども、本当にこんな実態ですか。