○梅田勝君 私は、
日本共産党・
革新共同を代表いたしまして、
補正予算三案に対し、
反対の
討論を行います。(
拍手)
現在
国民が求めておりますものは平和と暮らしを守る
政治であり、今
政府が進めている軍備
拡大と大
企業奉仕、
国民犠牲の臨調行革路線を転換させることであります。ところが、本
補正予算案は、その声に耳をかさないばかりか、今戦後最悪の
中小企業倒産、
失業の
増大となってあらわれている五十九年度
予算の反
国民的性格を助長し、より一層の軍拡、福祉総破壊の来年度
予算につなぐものとなっており、我が党は断じて容認できないものであります。
具体的な
反対理由の第一は、この
補正予算案が軍拡のスピードをますます加速させ、史上最高の利益を満喫している大
企業にはより一層の手厚い助成を行うなど、大
企業奉仕を特徴づけるものとなっているからであります。
軍事費は二百六十九億円上積みされ、対GNP比〇・九九八%と一%枠ぎりぎりに迫り、六十年度における一%突破は確実視されております。これは
中曽根内閣の軍拡
政策を露骨に示したものであります。また、国土庁の
追加予算で、
硫黄島への帰島を断念させるため五億六千二百万円の
見舞い金を計上しております。これは、いわゆる
シーレーン防衛のための作戦基地づくりがねらいであり、旧
島民追い出し費ともいえるものであります。我が党は、
硫黄島を
日本列島不沈空母化の一環とすることに
反対し、旧
島民が安心して暮らせる十分な対策をとるよう要求するものであります。エネルギー対策費の上積みは、
我が国大
企業の海外石油開発事業への投融資をふやすためのものであります。石油を掘り当てることができなかったときには返済しなくてもよろしいという、いわゆる成功払いを条件とした貸し付けは、大
企業に巨額の国費をつかみ金的に提供するものだとして大きな批判が寄せられ、同制度の撤廃が求められていたものであります。
反対理由の第二は、
国民の暮らしを守る
予算をより一層
削減、厳しくするものだからであります。
公務員給与は、人事院が六・四四%の
引き上げを勧告したにもかかわらず三・三七%に抑えています。これは、
政府が不当にも
国家公務員の
労働基本権を制限し、その代償としてつくった
人事院勧告制度すら否定するものであります。これは、
公務員労働者の
労働基本権と生活権を破壊するだけでなく、全
労働者に低賃金、全
国民に低
生活水準を押しつけるものであり、断じて許せません。また、
国内需要を
拡大させるためにも
中小企業対策や
農林漁業予算の増額が必要であるにもかかわらず、
中小企業対策費は三十三億円、
農林漁業金融費は十億円も
減額されています。大学や高校等私学に対する助成は十一億円の
削減、身体障害者保護費は四十三億円の
減額とするなど生活破壊は著しいものとなっております。
反対理由の第三は、
健康保険法等の改悪に伴うものであります。
国民健康保険助成費の
追加がありますが、もともとこれは、
労働者本人の一部
負担の
導入、国保への補助率
削減など国庫補助の
減額を図った健保法改悪を前提として、当初
予算では三千二百八億円が
減額されていたものであります。しかし、
国民の総反撃によって健保法改悪案の
成立が大幅におくれたために、今回の
補正となったものであります。我々は、このような健保改悪を断じて認めるものではありません。
最後に、この
補正予算案は、さらに借金を重ね、サラ金
財政を一層悪化させるものであり、
政府の言う
財政再建への道を最悪の
事態に導くものであります。
すなわち、国債による資金調達は当初
予算よりも千八百五十億円増額し、五十九年度の国債による
歳入は、赤字国債を含めて十二兆八千六百五十億円、国債依存率二五%、
国債残高は年度末には約百二十二兆円を突破する重大な
事態に至るのであります。
以上が
反対の
理由であります。
私は、軍拡、大
企業奉仕、
国民犠牲の
中曽根内閣と対決し、今こそ平和を守り、軍事費を削って暮らしと福祉、
教育の充実をという新しい
政治の
実現を目指して全力を尽くす
日本共産党・
革新共同の決意を改めて表明し、
反対討論を終わります。(
拍手)