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馬場委員 憲法の十四条で、法のもとに平等ということで、すべての
国民は
能力に応じて
教育を受ける権利を有する、
教育基本法第三条でも、経済的理由によってその修学の
機会に差別があってはならぬとなっておるわけですから、ぜひやっていただきたいと思います。
非常に時間がないので、最後に、要望がたがた申し上げておきたいのは、具体的な
改革提言に対してですけれ
ども、「
学歴社会の
弊害の
是正」が出ておりますけれ
ども、私はあれを見てみて、
答申は実効性は上がらぬと思います。とにかく大
企業とか官庁とか、そういうところの学閥にかかわる人事というものについては
社会的な規制を加えなければいかぬ、私はこういうぐあいに思います。
それから、入学
試験の制度の
改革についても、
共通テスト導入ということがございますが、今のようなあの
学校では、私は高校
教育が一層混乱するだけだと思うのです。本当に今もう
日本の
教育の問題は、
日本ほど
社会の
あり方、
大学の
教育が、
高等学校、中
学校、小
学校、幼稚園までゆがめておる国はよそにはないですね。
日本が一番ですね。そこのところにやっぱり目を向けなければいけない、こういうぐあいに思います。特に六年
制中等学校の問題でも、これの部分的導入というのは、
会長、これはもう論外ですよ。これは
教育荒廃を一層増すだけ、何の取り柄もない。ほとんどの
教育長も反対しているでしょう。そして、これを見て、
欠点は予想されますけれ
ども、利点というものは何も私は予想することができないわけでございまして、ましていわんや
学校の
多様化とか、差別選別偏差値
教育をさらに進めて
受験戦争を小
学校まで落としてくる、こういうこともあるわけですから、これはもう何にも利益はない。
さらに、今後検討する
課題として、教員の資質の向上というようなことが書いてありますけれ
ども、これはこういうことを
念頭に置いていただきたいと思いますが、今の教員がいろいろ言われますが、いろいろ問題があることはあるのですけれ
ども、何といってもやはり教員を
採用するときの密室性とかあの不公平、この問題とか、教員の自主性とか自律性に対する問題、管理統制の問題、
教育内容の
国家統制の問題、そういういろいろなことを十分総合的に検討しなければ、ただ免許制度がどうだこうだ、こういうことでは片づけられないものが教員の資質の向上であるということを申し上げておきたいと思います。
時間が来てしまいましたけれ
ども、最後に申し上げておきます。
教育というのは子供と青年に希望を与えることでしょう。
人間の尊厳と平和の確立に寄与する
国民をつくるということが
教育だと私は思うわけでございまして、我が党は、この前
会長さんたちと我が党の代表がお会いしましたときに、私たちはもともと
臨教審の設置に反対してきたのですけれ
ども、この
答申というのはやめるべきだ、こういうぐあいに言ったわけですが、この
答申を見てみましてもその感を私は今非常に強くいたしております。こう言っては言い過ぎかもしれませんが、報道機関にも出ておりますけれ
ども、やはり
臨教審の思い上がりがあるのじゃないかというような発言を聞いてみて、独善性もありますよ。大体、謙虚さと誠実さがないですよ。そういうことを、この
答申を見ていよいよその
感じを深くしたわけでございます。そして、この
答申を見てみますと、
答申の日時を先に決めておいて粗製乱造、粗雑にこの
答申をやった。生煮えですよ。深みがありません。そしてわかりにくいですよ。それで本当に子供や青年の姿が見えなくて、
国民の
教育要求にこたえておらない、私は、これでは
国民の合意は得られない、こういうぐあいに思います。
それから、もう
一つなんですけれ
ども、やはり憲法とか
教育基本法がゆがめられつつある、そういう
方向が
答申の中にあるということ、あるいは中曽根さんの行革路線あるいは政権政党の政策へのすり寄り、これもないとは言えない、こういうぐあいに思いまして、何としてもこの
答申を引っ込めて、これはたたき台だ、
国民が自由に
議論してください、そういうぐあいにした方がいいのじゃないか。とにかくこの
答申は撤回されんことを心から願っておるものでございます。もちろん私たちも
教育改革の必要性は認めておるわけですから、本当に父母あるいは
国民と一緒になりまして、そして緊急に解決すべきものはあるからそれはやらなければならぬということはわかっております。憲法や
教育基本法に基づいて
教育改革というものを一生懸命進めようという気持ちは我々もあるわけでございますので、ぜひ今言ったようなことを頭に入れられて撤回されますことを強く要望して、時間が来ましたので私の
質問を終わります。
以上です。