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1985-06-20 第102回国会 衆議院 物価問題等に関する特別委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十年六月二十日(木曜日)     午前十時二十分開議 出席委員   委員長 竹内  猛君    理事 青木 正久君 理事 亀井 静香君    理事 佐藤 信二君 理事 金子 みつ君    理事 浜西 鉄雄君 理事 草川 昭三君    理事 田中 慶秋君       工藤  巖君    熊川 次男君       長野 祐也君    武部  文君       中村 正男君    元信  堯君       小谷 輝二君    駒谷  明君       塚田 延充君    藤田 スミ君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      金子 一平君  出席政府委員         経済企画庁国民         生活局長    横溝 雅夫君         経済企画庁物価         局長      斎藤 成雄君  委員外出席者         警察庁刑事局捜         査第一課長   藤原  享君         警察庁刑事局保         安部経済調査官 武居 澄男君         法務大臣官房司         法法制調査部司         法法制課長   中神 正義君         法務省刑事局刑         事課長     宇佐見隆男君         法務省刑事局刑         事課長     東條伸一郎君         大蔵省銀行局銀         行課長     松野 允彦君         国税庁調査査察         部調査課長   友浦 栄二君         農林水産省食品         流通局商業課長 中村 英雄君         通商産業省産業         政策局商課長  山下 弘文君         通商産業省産業         政策局消費経済         課長      糟谷  晃君         運輸省港湾局開         発課長     泉  信也君         運輸省航空局監         理部航空事業課         長       黒野 匡彦君         運輸省航空局飛         行場部管理課長 西村 泰彦君         自治大臣官房地         域政策課長   今泉 浩紀君         特別委員会第二         調査室長    岩田  脩君     ————————————— 六月十一日  消費者行政改善等に関する請願岩垂寿喜男  君紹介)(第五四六八号)  同(大出俊紹介)(第五四六九号) 同月十三日  消費者行政改善等に関する請願伊藤茂君紹  介)(第五六七三号)  同(伊藤茂紹介)(第五七五〇号) 同月十九日  消費者行政改善等に関する請願外四件(富塚  三夫君紹介)(第六七六五号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  閉会中審査に関する件  物価問題等に関する件      ————◇—————
  2. 竹内猛

    竹内委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。浜西鉄雄君。
  3. 浜西鉄雄

    浜西委員 前回に引き続きまして、豊田商事問題に絞って質問をいたします。  まず、子供も見ておりましたあのテレビ画面の中で私どもは何を感じたか。マスコミの皆さん方も本日来られております。報道の自由、取材活動というものについて何も規制をする気持ちは私どもはありませんが、やはりあの画面から受けた印象は、何とかならなかっただろうかという、まことにヒューマニズム的な発想がもわかりませんが、何となく、報道陣皆さん方事件だけを見詰めておった。取材活動と同時に、一個の人間としてのとうとい命が失われるというような状態のときに、持っておるカメラでもあるいはカメラの脚でも投げつけるなり付かして、そのことが制止できなかっただろうかという強い後悔の念が、私自身にもありますし、今後の問題も含めて、報道陣方々一つの問題がここで提起されなければならないというふうに私は考えております。  ただ、このことを国会においてどこの省庁質問をし、どこの省庁責任を持ってそれを指導し周知をするかということは大変難しい機構になっておりますので、せっかく来られております報道陣の方に、今後の問題もありますから、そのときにはやはり人間性というものにも片方では立ち返っていただいて、それなり対処をすべきであったということを、この国会を通じまして私は強く訴えておきますので、今後の問題としてお互いに自戒してもらいたい。ただし、あくまでこれは報道の自由あるいは取材というものの規制をする意味ではございませんから、そのことを保障しながらも、そういったことについて十分配慮すべきであった、そのことを冒頭に申し上げて質問に入ります。  まず警察庁にお尋ねいたします。  私は、前回質問の際にも、大変歯がゆい思いをしたという表現もしております。現存する法律内容だけでは何となくまだ取り締まれない、確たる証拠がつかみ切れない、あるいは目下十分そのことについて捜査中だ、検討中だというような回答だけで、大変歯がゆい思いをいたしました。結果はあのようなことが起こったわけであります。たとえ悪徳商法といえども一個の人間でありますから、やはりこれが白昼堂々と殺されるということを私どもは大変ショッキングに考えております。したがって、きつく言えばこれは警察関係手抜かりというか、そのことに尽きるような気が私はいたします。確かに最近、やれ一和会だとかどうだこうだといろいろありまして、大変手をとられる、御苦労いただいておることは承知しておりますが、この種の関係について、ある意味では重要参考人ですから、私どもは、いずれ近い将来参考人として国会へ来てもらって、会社経営内容なりあるいは金のあり場所なりいろいろ聞いてみたかったわけでありますが、惜しくも重要参考人を亡くしましたが、そういう重要参考人として、既にだれが見ても時の人でありますから、それなり人身保護というか、不祥事を想定してのそういう陣が組めなかったのかどうか、これをまずお尋ねしておきたい。
  4. 武居澄男

    武居説明員 お答えいたします。  警察特定個人につきまして警戒警護、こういった措置をどのように講ずるかということでございますが、その場合には、その当人の生命、身体に危険を生ずるといった不穏な情勢、こういったものの内容によって判断をすることとしております。これは具体的に基準があるわけではございませんで、ケース・バイ・ケースということで判断をしておるところでございます。  ところで、本件につきまして、結果的に不幸な事態になったわけでございまして、この点についてはまことに遺憾であるというように考えておりますが、当時警察が把握しておりました情報には、永野会長に対します直接的な危害を予想させるものはなかったということで、そのために当日は、現場各種のトラブルを防止するというような観点からの所要警戒を行っていたというところでございます。その間隙をついて事件が発生したということになるわけでございますけれども、そういうような情報等を勘案しますと、御指摘のような手抜かりがあったのではないかというようなことは、必ずしもなかったのではないかというように考えておるところでございます。
  5. 浜西鉄雄

    浜西委員 こういった事態が起こった後に、いつも警察関係はやり玉に上げられて気の毒であります。確かに何もなかってもともと、起これば起こったで、警察はそういった意味では追及される立場にあって大変気の毒ではありますけれども、あのときの、テレビ画面しか私はわかりませんが、あれを見る限りにおいては、報道陣も一瞬気をのまれたような状態。堂々としたといいますか、殺人が行われたという印象。しかもガードマンも、あれだけの会社ですから、配置されておったし、確かに画面にもあらわれたと思うのです。  そういった関係から、警察にあの時点でどの時間帯に通報があったか、何とかしてくれ、大変なことが起こりそうだという通報手段、そういうものがどの時間帯にあって、そしてどのように対応したのか。一口に言えば、私から見れば大変来るのが遅かった。堂々と人を殺して出てきて、警察が来るのを待っておるというような印象でありましたから、この関係について、時間的にそれこそ数秒を争う状態であったと思いますが、そういう通報関係警察がそれを受けての対処、これをもう少し詳しくここで言ってください。
  6. 武居澄男

    武居説明員 お答えいたします。  当日の時間的な関係でございますが、警察の方の警戒措置といたしましては、三時間に一度ずつということでパトロールをやっておったということでございます。当日は一回目が十時半から十時四十分、二回目が十三時四十分ごろ、三回目が午後三時三十分から四十分ごろということでございまして、事件発生が大体四時半ごろというように推定されておりますが、一一〇番が四時三十九分から四十二分ぐらいに六本入っております。それで、三十九分に一一〇番の第一報を受けた後すぐにパトカー等が出動をいたしておりまして、二、三分後に現場に着いておるという状況でございます。
  7. 浜西鉄雄

    浜西委員 距離的なものがありますから、ここで時間的な数字を余りいじくっても大した効果はないと思いますけれども、そういう通報を六本も受けて駆けつけたということなので、それはそれなり対応したということはわかりますが、どう見てもこれは警察手抜かりとして、この事件には、あの画面を通じての判定ではそういう印象しかもうない。こういうことがこれから先ももしあるとするならば、私どもは安心をして言うことも言えない、行動もできない、下手をすると暗殺の手が伸びるのじゃなかろうかということさえ、どこか心の片隅に起こりそうな、そういう強い印象を受けたわけであります。  そうなってくると、法治国家というものは一体何なのかということに帰するわけでありまして、これから先も、たとえ永野会長が亡くなったといっても、私どもはこの物持委員会ではこの事件の背景も含め、資金ルートも含め、あるいは被害者救済も含めてこれから解明をしていかなければならない重要な任務を持っておるわけですから、今後再びこのようなことが起こらないように、第二、第三の永野会長が起こらないように、警察当局十分法治国家ということの上に立って体制をしいてもらいたい、このことをひとつここで国民に対してもはっきり態度を表明してもらいたいと思います。
  8. 武居澄男

    武居説明員 お答えいたします。  先ほども申し上げましたように、特定個人につきましての警戒警護、こういったものはやはりいろいろな情報とか本人の要請ですとか、そういったものを総合的に勘案した上でやらせていただく、またはやらなければならないというように考えておるところでございますが、まあこういう情勢、またはこういう事実があったわけでございますので、そういう不穏な情報というものを分析した上で所要警戒態勢をとってまいりたいというように考えております。
  9. 浜西鉄雄

    浜西委員 それでは警察関係、後ほどまた取り締まる法律関係質問いたします。  次に、これは通産省関係あるいは経企庁になるかと思いますが、言ってみれば、国会国会議員、それから各省庁を含めまして、私個人も含めますが、この黒い商法疑惑に満ちたペーパー商法資金集め手口、これを早くから既にお互い新聞報道などでそれなりにつかんでおったと思うのです。しかし、私も含めて対応がぬるま湯的になっておったのではなかろうかという反省があります。これはお互いが強く反省しておかないと、この種のことを許してきた、ここまで肥大化させていったという責任は、ある意味では、言葉をかえれば私は国家にあるような気がするわけです。  そこで、通産省に答えてもらいたいのですが、この種の、雨後のタケノコのように、短期間に新会社がどんどん設立されて、そしてそういった疑惑に満ちた商法でその資金がそれぞれに投下されて移動させられて、次々にいろいろな手口で新しいアイデアの会社が生まれてくる。これに対して、現存する法律チェックできないのかどうなのか。およそ疑わしい、中身のない、明らかに何か意図的に資金集めを目的としてやる、黒い商法と言った方がいいと思いますが、これらについて、その会社の持っておる事業内容、あるいは過去の実績、役員の履歴、こういったものを総合勘案をしてチェックできなかったかどうか、簡単にそういう会社がどんどん設立できるのか、私は大変その点疑問でありますので、現存する法律の中でそういうチェック体制、多少の規制というものができないのかどうか、これについてお答え願います。
  10. 山下弘文

    山下説明員 お答え申し上げます。  先生指摘会社設立につきましては、私どもの直接の担当ではございませんけれども、承知しています限りでは、商法の現在の体制準則主義ということで、一定の要件に当てはまっておれば、会社としては設立登記の申請ができるということに承知しております。したがいまして、設立段階通産省なり、他省もそうだと思いますけれども、具体的に会社内容事前チェックして、それを認めるとか認めないというような体制にはなっておりませんので、なかなかその段階でのチェックというのは難しいというのが実態かと承知しております。  あと御指摘の商売の仕方の方の問題でございますけれども詐欺罪とかいろいろな法律規制それなりにあるわけでございまして、それに該当するかどうかをあらかじめ事前チェックしておくというのはなかなか難しいというのも、これもまた一つ実態ではないかと思っております。ただ、私ども相談窓口などを通じまして具体的な問題として出てきた段階で、それなり実態を把握し、私どもなりに努力はしていきたいというふうに思っておる次第でございます。
  11. 浜西鉄雄

    浜西委員 今の答弁でいきますと、そういったたぐいの会社ができることに対して何ら規制がない、言ってみればやりほうだいということになるわけです。後ほどこれも各省庁に聞きますけれども、現存する法律ではどうしょうもないのならば、我々は立法府として、それらを規制できる新しい取り締まる法律をつくらなければならないと思っていますから、後ほどそういう関係についてひとしく質問をいたします。  そこで、通産省なり経企庁なり、前回委員会でも回答があったと思いますが、その際に私はPR不足というものを訴えました。やはりこの種の疑わしいような商法が出てきたときには、あのとき私が言ったと思いますが、ラジオもない、テレビもない、電話もないというような、歌の文句じゃないけれども、そういうところはほとんどないわけですから、お年寄りは活字は余り読まないけれどもテレビは見ると思うのです。あるいはラジオは聞くと思うのです。そういうものを利用いたしまして、こういう手口にはひっかからないようにという、被害事前に防止するという意味で直ちに対策を考えたらどうかということを、私は前回委員会で提起をいたしました。その後どのように対処されたか、経企庁並び通産省双方から聞いておきたいと思います。
  12. 横溝雅夫

    横溝政府委員 お答え申し上げます。  このような問題に対処する一つの重要な側面は消費者啓発PRであることは御指摘のとおりでございます。私どもは、昨年の十一月の消費者保護会議の決定を受けまして、消費者啓発に努めてまいったわけであります。  前回のこの物特の会合以後という御質問でございますが、その後、六月十日でございましたけれども公正取引委員会警察庁法務省大蔵省通産省それから当庁と、関係省庁で集まりまして、本件にいかに対処するかということをいろいろ御相談申し上げたわけですが、その中の一つに、やはり消費者啓発を積極的にやっていく必要があるということになりまして、豊田商事実名入り警告PRテレビを通じてやるというようなこと、あるいは私ども経済企画庁が都道府県に交付金を交付いたしまして消費者啓発を行うことにいたしておりますが、その手段を使いまして、特にお年寄りが巻き込まれておりますし、お年寄りはなかなかテレビとか新聞とかに日ごろ接しない方もおられようかと思いますので、特に地方の段階での老人組織等を通じるなど、PRパンフレット等が行き渡るような工夫を凝らしながら、全国的にPRを進めていくことを決めております。  以上でございます。
  13. 山下弘文

    山下説明員 私どもPR状況を御説明申し上げますが、金の取引につきましては現物を実際に買うようにというような取引を従来から推奨してきておりまして、五十九年度にテレビラジオで六回あるいはポスターとか新聞とか各種PRを実施してきているところでございます。それから今後の問題でございますけれども会員権を中心にしまして問題の事前予防というような趣旨で、来月テレビを使ってやることを今具体的に取り進め中でございます。  それからもう一つ指摘老人の方への御説明ということでございますけれども、私の方から厚生省の方に呼びかけをいたしまして、厚生省の方のルートを使って民生委員児童委員方向けパンフレットですとかあるいは老人クラブ向けパンフレットというようなところに載せていただくように、厚生省の方に御相談をしている最中でございます。
  14. 浜西鉄雄

    浜西委員 私はテレビを見る時間も余りないのでよく知りませんが、テレビでやっておるということですから、この歯の関係についてはさらにお年寄りに浸透するようなわかりやすい、そういう番組の間に挟むのか、どういうことをやっておられるか知りませんが、これはさらに継続し強化してもらいたい、こう思います。  さて問題は、これから先、今さっき申し上げましたように、資金ルートなりいろいろやっていかなければなりませんが、一番大きな問題は、トップが亡くなったならば、各新聞社それなりのニュアンスで報道しておること、私も同感でありますが、かなりワンマン的な経営ということの中で、ある意味では崩壊するんではなかろうかとか、あるいは責任逃れが出てくるんではなかろうか、私もそう思います。そうすると、救済が大変難しくなりますので、いち早く、被害者救済について政府の側から見てどこまでそれができるのか。そういう資産が分散をしないようにするだとか、いろいろこれから被害者団体動きが始まると思いますが、政府側から見て、通産省なり警察庁も含めて、被害者救済するということにかなり力点を置かないといけないと私は思いますが、何かそれに対する手だてあるいはこういう方法しかない、政府そのものが補償すれば一番いいわけですが、投資ジャーナル初めたくさんいろいろなこういった商法があるわけですから、国家がそれに対して補償するというわけになかなかいかない。だとするならば、それ以外の方法でどんな救済方法があるだろうか。しかもそれは急がなければならないわけですが、その点についてのお考え方がありましたならば述べていただきたいと思うのです。
  15. 武居澄男

    武居説明員 今警察といたしましては、兵庫県警外為法違反ということで事件に着手したということでございますが、何分にもその実態会社の全容なりそういったものも解明していきたいという段階でございまして、警察といたしましては、そういう民事問題的なものに即今の段階でお答えできるという立場にはないということを御了解いただきたいと思います。
  16. 山下弘文

    山下説明員 私どもといたしましても、永野会長死亡ということで、豊田商事グループのこれからの動きということに大変関心を持って注視をしていかなければいけないというふうに思っておるところでございます。御指摘の、契約に既に入っておられる方の問題につきましては、基本的には民事の手続によらざるを得ないことだというふうに理解しておりまして、当通産省として、そういう方々に対しての特段の措置というものを今持っているわけではございません。ただ、個々の被害者の方から私ども相談窓口などにいろいろ御相談があろうかと思います。そういう場合には状況をよく伺いまして、適切に対応していくというようなことで今対応しているところでございます。
  17. 浜西鉄雄

    浜西委員 救済がなかなか具体的に手を下し得ない状態だということはわかりました。  そこで、これから先救済をやろうと思えば、あちらこちらに分散をしておる、次々に投資をしていったわけですから、建設中のところもあるし、土地を買収したところもあるでしょう、そういったところについて、いち早くその分散を防ぐような手だて、これは被害者の会でやると思いますが、警察を初め政府当局法務省、これは最大限、そういう財産を分散するような、ないしょで処分することのないように素早い対応をお願いしておきたいと思います。  それから、それぞれ最後の質問になろうかと思いますが、まず今後の対処方法で、今さっき申し上げましたように、現存する法律、規定、そういったものでは、直ちに取り締まったり、規制をしたり、事前チェックするということが難しいということがわかったわけでありますが、ならば、前回委員会で宿題的に私は申し上げておきました。どのような法律をつくるかは我々国会の権限でありますが、そういう指導をしたり、取り締まったりする側から見て、現存する法律でいいのか、やれるのか、それともやはりこれではどうもならぬから、もう少し実効性のあるきちっとした立法措置が必要なのか、その意見について検討しておいてもらいたいということを、前回、私は宿題的に申し上げておきました。したがって、そのことについてそう長たらしい回答は要りませんから、はっきりどのような考えでおられるかを、本日出席されておる各省庁からそれぞれお願いいたします。
  18. 横溝雅夫

    横溝政府委員 まさにこの豊田商事問題は大変大きな社会問題でございまして、これに対しては可能な限りの対策を講じ、対処措置を講ずる必要があると考えております。  現行法適用の問題でございますけれども、これは現在、先ほどの関係省庁会議を通じまして、あるいは個別にもやっておりますけれども、要するに、関係省庁の間で現行法適用可能性につきまして検討中でございます。特に御存じのとおり、警察強制捜査も入った段階でございますので、この捜査進捗状況を踏まえながらこの協議を進め、鋭意早急に現行法適用可能性について検討を進めているというのが現段階でございます。
  19. 山下弘文

    山下説明員 通産省といたしまして、私どもが既にお預かりしております法律につきましては、今後とも引き続き厳正に運用していきたいと思っておりますが、先生指摘のとおり、底がまだ抜けているではないかというところは、私ども法律に関する限り事実かと思っております。したがいまして、この種の事案につきましては、いろいろ関連する省庁も非常に多うございますので、今企画庁の方から御答弁がございましたように、いろいろ御相談をしながら私どもなりに勉強していきたいというふうに思っております。
  20. 武居澄男

    武居説明員 今現在の段階で、警察といたしまして申し上げられることは、警察立場は、弱い立場にあります消費者を保護するという見地から取り締まりを行っているわけでございますが、その実態を把握するというのがもう何よりも先決だろうというふうに考えております。そういった意味で、そういった解明の中から問題点があれば、ただいま各省庁からございました会議等指摘していきたいというように考えております。  今現在の段階では、何回も申し上げますけれども違法行為に対して厳正に取り締まっていくというようなスタンスでやっていきたいと考えております。
  21. 東條伸一郎

    東條説明員 私ども検察当局立場といたしましては、一応は現在あります法律でどの程度できるかということ、それから今警察庁からお答えがございましたように、実態関係解明して、現行法をどの程度活用できるかということをまず見きわめていかなければならないと思っております。その意味で、現行法がこのような商法に対して欠けている点があるかどうかということについては、なお、私ども立場からは明確な御答弁を申し上げるわけにはいかないわけでございますが、ただ、所管の各省庁におかれまして、実態解明の後に、やはり現行法に不備があるというようなことで改正を検討される場合、特にそれが罰則に関連する場合につきましては、私どもとしても全面的に御協力を申し上げて、しかるべき新規立法の必要があれば、それについてできるだけの努力をいたしたい、このように考えておる次第でございます。
  22. 宇佐見隆男

    ○宇佐見説明員 お答えいたします。  まず、現行法の問題として、既に被害者の側から民事訴訟が提起される、あるいはこれは新聞報道でございますが、破産の申し立てをするというような動きがあるようでございます。これも、どういう理由をもって可能かということになりますが、報道によりますと、詐欺による不法行為を理由とする損害賠償請求、あるいは同じく詐欺だということで売買契約あるいはファミリー契約を取り消す、あるいは出資法違反を理由といたしまして、そもそも契約が無効であるというようなことに基づきまして、売買代金の返還請求訴訟が提起されるというようなことのようでございます。こういう請求が果たして成り立つのかどうかということは、事実関係と絡むわけでございますので軽々に申し上げるわけにいきませんが、ともかくそういうような法律構成は抽象的には可能であろうかと思います。  また、これは豊田商事自体でございますけれども、その取締役に対しましても、商法の二百六十六条ノ三という条文に基づきまして損害賠償請求をするということも、会社ぐるみ違法な行為をやっているということでございますと、取締役がその職務を行うにつきまして第三者に損害を与えた、こういう形になるわけでございますので、それも理論的には適用する余地があるということになろうかと思います。  将来の問題でございますが、こういう法規で被害の回復が可能ならばそれでよろしいわけでございます。それでだめだということになりますと、特別立法ということになろうかと思うのでございますが、仮にそういうことをやってみましても、これは民事的にはあくまでも被害が生じたということになりまして紛争が生ずる、訴訟が起こる、裁判所がその法律適用して初めて被害救済が図られるということになるわけでございますので、こういう悪徳商法と言われるものに対して、民事的な規制というのが果たして実効性があるのかどうかということにつきましては十分検討しなければいけない。むしろ行政的な規制というような、いわば事前規制というようなことの方があるいは望ましいということが言えるのではないかという気がいたします。
  23. 浜西鉄雄

    浜西委員 今それぞれ考え方なりを述べていただきまして、法務省関係は二百六十六条ノ三で損害賠償で、これは結果として起こった後の手続なり措置説明でありますし、その意味では現存する法律でいいのではないかと私も思います。今法務省から言われましたように、事前規制というか、これは法律で縛ることが大変難しいという意味もわかりますが、法務省以外のそれぞれの答弁を聞いてみましても、現在ある法律だけで十分だという答えはどなたも明確におっしゃいません。検討中であるとか、今からいろいろ相談をしてという意味合いもありますが、押しなべて現存する法律では不十分であるというふうに私は受けとめました。したがって、事前の、余り被害が拡大をしない段階実効性のあるようなところに焦点を合わせた立法措置が必要だと、今の答弁を聞いて私は受けとめましたので、これは後々理事会で御相談することになりますからここではこれ以上申し上げませんが、やはり新法を早くつくって、第二、第三の豊田あるいは投資ジャーナルなどが起こらないようにやっていく必要があると私は考えております。  その意を強くしたので、今後ともこの休会中に、豊田商事問題を初めほかのことにも波及するかもわかりませんが、当面、豊田商事を中心として解明に努めるための参考人を呼ぶとか、これから続くわけでありますから、私どもはそのことに全精力を挙げて国民の負託にこたえたい、こういうふうに思いますが、せっかく経企庁長官がおられます、一連のこの種の問題につきまして、やはり安心して消費活動ができる、安心して商行為ができる、そういう世の中にすべきだと思いますので、長官の方から、最後にその辺のお考えをひとつここではっきり表明してもらいたいと思います。
  24. 金子一平

    金子国務大臣 ただいま各省庁からお話のございましたように、警察の手が入りました現段階におきましては、現行法の運用でどこに欠陥があるのか、との条項が適用できるのか、それを今詰めておる最中と私は考えております。仮に法律のすき間があってそれを早急にふさぐ必要があるとすれば、私どもも法の改正にやぶさかではない。できるだけ、二度とこういう悪徳商法がまかり通らないような法体系を整備したいという気持ちでいっぱいでございます。
  25. 浜西鉄雄

    浜西委員 今、大臣の気持ちをそのまま素直に受けとめまして、この問題についての質問を以上で終わります。
  26. 竹内猛

    竹内委員長 次に、草川昭三君。
  27. 草川昭三

    ○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三でございます。  きょうは、主として金銭の流れ、それから我々が早急に担保をしなければいけない豊田商事一連のグループが持っている資産、そういう問題あるいは背景の問題についてお尋ねをしたいと思います。  私は、前回委員会でも申し上げましたように、この豊田商事問題を取り上げて一年半になります。調査をした日数を入れますと二年以前からこの問題に取り組んでおりまして、そういう立場から、永野会長があのような殺害事件を受けたということは大変ショックでございます。しかし、それなるがゆえに逆に、最高責任者の殺害によってこの悪徳商法の刑事責任の追及あるいはまた被害者救済ということを避けてはならないわけでございますし、それをあくまでも貫き通していただきたい。警察庁当局は、厚い壁にぶつかった、あるいはまた大きな支障になると発言をなすっておみえになるようでございますけれども、そういうことでは非常に問題があると私は思います。その預かり金の使途などについてもうやむやにならないよう、ぜひ市民の不安にこたえていただきたい、このような立場から、まず警察庁の意見を求めます。
  28. 武居澄男

    武居説明員 お答えいたします。  御案内のように、兵庫県警におきまして外為法に着手をしたところでございますが、正直申し上げまして、永野会長重要参考人というよりも容疑者という段階くらいにとらえて捜査をしてきたわけでございまして、そういう意味からしますと、その者が亡くなったということで当局としては非常に痛い、支障が全然ないというわけにはいかないというのが実情でございます。しかしながら、先生指摘のように、やはり警察としては全体の解明に全力を注いでいきたいというように考えております。
  29. 草川昭三

    ○草川委員 ぜひ強力な運動をして行動を進めていただきたいと思うのでございます。  実は、豊田商事の元海外事業部長の米戸千秋という方が、事情聴取を昨年の五月ごろから受けていたという有力な情報があるのですが、それは事実でございましょうか。
  30. 武居澄男

    武居説明員 そのとおりでございます。
  31. 草川昭三

    ○草川委員 それは外為法を主として行われているのか、あるいは今回の殺害事件等にもあるわけでございますが、非常に複雑な背後関係があると思うのでございますが、そういう周辺の問題から本丸を攻めるという考え方であったのか、お伺いします。
  32. 武居澄男

    武居説明員 お答えいたします。  何分にも現在捜査中の事件でございまして、具体的な内容等にわたる面がございますので、御答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
  33. 草川昭三

    ○草川委員 ついでながら、きのう投資ジャーナルの中江前会長が、永野会長殺害のショックで出頭したと伝えられております。私どもが聞いたところによりますと、殺害の数日前から何者かによって非常におどかされていた、それでこの事件がショックになって出てきた、こういうことを言われておりますが、この問題は底流ではつながっていると判断をなすっておみえになるのか、お伺いします。
  34. 武居澄男

    武居説明員 お答えいたします。  投資ジャーナルの中江会長ら十一人は、きのう警視庁の方で逮捕したわけでございますが、まだ逮捕間もなくてそういった事情関係が完全に把握されてないという状況でございますので、今先生指摘のような点があったのかどうかということも含めまして御答弁できない、現在の段階では把握してないということで御了解いただきたいと思います。
  35. 草川昭三

    ○草川委員 私どもが知り得た情報によりますと、ある経済クラブを通じて永野会長と中江投資ジャーナルの前会長とはいわゆる関係を持っている、いろいろな情報交換をしておる、こういうのがあるわけでございまして、私どもは一連のこの金融詐欺事件というものを、総体的な立場から問題の解明を進めていただきたい。特にこの殺害事件等について、犯人の背後関係がないやの報道が一部なされておりますけれども、私はそうではない、これは明らかに大きな背後関係があるということを、私自身の直観力というと大変非科学的ではございますけれども、いろいろなもののデータを突き合わせますとそういう点があるわけでございます。ですから、私は十分な調査をひとつお願いしたい、こういうことでございます。  さてそこで、つい最近埼玉県警で、川口署の所管になると思いますけれども、焼却炉で大量の豊田商事関連の資料が廃棄処分されようとした。これを埼玉県警の方が調査をしておるのでございますけれども、埼玉県警の方は、これは本来ならば独自にこの資料の中からいろいろな調査をしていただかなければいけないのでありますけれども、新たな捜査に着手することはない、ただ全国的に資料要求があるならば協力をするという非常に消極的な態度であるやに伺っております。これは私は非常に残念なことであると思うのですが、その点はどうでしょう。
  36. 武居澄男

    武居説明員 お答えいたします。  川口警察署の方で押収した件でございますが、もともとこの発端は、六月十五日付でございますか、読売新聞の朝刊に出ていて、早速事情聴取に入り、まだ燃やされていないという段階で押さえることができたということでございます。今、内容等の解明作業を進めておるわけですが、具体的な事件その他、どういうようなものになるのかということについては、現在警察庁の方とも緊密な連絡をとりながら埼玉県警でやっていただいておるという状況でございます。
  37. 草川昭三

    ○草川委員 すると、その情報警察庁はもう十分承知をしておみえになるわけですか。
  38. 武居澄男

    武居説明員 お答えいたします。  現在それを分析したりしているところでございまして、何分にもトン数が相当多くて、ダンボール箱で何百というようなことでございますので、短期日のうちにすぐにというわけにはまいりませんけれども、おいおい——おいおいというとちょっと語弊があるかもわかりませんが、解明していきたいというように考えております。
  39. 草川昭三

    ○草川委員 高名な政治家の名前がその資料の中から出てきたという話があるのですが、その点は承知をなすっておみえになりますか。
  40. 武居澄男

    武居説明員 お答えいたします。  私自身、把握してはおりません。
  41. 草川昭三

    ○草川委員 実はこの問題につきまして、今後警察庁なり担当のそれぞれが、大阪の場合は。法務省、まあ検察庁になるわけでございますが、いろいろな取り組みをなされると思うのでございますけれども、本当に背景にある暗黒的なさまざまな問題が出てくるわけでございますから、これはひとつ徹底的に捜査をしていただきたいと思います。  そこで、今の話は以上で終わりまして、捜査を進める上で一体被害者の数というものは特定できるのであろうか、ところが、この被害者として一体だれが被害者なのか、まだわかっていない。金を購入した方あるいはペーパー商法として預かり証を受けた人すべてを被害者と見るのか、難しい点があるわけでございますけれども、この総数をどの程度と見込んでおられるのか、あるいはただいまのところ被害者特定ということでは答えられないとするならば、苦情件数として捜査当局はどのような数を認めておられるのか、お伺いします。
  42. 武居澄男

    武居説明員 先生御案内のように、ただいま警察といたしましてはその実態解明に主力を注いでやっておるところでございまして、被害者がどの程度になるかというようなことは把握してないという状況でございます。
  43. 草川昭三

    ○草川委員 この数は、総数約二千億、二万人の被害者だと言われておるわけでありますけれども、そうではなくて、私後で質問するお金の流れから言いますと、少なくとも年に七万から八万人を対象にノルマを課せられていたという、いわゆる豊田商事関連、鹿島商事関連の営業の方々が言っておみえになりますから、少なくとも一年で七万から八万人の方々が対象になったことは事実だと思うのです。豊田商事が五十六年、鹿島商事が五十九年、ベルギーダイヤモンドが五十八年、これだけを挙げましても、その総数は十万人に近い方々が対象になっておる事件でございます。でございますから、ぜひ捜査当局は強力な体制でこの問題の解明に取り組んでいただきたいことを要望いたします。  そこで、今度は法務省にお伺いいたします。  法務省に弁護士活動の問題についてお伺いするわけでございますが、私ども委員会に、会社側を代表する顧問弁護士の参考人出頭についても断られたわけでございまして、私どもにとりましては非常に問題だと思っておりますけれども、この企業の中にはたくさんの顧問弁護士がおります。しかも、それぞれ有力な弁護士でございまして、元検事をやられた方々あるいはまたそれなりの知識にたけた方々が多いわけでございますけれども、その弁護士の方々が、こうすれば法をくぐれる、あるいはベルギーダイヤモンドのパンフレットがここにもございますけれども、そのパンフレット等を見てまいりますと、そのパンフレットの中に、いわゆる弁護士への質問として、編集者が弁護士に質問するのですが、法にもとるところはないのですか、こう聞くと、いや、この会社は我々がいろいろと知恵をつけておるからそれは大丈夫なんだ、もし法に触れるとするならば、それはセールスマンが悪いのだ、こういうすりかえの指導をしてみえるわけですね。これでは私は弁護士の倫理にも反すると思うのでございますが、こういういわゆる悪徳弁護士がこの企業にはたくさんいるわけでございまして、いざ責任をとるという段階になりますと、会社側の顧問契約をやめると、きのうも発表しておる。非常に遺憾だと思うのでございますが、その点どのようにお考えになるのか、お伺いします。
  44. 中神正義

    ○中神説明員 お答えいたします。  一定の行為が犯罪に該当して刑事罰の対象となる場合は別でございますけれども、弁護士に対する監督あるいは懲戒の権限は、弁護士法によりまして弁護士会及び日本弁護士連合会にゆだねるものと定められておりますので、政府といたしましてとかく申し述べるのは適当でないというふうに考えております。  ただ、一般的に申しますと、弁護士が弁護士法あるいは所属している弁護士会の会則もしくは日本弁護士連合会の会則に違反して、所属弁護士会の秩序あるいは信用を害するような事案が生じた場合、その他職務の内外を問わずその品位を失うべき非行を犯したときには、弁護士会あるいは日本弁護士連合会が当該弁護士を懲戒することができるというふうに規定されております。
  45. 草川昭三

    ○草川委員 私はたまたま、五十八年七月二十三日の弁護士吉井文夫さんという方のメモがあるわけでございます。「刑事上の問題」、「民事上の問題」、例えば訪販法が適用されるとか出資法違反になるとか結論はならないとかいろいろなことの最後に、「吉井弁護士は元地方検事で出資法・海外商品取引規制法等に精通しこの道のオーソリティ。今後何か問題とか困った事があれば遠慮なく事務所迄連絡して差支えないとの事です。」こういうメモが社内に回っておるわけであります。こういうような事実だけでも私は今の答弁に合うのではないかと思うので、これは弁護士会の問題になるかもわかりませんけれども、ひとつ厳重な対応を求めたいと思うわけであります。  続いて、今度は国税庁にお答え願いたいわけでございます。私は前回委員会で、豊田商事は利益を上げておるようだけれども実は赤字ではないか、その証拠として、大阪地方検察庁が大阪地方裁判所に恐喝事件で挙げた資料の中で、三百七十四億円の赤字を計上している、こういうことを取り上げまして、豊田商事は赤字ではないのか、こう聞きました。国税庁は、否定をしない、こういうお話でございました。  続いて、今度はベルギーダイヤモンドの収支についてお伺いをいたします。私どもの資料によりますと、ベルギーダイヤモンドは五十八年は千八百五十万円の赤字、五十九年が同じく四億八千三百万円の赤字、こういうように五十八年、五十九年ともに赤字を出しておるのでございますが、この点をどのようにお考えになりますか。
  46. 友浦栄二

    ○友浦説明員 お答えいたします。  お尋ねの法人は昭和五十八年二月八日に設立されまして、現在まで五十八年三月期、五十九年三月期の二事業年度の申告書が提出されておりますが、それぞれの事業年度の申告所得金額はいずれも公示金額に達しておりません。このような状況から御賢察をいただきたいと思います。
  47. 草川昭三

    ○草川委員 今の御答弁で私ども指摘をしたことが裏づけをされたのではないかと思うのでございますが、そうなりますと、毎月二十億とか三十億というお金が集まっていくのだが、実際の企業は赤字だったということになるわけであります。ですから、倒産をするのはもう当然ということになってまいります。倒産をした後の処置については後半戦でお伺いをいたしますけれども、一体集まった金はどこへ流れていくのか、なぜ赤字なのか、この問題を究明していきたいと思うのでございます。  これも前回私が出しました資料の中で、昨年十月の確定分の入金が一カ月間で百二十二億だということを申し上げました。その後、十二月度の豊田関連の売り上げの一覧表が。ここにございますが、昨年の十二月度は百五十九億という一カ月間の売り上げになっておるわけであります。こういう膨大なお金が一カ月間ずつ入ってまいります。しかもこれは豊田は五十六年から、鹿島商事の場合の収入は、今の資料と別の資料で数字が合うのでございますが、鹿島商事は十月に七億四千百六十万、十一月が九億八千二十二万、十二月が十二億六千三百二十三万、ことしの一月に九億六千二百十六万、二月が十三億六千十一万、三月が二十二億九千四百十七万、四月が十八億四千二百九十二万、五月が十六億七百九十二万の売り上げを上げております。トータルで百十億五千二百三十三万。昨年八月に発足をし、十月からの売り上げ計上百十億を集めております。こういうものを集めてまいりますと、推定で少なくとも二千億を超すことは間違いないわけであります。  私は、この二千億を超す金額というものを大蔵省に実は特定をしてもらいたいわけでございますけれども大蔵省は守秘義務がございます。そこで、私は実は第一勧銀の梅田支店がメーンバンクだという指摘をいたしました。全国百カ所からお金が集まってきておるのだけれどもという質問をしたわけでございますが、とりあえず大蔵省に、私が質問をしたことを認めていただけるかどうかの答弁をしていただきたいと思うのです。
  48. 松野允彦

    ○松野説明員 そういうお尋ねを受けたことは事実でございます。
  49. 草川昭三

    ○草川委員 その内容は、今申し上げましたように、全国百カ所の支店から集まるお金がメーンバンクを通じて大阪の梅田支店に集まります。ところが、不思議なことに、大阪のその支店に日に二十億から二十五、六億、若干のアローアンスはあるわけでございますけれども、集まった金額がその日のうちに解約をされるわけであります。解約というよりも引き出されるわけであります。しかも、その引き出しは小切手ではなくて、現金で引き出されるわけであります。各支店だとかいろいろなところにその金が行くわけであります。こういう事実があるわけでございますから、この銀行は大変迷惑だと私は思うのですね。お金が全く通過するだけですから、事務量だけを受けるということで大変迷惑だと思うのでございますが、一流の銀行が悪徳商事、悪徳商社の金融上のルートに利用されておるということはいかがなものか、こう思うのですが、大蔵省どうでしょう。
  50. 松野允彦

    ○松野説明員 金融機関の預金口座を通じて特定の法人のお金が流れるということは、経済行為として当然行われているわけでございまして、金融機関は御存じのように公共的な機関でございまして、特定の法人の取引を拒否するということは、金融機関としてはなかなかできないというふうに私どもは考えております。
  51. 草川昭三

    ○草川委員 ただいまのところはそのとおりだと思うのです。私が言いたいのは、この問題の究明の中で、集まった金を早く押さえて被害者方々に返さなければいけない、そのためには情報というのが非常に不足をしておるわけです。縦割り行政を続ける限り、国税庁は国税の範囲内あるいは警察庁は刑事事件の範囲内、そして被害者方々だけが泣くということになりますから、情報を速やかに交流をするということ、あるいはどこかに集めてそれをフィードバックさせるということが、今被害者方々を救う一番の道だと思うのです。そういう意味で、私は、今銀行局の答弁にもございますけれども情報というものを従来の枠から出て交流をすることが必要だということを申したいわけであります。  しかも、この豊田商事関連は、銀河計画株式会社というのが一番の中枢だということを私どもも言ってまいりました。しかし、前回この銀河計画の上に白道という会社があるということを私は言ったのですが、実は金の流れはすべて白道という会社が取り仕切っておるということを指摘したいと思うのです。名前は白道株式会社、五万円株千六百株です。それで、設立が五十九年四月十六日、本社は大阪市北区梅田一の一の三、ここにあるわけです。これは東京の新宿から変わっております。代表取締役は永野一男氏、取締は二名です。取締の二名が実際上はこの集まったお金を分配をする、この一番の中枢機関がこの白道という会社であるということをぜひ捜査当局も、それから関連する各役所も承知をしておっていただきたいと思うのであります。  この金が一体どこへ流れていくのかというので、私は前回もいろいろと指摘をしておりますが、大きく分けまして六五%から七〇%は経費で使われていると認めざるを得ません。いわゆる駅前の一等地の貸しビルを借りる賃料、あるいはまたセールスマン一人百万平均と言われる高額な人件費、あるいは支店長クラスで一千万を超える月給、こういう人件費等で七割近い経費が落ちる。あとの三〇%、これが私が今指摘をしたい金の流れになっていくわけであります。この金が一体どこへ消えておるのか。もちろん一部は金の返済あるいは預けたものの返済に回るでしょう。あるいは先行投資にも回るでしょう。海外へも行くでしょう。いろいろなところへ行くわけでございますが、この約二千億から三千億と言われる金の四割、六百億とも八百億と至言われる金額を、私はぜひ押さえていただきたいわけであります。その中においても、永野会長個人が最も使ったと言われるのが、先物取引市場における豊田玉と言われる豊田系の金の仕手戦の問題があります。ここで非常に膨大な仕手戦というのが繰り返し繰り返し行われておりまして、ここに大量の金が使われているのではないかということを前回に引き続いて私は指摘をいたします。  きょうは通産省の方は来ておりませんからあれでございますけれども、農林水産省は来ておりますが、現在の小豆相場あるいは輸入大豆、あるいは最近小豆が急上昇いたしておりますけれども、一体この先物相場というものに仕手戦というものは仕掛けられているのかどうか、お伺いをいたします。
  52. 中村英雄

    中村説明員 お答えをいたします。  質問は二つあったと思いますが、五十七年当時からいろいろ小豆、生糸、それから五十九年に小豆、それから六十一年に輸入大豆につきまして非常に高騰したというようなことは事実でございます。この間私の前任者がここでもお答えいたしましたように、農林水産省といたしましてはこういう豊田商事関連の資金の排除につきましては日ごろから指導しておるわけでございます。  それから最近、六月に入りまして乾繭と小豆の相場が高騰しておるわけでございます。乾繭の六月相場につきましては、これは御承知のとおり繭の端境期に当たるわけでございまして、それにつきまして一般投機家の思惑から買い人気が強くなっている、このように考えておるわけでございます。小豆につきましても六月に入ってからやや上昇の傾向が見られるわけでございますが、これは先生御承知のとおり、最近気温がちょっと下がっておるというような状況がございまして、そういう気象状況を反映した問題ではなかろうか、そういう関係で一般投機家の思惑からやや買い人気が高まっているのではないか、このように考えておるわけでございまして、最近におきます乾繭あるいは小豆のそれぞれの相場の背景は以上のようなものと考えているわけで、豊田商事系統の資金の流入がその背景になっているというようには考えておらないわけでございます。
  53. 草川昭三

    ○草川委員 私は豊田商事の金が乾繭相場に入っておるというところまでまだ発言をしていないのです。先取りをされて発言をされておみえになりますが、実は私きのう国会におりまして、相場の方々からすごい電話がじゃんじゃん入ってまいります。それで、ある会社に手入れがあったとか、永野が死んだら豊田とこの先物相場の接点になる某氏が次は刺されるぞとか、でたらめだと思いますけれども、かなり穀物相場に豊田の問題が大きな話題になっておることは事実だと思うのです。ですから、農林水産省も大変な神経をとがらせて行政指導をやっておることも私は認めます。  そこで、今日になりました最大の理由は、昭和五十七年の小豆相場であったことは御存じのとおりです。これは明らかに豊田の金が入ってきたわけですからね。豊田玉というのが入ってきて仕手戦が行われて大混乱をした。だから農林水産省、通産省は大変厳しい行政指導をした。しかし、指導したにもかかわらず、名前を変えて豊田の金、豊田玉というものが仕手戦に何回か顔をのぞかせる、こう言われてきておるわけであります。事実ことしになりましても、農林水産省は中国産大豆の一月当限の大規模な仕手戦に介入された。混乱をするというので随分指導をいたしまして、取引所は業務停止をした事実があるのでしょう、そういうことありますね。あるかないか、ちょっとお伺いします。
  54. 中村英雄

    中村説明員 お答えいたします。  取引につきまして、取引所において処分をしたという事実はございます。
  55. 草川昭三

    ○草川委員 そういうように非常に混乱をしておるわけです。  それで、私がきょうこの問題を長々とやれば、本当はもっと解明できるのでございますが、たまたま五十七年のときに、生糸相場で豊田商事の会長の永野さんは大変もうけたわけです。ところが豊田の永野さんというのは、年齢三十二歳ですから、言っちゃ悪いが非常に若い人で、そんな大きな相場は張れないわけです。そこでパートナーというのが出てくるわけです。そのパートナーが大阪の本田忠さんという有名な方であります。この二人が生糸相場を張りまして大変もうけた時期があります。その年の暮れに今度は大豆で大損をしまして、永野さんは五十億の損をしたと言われております。今回の小豆相場でも百億の金を使って損をしたと言われております。豊田の玉がなければこんなに混乱しないと業界の連中は言うんですね。あの金を押さえたらもっと安定的な相場になる、こう言うのです。そういう話があるのでございます。  五十六年に戻りますけれども、そのもうけたときに本田忠さんとの間にトラブルがあります。トラブルがあるということは、早くおりるとかおりぬとか難しい関係があると思うのでございますが、大阪地方裁判所昭和五十八年(ワ)第七〇九三号立替金等請求事件というのがあります。当事者は原告本田忠さん、被告永野一男さん。「事案 原告本田は、被告永野との間の商品清算取引の委任契約に基づき、自己が立て替えた証拠金又は取引損金の不足分の残額合計一億四八〇〇万余円の返還を被告永野に求めるのに対し、被告永野は、右商品清算取引の委任契約の存在を争い、原告の請求を全面的に争って、現在係争中である。」これは生きておる、こういう資料がここにございます。  こういう事件というのは業界ではかなり有名なことでございまして、ここでまた一番最初に戻りますけれども、永野さんの問題、殺害事件をめぐって、こういうトラブルが原因ではないか。事実このときの大阪の争いというものは、係争中ではございますけれども、実際に双方が暴力団を立てて、暴力団同士の争いでこの問題は解決をしたと伝えられておるわけです。その間に一人の暴力団員が行方不明になっているという事実もあります。  これは非常に暗黒的な、いわゆる地下経済的な、私どもの知り得ない範囲内で大きな金が動いている。しかもその金というのが、前回も申し上げたように、ただで集めてきた金でなければ張れないような相場を張っておる、こう言うのです。自分のお金だったらもったいなくてとても張れない、ただだからこそ大量の金があのように張れるのではないかと業界筋では言われておるわけであります。こういう点について、農林水産省、もっと厳重に調査をするという気はありませんか、お伺いします。
  56. 中村英雄

    中村説明員 お答えいたします。  先般、先生からの御指摘もございまして、農林水産省といたしましても、今月の初めでございますが、前橋、豊橋の両乾繭取引所に対しまして、商品取引員の調査をするように指示をしたわけでございます。現在のところ、両取引所からは、大口建て玉といいますか大口のものだけ、それから商品取引員の売買状況等をもとにいたしまして、商品取引員に対し事情聴取を行っておるわけでございますけれども、現在のところ、うわさのような資金による売買取引の受託はないというように聞いておるわけでございます。  今後とも、売買取引状況につきましては引き続き注意を払ってまいりたいと思いますし、必要がありますれば、両取引所に対しまして、あるいは関係取引所に対しまして、関係取引員の調査を実施させたいというように考えておるわけでございます。
  57. 草川昭三

    ○草川委員 取引員のところに買いが入る、その買いが入る人がもう一つくぐって入る、こう言われておるわけでございますから、表の調査を幾らされても、豊田の金だと特定はできないと思うのです。だから、そのルーツを探る、いわゆる逆のフィードバックをしていただきませんと、豊田の金だということは特定できないわけですよ。だから、一部は北海道から大量の金が入ると言われております。一部は大阪からも入る、こう言われております。あるいは、それに立ち向かうのは静岡の大きな相場師だとも言われております。だけれども、そのルーツを探ることによって豊田の、いわゆる永野の金だということがわかるならば、それを早く押さえなければいけない。その金を押さえて、被害者老人あるいは多くの方々に返さなければいかぬわけです。だから、従来の行政の枠から一歩出て、ひとつ農林水産省も、この仕手戦で使われておるところの金のルーツをぜひ徹底的に洗っていただきたい、これを強く私は要望をしたい、こう思います。  そこで、今度は仕手戦以外に一体どこに金が使われているのか。一部はゴルフ場あるいはスカイクラブ、マリーンクラブに金が使われていっておるわけでございます。これは豊田商事の永野氏がもし殺害をされないとするならば、一体豊田はどういう行き方をするのか、こういうことでございますけれども、実は、金はもう一切販売しない、通産省至言っておりますけれども。そこで、五月末にセールスマンを集めまして、豊田商事は、金は扱うなよ、これからは総合レジャーでいこう、総合レジャーのいわゆるオーナー権というのですか、そういうものを売っていこうではないかという言い方をしております。セールスマンは、従来金の——金を直接扱うという意味でなくて申し上げておるのでございますけれども、ゴルフとかいろいろなものの証券でペーパー商法をやるわけでございますが、一二%のマージンがあったのでございますが、六%にするよ、だからもうこの証券は扱うな、新しくやるのは豊田総合クラブオーナース証券というのを扱えということを指示をしておるわけです。  私の手元に豊田総合クラブ会員権四千万円の見本がありますけれども、これをとにかく売って歩けというわけですよね。これは一体何かというと、ゴルフもできるし、スキーもできるし、海上ヨット、それからテニスもできるし、そのほかのいろいろなレジャー関係を総合的に利用できるお金が四百万円だとか四千万円だというものですね。これを買ってもらって、おじいちゃん、おばあちゃんはテニスができるわけじゃないから、これをもう一回私に戻しなさい、そのかわりに証券を預けますよという、金と同様なことをやろうとしていたわけですね、やさきは。ですから、私が言いたいのは、金を幾らたたいてもだめなんですね。ゴルフの方に来ちゃったわけです。あるいは、ベルギーの方へ来たわけです。しかし、それもだめだから、今度は総合的なスポーツをやろうというので、いろいろなところに手を伸ばしてきております。  例えば、一つはスカイクラブであります。飛行機をやろう、こういうわけですね。豊田関連の、おもしろいのでございますけれども、航空従業員の養成のための学校をつくろうなんという話もございます。あるいは、調べてまいりますと、豊田関連で、日本産業航空株式会社、公共施設地図航空株式会社、あるいは北日本航空株式会社というような名前が出てまいります。あるいは豊田航空自身が小型ジェット機を一機持っております。あるいは豊田商事自身が——今のは豊田航空ですよ。豊田商事自身がセスナを持っておる。こういう事実があるのですが、これはひとつ運輸省の方から答えていただきたい、こう思います。
  58. 黒野匡彦

    ○黒野説明員 お答えいたします。  私ども、二、三の航空事業、既存の航空事業者でございますが、主として小型機を扱っております。その会社に、豊田系の資本が入ったという情報を入手いたしております。その後、我々といたしましてもできるだけの手段を講じまして調査はいたしておりますが、現段階におきましてその点の確証を得られないという状況でございます。
  59. 草川昭三

    ○草川委員 いずれにしても、日本産業航空、公共施設地図、こういう会社も過去は立派な会社だったのです。ところが赤字を出した。それでいろいろな背景がございまして豊田が乗り出してきて、金を置く、買収をする、こういう形になります。  そこで、これは被害者救済一つの例でございますけれども豊田商事が所有をしておるセスナP210N型、これは約五千万ぐらいすると思うのでございますが、そういう機種を持っておるかどうか。それから、これは現在八尾空港にあるわけでございますが、それを押さえることができるかどうかという、一つ判断として質問するわけでございますが、そういう意味で答えていただきたいのです。もう一つは、豊田航空が所有をしている小型ジェット機、これは七億で購入をし、現在五億程度で売りに出ておるという話があるのでございますが、この飛行機二機持っておるかどうか、お伺いします。
  60. 黒野匡彦

    ○黒野説明員 今先生の御指摘の機種を持っていることは事実でございます。ただ、最近の市場価格等につきましては、私ども明確に把握いたしておりませんので、お答えは控えさせていただきたいと思います。
  61. 草川昭三

    ○草川委員 運輸省にもちょっと見せますが、これもスカイクラブという、豊田スカイクラブです。セスナがこんな山ほど——山ほどと言うとちょっと語弊がございますが、これでも二十機ぐらいある。こんなパンフレットを配って、「果てしない大空への夢」というので、今度はおじいさん、おばあさんだけではぐあい悪いから、若い人にも手を伸ばそう、こういう手を始めてきておるわけですね。これはぜひひとつ、そういう事実があるということだけは承知をしておっていただきたいと思います。その次に、同じくマリーンクラブというのがあるのです。このマリーンクラブも、航空機と同じように、最近ボートレースをやったり、これは前回も多少触れておりますけれども、私どもが知り得た範囲内だと、豊田マリーンクラブ・ワールドオープン・全日本スーパーボートレースフェスティバルに豊田系の方から五千万の経費が出た、こういう情報を私ども持っております。このマリーンクラブは、今まで経費が全然なかったのでございますけれども、豊田の方からお金が入るということによって、新しい動きをしようとしておるわけでございますが、この会も、豊田商事が集めた、あるいは鹿島商事が集めた金が既にこのところへ行くわけでございます。  こういうようなことを例に挙げていきますと切りがございませんけれども、たまたまこのマリーンクラブも、城崎でマリーンクラブを持っておる、あるいは熱海でも持っておるという例があります。そういうところの、このパンフレットの中にあるようなことを、これは運輸省の港湾局になりますか、認めるかどうかお伺いします。
  62. 泉信也

    ○泉説明員 お答えいたします。  マリーナにつきましては、全国に、港湾管理者等がつくりましたもの、また民間の資本でつくり運営をいたしておりますマリーナが約三百港ほどございます。その中で、先生お話しございました城崎地方にも幾つかのマリーナがございます。具体的にお名前が出てまいりませんでしたが、丹後城崎マリーナというものにつきましては、兵庫県を通じて確認をいたしましたけれども、現在までのところその所在が確認できておりません。また熱海のマリーナにつきましては、熱海オーシャンマリーナ、あるいは単に熱海マリーナというように称しておりますが、これについては現在小規模ながら運営をいたしております。  以上でございます。
  63. 草川昭三

    ○草川委員 もし運営をされているなら、この熱海オーシャンマリーナも担保に、財産を保全しなければいかぬと私は思うのです。ところが、これを放置するならば、豊田マリーンクラブとして豊田系の金が入って、これは買収されておるわけでございますけれども、それが財産が特定されないということになります。また、丹後城崎マリーナという立派なのがございますが、今運輸省が答弁になったように、この住所にはそういうものがないとすればこれは詐欺です。こういうことも、警察庁も十分注意をされながら処置をしていただきたいと思います。しかも海外にもゴルフ場があるわけでございますけれども、海外のゴルフ場も一般の海外の旅行用にも紹介をされておりまして、もしも旅行客がこれを信用して使うとするならばまた事件が起きるのではないか、こういうことにもなっていくわけでございまして、この話をすると際限がないわけであります。  しかも問題なのは、これは文部省の管轄になりますけれども、財団法人全国マラソン後援会というのがございますが、これが赤字を出しておりまして、ここへ三千五百万円の金が豊田の方から入ってまいりまして、理事が五人送り込まれるということによって、この財団法人全国マラソン後援会が実質的に豊田系に買収されるという事件がございました。これは詳しい協定書等を私ここに持っておりますけれども、時間がございませんのでこれははしょりますが、いわゆる豊田系が生き残るには、こういう新しいスタイルを込めていく以外に生きる方法はないわけであります。それは明らかに欺瞞的な行動をとる以外にはない。しかも欺瞞的な行動をとるには、高名な、有名な人を集めてくる、あるいは財団法人全国マラソン後援会のように、公の機関を利用しながら詐欺を働いていくということになるわけであります。  そういう意味で、この問題については豊田あるいは鹿島、こういうものだけにとらわれずに、前回申し上げましたように百社全体の総合的な取り組みを忘れますと、単なる外為法違反だとか、少数のセールスマンの詐欺事件でこの問題は終わってしまう可能性があり、問題が繰り返されていくことになります。でございますから、これは大きな立場から、もう一回縦割り行政を乗り越えて対応策を立てていただきたいというように思います。  そこで、最後に経済企画庁あるいはその他の関連のところにお伺いをいたしますが、その前に、先ほど白道という会社の所在地について東京の新宿から大阪へ変わったと言いましたが、大阪の駅前から新宿に変わったというように訂正をいたしておきます。そのことだけおわびをいたしておきます。  そこで、先ほども社会党の方から新立法が必要だということを言われました。私も全く同様であります。それでアメリカには統一的——州全体の統一という意味でございますが、欺瞞的取引法という法律があります。これは一部公正取引委員会の独禁法にも日本は利用というのですか、考え方は独禁法の中にも生かされておるわけでございますが、現在も出資法だとか訪販法だとか、この議会の中でもいろいろ議論になっておりますけれども、そうではなくてもう少し大ぐくりの法律をつくることが必要だと思います。これは各省、例えば大蔵省に出資法改正の意思ありや否や、通産省に訪販法の改正、こう聞いてまいりましても、なかなかいい答弁は出ません。やはり国民生活を守るという立場から経済企画庁がリードをとっていただいて、例えば警察庁に対して、刑法の適用についてこのような悪徳商法をどう見るのか。あるいは事前措置をしないと、被害者方々が二万、三万とふえてからではかえって傷が大きいということになります。事前にそれをとめる対応が必要だと思うのでございます。  ひとつまず、そういうアメリカの統一欺瞞的取引法というものがあるわけでございますし、それから、国民生活を守る立場から、連鎖倒産と言うと言葉は悪いのでございますが、豊田商事は閉鎖をしておるわけですけれども、いずれきょう給料日でございます。全従業員の給料を払うには二十数億という金が要ると言われておりますが、まずその金の手配がだめだろうと言われております。では豊田商事がため、鹿島商事がため、ベルギーもだめということになってまいりまして、横倒しという意味での倒産が行われてまいりますと、それなり関係する国民方々、特に被害者を中心とする方々に大変迷惑になると思うのでございますが、経済企画庁としてどのようにお考えになられますか。
  64. 横溝雅夫

    横溝政府委員 確かに事態の進展、御指摘のような状態になるかならないか、非常に重大な関心を持って見守っておるところでございますが、その場合の被害者対策の問題といたしましては、私どもといたしましては、国民生活センターあるいは全国の消費生活センタ「等を通じまして、被害相談に現在も当たっておるところでありますけれども、今後とも関係行政機関等と連携をとり、また必要に応じ弁護士会を紹介するなど、被害の態様がいろいろあると思いますので、その態様に応じたきめの細かい相談をしていかなければいけないなと考えております。
  65. 草川昭三

    ○草川委員 時間が来ましたので長官に最後にお伺いしますが、今のような歯切れの悪いことを言っておりますと、私がこういう席上でこういうことを言うとちょっと問題がありますけれども、お年寄りが随分多いのです。大変心配して電話もかかってまいります。もしお年寄りが最後のなけなしのとらの子がパアになる、だめになるということになると、自殺者だって随分ふえてくるのじゃないかと私は思うのです。そんな方があちらにもこちらにも出てまいりましたら、今の局長答弁では国民に相済まぬと思いますよ。何らかのもっと真剣な答弁が私は必要だと思うのです。時間がございませんので、長官、補って答弁してください。
  66. 金子一平

    金子国務大臣 私もその点を大変心配しておるわけでございますが、ただいま司直の手が入りまして実態究明中でございますので、先ほど来お話のございましたような豊田商事全体の資産その他の流れを解明する中で、十分ひとつ検討さしていただきたい。  また、欺瞞的商法の防止に関する法律、これはアメリカの例を挙げて新しい提言をされましたけれども、この点につきましても十分検討さしていただきたいと考えております。
  67. 草川昭三

    ○草川委員 以上で終わります。
  68. 竹内猛

    竹内委員長 次に、田中慶秋君。
  69. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 私は、民社党・国民連合の田中でございます。  実は、この豊田商事関連の中で重要参考人だと言われておりました永野氏が十八日四時ごろ、昼間の真っ最中、報道陣関係見守る中で殺害されるという事件が起きたことは大変残念でありますし、あるいはまたこれからも被害者の人たちが大変不安を持っておるのだろうと思っております。そういう中でこの身辺警護の問題で、これからも類似する豊田商事まがいの関係の業種がたくさんあるわけですから、そういう点では被害者救済の面からも、重要参考人という立場になった場合においてはある程度警護する必要があるのではないかと思うわけであります。  ところが、当局の考え方は、当人の生命、身体に危険がない場合という観点に立たれているわけですけれども、これだけ多くの国民被害を与え、そしまたとらの子を取られるような形になったときに、生命、身体に危険のないということは私は保証できないと思うのですが、この辺の身辺警護のあり方について当局の考え方を冒頭にお伺いしたいと思います。
  70. 武居澄男

    武居説明員 お答えいたします。  特定個人を警護、警戒をする事情その他が先生の御指摘のような場合ということになりますと、非常に多くなる、警察力に限界があるということも御承知いただきたいと思うのですが、そうしたときに当面警察としてし得ることは何かというと、やはり不穏な情勢だとか本人の要請、これが一番大きなウエートを占めるとは思いますけれども、そういった中から、やはり危険性があるというようなことで判断せざるを得ないということでございます。
  71. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 被害者が一万人ともあるいはその額が二千億とも三千億とも言われてい、なおかつこれだけ国会やその他で多くの問題を指摘されていた中で、個人の生命、身体の危険性を当局としては感じ得なかったかどうか、その辺をもう一度確認をさせていただきたいと思います。
  72. 武居澄男

    武居説明員 お答えいたします。  その時点におきまして警察が把握していた情報の中には、そういった不穏な情報というものはございませんでした。
  73. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 これからも第二、第三のこのような被害を出さないためにも、これからの捜査の問題等について私は若干質問をさせていただきたいと思います。  ということは、もう既に悪徳商法並びにペーパー取引というのが昭和五十六年からスタートされて、それぞれ国民生活センターの方にも苦情相談等が届いておりまして、そしてまた五十七年度にそれが急上昇したわけであります。そういう点では、これらの問題について国民生活センターと警察との連携はどうなっていたのか、明確に答えていただきたいと思います。
  74. 武居澄男

    武居説明員 お答えいたします。  国民生活センターですとか行政機関の困り事相談警察の方にも困り事相談というものがございますが、相互の情報等を交換しておりまして、今回の場合にもそういった意味では情報交換その他を行っておるところでございます。
  75. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 実はこの問題等については私も昭和五十七年からそれぞれ相談を受け、警察当局を初めとするあらゆるところに相談をさせていただいた経過がございます。そういう中で、例えば詐欺とか出資取締法とか信託業法違反等々の問題について、当時は刑事上の問題として結論的には違反にならない、こういう形の中で被害者が泣き寝入りの傾向にあったわけであります。しかし現実問題として、五十七年、五十八年、年を追うごとにその被害件数が大きくなってきたことも事実だと思います。  そういう少なくともこの実態を踏まえた中で、当局として、例えば詐欺罪にならないというならば、現実にこれだけ多くの被害が出ていたものを現状の法律の中で何らかの形の規制というものがあってしかるべきじゃなかったかと思うのですけれども、その辺はどうお考えになられるのか。もう一つは逆に、これだけ多くの被害が出ているわけでありますから、そういう点を含めて今後新しい法制化をどう考えられているのか、明確に答えていただきたいと思います。
  76. 武居澄男

    武居説明員 お答えいたします。  先ほどもお答えしたところでございますが、警察立場といたしましては、現行法体系の中においていかに刑事罰なりそういったものに該当し違法行為を取り締まっていくかということにどうしても主眼が置かれるわけでございまして、今現在警察がやるべきことの主力、全力を挙げてやるべきことというのはやはり解明の問題であろうと考えております。ですから、警察立場といたしましては新しい立法云々というようなことを今現在の段階で言えることではない、即答はできないということでございます。ただ、そういった中である程度の問題点といったものがいずれ出てまいるだろうというように考えますので、先ほども申し上げましたとおり、関係省庁会議等でそういった問題を指摘していきたいというように考えております。
  77. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 いずれにしてもそれぞれ各省庁との連携をとりながら、これだけ多くの被害が出ているわけでありますから、これ以上新たな被害を出さないためにも、そういう努力というものは速やかにすべきだろうと思います。そういう点で、その姿勢を明確にお答えをいただきたいと思います。
  78. 武居澄男

    武居説明員 お答えいたします。  そのような意味においては、警察としては全力を挙げて実態解明に進んでまいりたいというように考えております。
  79. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 そこでお伺いしたいのは、豊田商事及びこのグループあるいはまたそれに類似する関係の商取引が現実に行われていることは事実であります。警察として、これ以上被害を多く出さないためにも、あるいはまた多くの国民の皆さんから知っていただくためにも、実在する名を明確にする必要があると思います。捜査上に問題がなければ、その辺を把握している中でお答えをいただきたいと思います。
  80. 武居澄男

    武居説明員 お答えいたします。  特定のそういった会社につきましては、警察といたしましては、捜査に着手した段階であればともかく、今現在の段階では答弁を差し控えさせていただきたいというように思います。
  81. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 私のうちにも先週も鹿島商事から電話がございました。私のうちには、ゴルフの問題あるいはまた金の問題、さらには貸しマンションの問題等々を含めて大体十数回勧誘のお電話をちょうだいしたわけであります。しかし、そういうことを含めて、今実在する名前を明確にしないということになってまいりますと、豊田商事あるいは鹿島とかそういう問題についてはそれぞれ国民の皆さんは知っていても、それまがいのことについては、現実問題として先週鹿島商事から電話があったときに、これは今国会で問題になっている豊田商事関係じゃないかということを指摘をしたわけです。しかし、その問題はもう既に解決しております、こういう形の電話の応対でありますから、そういう点では捜査上の問題はあろうかと思いますけれども、現実として明らかに、こういうところが現在問題としてこのペーパー取引なりあるいは悪徳業者として捜査対象になっているということを、捜査の中身を申し上げろと言っているわけじゃありません、捜査の対象として明確にすることがこれからの被害を防ぐことになるのではないかと私は思いますが、その辺いかがでしょう。
  82. 武居澄男

    武居説明員 お答えいたします。  警察といたしましては、違法行為その他があった場合に捜査に着手するということになるわけでございまして、そういった意味では、行政的なそういうような観点からの問題というのはしかるべき行政官庁でやっていただくということになるかと思います。そういう点からいたしますと、悪徳商法というのはどういうものかというような、定義等も若干あれはございますけれども、行政官庁で把握していただく、またうちの方としては、そういったものに基づいて捜査なり情報を把握をするということになるかと思います。  ただ、先生指摘のように、警察としましても、いわゆる豊田だからということではなしにそういった類似行為、行為でとらえた意味での防犯広報なりいろいろな警察活動の中での国民と接する部分というのがございますので、そういった中でのPRなり注意というものを喚起していきたいというように考えております。
  83. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 捜査上の問題もあるということならば、これはこの程度にしておきたいと思いますけれども、それでは経企庁にお伺いしたいと思います。  国民生活センターとして、それぞれ苦情相談があったと思います。そういうところにおいては、捜査関係ありませんからそれぞれの企業名を明らかにしておくことが、相談があったケースは実在することですから、今後の被害を食いとめるためにもそういうことを明らかにする必要があろうと思いますが、その辺についての御答弁をいただきたいと思います。
  84. 横溝雅夫

    横溝政府委員 本件につきましてはおっしゃるとおりでありまして、今後その啓発、消費者関係PRをしていく場合に、実名入りPRをしていくというつもりでございます。
  85. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 そういう点では本店で明らかにすることが一番ベターだと思いますけれども、数としてどのぐらいあるのですか。
  86. 横溝雅夫

    横溝政府委員 悪徳商法一般につきましていろいろ苦情が参っております。国民生活センターにも参っておりますし、都道府県の消費者生活センターにも参っております。  それで、今御質問の点は豊田商事関係でございますので、本件につきまして、五十九年度及び最近に至る状況をちょっと御説明させていただきたいと思います。実はこれはきょう初めて明らかにできるようになったわけでございますけれども国民生活センター、それから全国の都道府県立の消費生活センター及び政令都市立の消費生活センター、合計百四十センターにおける豊田商事及び鹿島商事にかかわる苦情実態がようやく明らかになりました。  これは五十九年度及び六十年度の四月、五月の二カ月の合計でございますが、件数で四千三百五件でございます。それから、契約時に支払った金額でございますけれども、この金額が明らかな苦情相談件数は三千七十九件と四千三百五件より少のうございますが、この三千七十九件における金額の合計が百九億四千九百万円であります。一件当たり平均三百五十六万円ということになっておりまして、今まで部分的に明らかになった数字は国会等でも御答弁申し上げておりましたが、六十歳以上が過半を占めるということで、やはりお年寄りが多いという実態でございます。
  87. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 これは豊田商事関係、グループ関係ですね。はっきり申し上げて、まだこれまがいのものが今横行しているのです。そして、それについても国民生活センターの方に相談が行っていると思います。その辺を明確にお答えをいただきたい。
  88. 横溝雅夫

    横溝政府委員 今豊田商事及び鹿島商事の合計でございましたが、それ以外の悪徳商法全般についての御質問思いますが、これは国民生活センターに寄せられた件数でございますけれども、五十九年度、昨年度の苦情相談件数全体が五千九百三十三件でありますが、そのうち訪問販売にかかわる件数というのが千四百九十六件でございます。  千四百九十六件のうち何が多いかと申し上げますと、商品相場関係が三百五十三件、英会話の教材関係が百五十七件、それから金の商法が百二十一件というようなことで、やはり金商法関係がベストスリーの中に入っているということでございます。
  89. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 今それぞれ国民生活センターに挙げられたデータ、鹿島あるいは豊田グループ以外のことを含めて、それだけの多くの件数があるわけですね。特にそのうち約一〇%の人たちが寝たきり老人あるいは痴呆性の人たち、精薄、精神障害を持つ人たち、こういうことなんですね。約一〇%近いと言われているのです。全体的にお年寄りを相手にしているのは約六割、こういうことですから、そういう点ではこのPRの仕方というものも、例えば寝たきりの人が新聞を見るわけがありません、あるいはまた、テレビもニュースその他についてそんなに見れないと思うのです。そうしますと、被害というものはこれからも続いていくような気が私はします。そういう点では、具体的なPRというものは、警察あるいはまた国民生活センターを含めてどのようにお考えになっているのか、お答えをいただきたいと思います。
  90. 横溝雅夫

    横溝政府委員 まさにお年寄りが巻き込まれるケースが多いということで、御指摘のような問題がございます。したがって、通常の消費者啓発情報提供のやり方だけでは不十分ということは御指摘のとおりでありまして、私どもといたしましても、都道府県に消費者啓発用の予算を企画庁から交付いたしまして、パンフレット等で啓発活動をやっていただいておりますけれども、その場合の方法としまして、この悪徳商法関係PRに今年度は特に重点を置くことにいたしまして、かつその配布の仕方としましては、例えば地域の老人会とか老人関係の集まりとか、特に年寄り方々の集まりの場にそれを配布するとか、老人世帯にダイレクトメールでお送りするとか、特に年寄りの方にその情報が行き渡るような工夫を県にしていただくようにお願いしておるところでございます。
  91. 武居澄男

    武居説明員 お答えいたします。  先ほども申し上げましたけれども、具体的に申し上げますと、例えば警察活動の中で巡回連絡をやっておるわけですけれども、そういった中で、特に老人方々をお訪ねするというようなこともやっておるわけでございまして、そういう機会等を通じてPRなり注意を喚起していきたいと考えております。
  92. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 続いて、これ以上被害を出さないために、今訪問販売を中心としてこの被害が出てきたことは事実でありますので、そういう点でこの主務機関であります通産省、この訪問販売の中で法規保制はできないのかどうか。あるいはまた、現実には品物がないペーパー取引をされているわけであります。被害総額は訪問販売が少なくとも約半分を占めている、二分の一を占めている、こういうことでありますから、こういう問題を含めての新たな法規制というものは考えられないのかどうか、その辺を明確にお答えをいただきたいと思います。
  93. 糟谷晃

    ○糟谷説明員 お答え申し上げます。  先生指摘のとおり、私どもは訪問販売法で訪問販売にかかわるいろいろなトラブルの防止を図ってきているところでございますが、この訪問販売法がそもそも目的としているものと申しますのは、通常の日常生活の用に供される物品を対象として業者と消費者の間でいろいろな誤解、トラブルが起こる、それを防ぐための法律という考え方ででき上がった法律でございます。したがいまして、法律規制をする商品というのは政令で指定をする、しかも、その指定をする場合の要件として「日常生活の用に供される物品」というふうに書いてございますので、現在の訪問販売法で金のような商品を指定することは難しいのではないかというふうに考えております。  それから、訪問販売法自身が、先ほど申し上げましたように通常行われている訪問販売、いろいろな商品が家庭で取引されているわけでございますけれども、こういう商行為を対象として考えているものでございますので、豊田商事のようなものとは基本的に性格を異にするものを法律の対象としているということでございまして、現在の訪問販売法では御指摘のような商行為の規制というものはなかなかなじまないのではないかと考えております。
  94. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 それでは、現行の訪問販売法では、これ以上犯罪を出さないという面を考えても、しかし、法の改正は難しいということならば、例えば今の実在しないペーパー取引等について何らかの法規制があっていいのではないかと思う。その辺についてはどのようにお考えになっているのか。
  95. 山下弘文

    山下説明員 お答えをいたします。  豊田商事がやっておりましたような金の現物まがい商法と同じような形で、ある種の物あるいは資産、そういうものを預かって運用し、それの利益を還元する、そういう形の商法というのはほかにもいろいろ考えられるのではないかと思います。現に、ゴルフの会員権ですとか、先ほど御指摘がございましたようなマリーンクラブとか、いろいろなところにそういう芽が出てきているということだろうと思います。この種の商法の場合には、非常に有利な運用ということで勧誘しておるわけでございますけれども、実際にはその裏に大きな危険が隠されているかもしれないということが基本的な問題だろうかと思っております。  そういうことで、そういう取引について現行法令の適用に関して先ほど来いろいろ御議論、御説明があったわけでございますけれども、そういうものがどこまで可能かということを踏まえた上で検討するという問題であろうかと思います。私どもといたしましては、現段階では、今申し上げましたようなこの種の取引実態について、利用者の方に十分理解をしていただいた上で判断していただく、そのための啓発活動というものを積極的に続けていくということをとりあえずやっていきたいと思っております。
  96. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 大変残念なんですけれども、利用者の人たちの啓発活動を行うといっても、そういうことが明確にできていればこれだけの被害は出ないわけでしょう、はっきり申し上げて。ですから、新たな法の規制が必要じゃないかということを私は申し上げているのです。  五十六年から既にこういう形で被害が出てきているわけです。今、六十年ですよ。そしてこれだけ大きな問題になって自殺者も出し、いろいろなことで社会問題になった、それでもなおかつ利用者の皆さん方の啓発活動ということになれば、国民の生命、財産を守る立場で現時点に新しい立法措置をとれないかということに対して余りにも消極的じゃないかと思うのです。その辺を明確に答えてください。
  97. 山下弘文

    山下説明員 お答え申し上げます。  先ほど、私ども通産省の担当しております法律のことを頭に置きましていろいろ申し上げたわけでございますけれども、御指摘の点につきましては、各省にまたがるような各種の要素を含んだ問題かというふうに認識しておりまして、関係省庁と連絡をしながら、先ほど企画庁の方から御答弁がございましたように検討を進めてまいりたいと思っております。
  98. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 これだけ大きな社会問題になって、はっきり申し上げて今の縦割りの組織体制が今日の被害を拡大していると思うのです。先般来、それぞれ横の連携、六省庁の連絡会議が持たれたということを聞き及んでおります。いずれにしても、それぞれのセクショナリズムにならないで、お互いに連携をとりながら被害防止のために努力をされて、これ以上被害を拡大しないための立法化あるいはまたそれぞれの具体的な取り組みということが必要であろうと思います。大臣、大変恐縮ですけれども、ひとつこの辺についての考え方を明らかにしていただきたいと思います。
  99. 金子一平

    金子国務大臣 お話しのとおりでございまして、各省縦割り行政でなかなかすっきりした形の対策がとれなかった点もあると思いますが、先般来、六省庁の会合を開きまして、どうやったら今後の未然防止の対策がとれるか、法改正をするとすればどういう点にメスを入れるか、そこら辺を目下検討してもらっておる最中でございまして、警察当局におきましては現在も手入れをいたしまして、現行法の範囲内においてどういう対策がとれるかについても検討していただいておりますので、全容の解明が済むとともに早急に新しい手を打っていかなければならぬと私どもは考えております。
  100. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 六省庁の連絡会議が持たれたようでありますけれども、二回目はいつ持つのですか。私は、少なくともこれだけ多くの被害を出し、これだけの多くの社会問題になっている中で、その取り組みというのは非常に遅いと思う。そして私は、これからより被害を出さないためにも連日のように持たれる必要があるのではないかと思う。そういう点についての取り組みを明らかにしていただきたいと思います。
  101. 金子一平

    金子国務大臣 法律的に大変難しい問題があるものですから、それぞれの専門家において検討しながら随時会合を開いておるのが現状でございます。
  102. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 いずれにしても、これだけ大きい社会問題になっているのですから、セクショナリズムにならないでもっと連携を密にして、これ以上被害者を出さないという立場でもっと積極的な取り組みを私の方は望んでおきたいと思います。  そこで、いずれにしてもこれだけ多くの被害が出ていることは事実であります。私はこのセールスマンから聞いたわけでありますけれども、全体的には約一千万人程度に電話をする、こういう考え方、営業目標があったように承っております。そして、そういう中からいろいろな形で金あるいは具体的にゴルフとかテニス、貸しマンション等々までいったわけであります。ところが、その総御大であります永野氏が殺害をされる、こういうことになって、昨日の報道でも、今後の取り組み等について顧問弁護団が辞任をされる等々を含めて、先ほど警察の方も厚い壁とかあるいはまた原因究明に大きな支障を来すとか、それだけの問題じゃなく、逆にこの多くの被害に遭った人たちの救済ということを考えたときに、具体的に今どのようなことを考えられているのか、明らかにしていただきたいと私は思います。
  103. 横溝雅夫

    横溝政府委員 先生のおっしゃられますような事態の進展というのは極めて重要なことでありまして、私どもとしても深い関心を持って見守っておるところでございますが、具体的な被害者救済をどうするかという問題につきましては、各省といろいろ情報交換するなり連携をとって対処していく必要があると存じております。  本件の性格が基本的に民事上の契約の問題でありますので、経済企画庁といたしましては、例えば国民生活センターとか県等の地方の消費生活センターを通じて、いろいろな被害の態様に対応する被害者の財産の保全といいますか、それに資するような相談に積極的に応じていくということが一つかなと考えております。
  104. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 いずれにしても、被害者の大体三分の二に当たる人たちはお年寄りなのですね。この人たちは、少なくとも戦前からそれぞれ戦争で悩み、戦後はわずかな老後の暮らしをということで蓄えたお金が悪徳商法によって巻き上げられているわけです。  私に来た手紙の中にもこんな問題があるのです。自分は最近体が不自由で寝たきりなのです、奥さんが勤めに出ております。そして、その営業マンが来たために、大変うまい口だったのでお金を出しました、少しでも奥さんに迷惑をかけないためにも、苦労をかけないためにもということで。ところが、現実には返ってこない、どうしたらいいでしょう。奥さんにも言えない、身内にも言えない、私は死を選ぶしかない。こんな形で、そういう相談もあるわけです。  私は、これは単なる民事上の問題ということよりは、昭和五十六年から今日までそれぞれ多くの被害が出てきて、現実問題として相談がかけられてきたわけでありますから、警察の問題やらあるいはまた通産の問題いろいろなところであろうかと思いますけれども、いずれにしても救済的なことを含めて何らかの立法措置も考えていかなければいけない問題じゃないかと思うのです。長官、その辺を含めて何らかの今後の対策、考え方を明らかにしていただきたいと思います。
  105. 金子一平

    金子国務大臣 今各方面で被害者からの民事訴訟が出ておりますし、この問題は事の性質上訴訟による以外には手がないのではなかろうかと考えておるのであります。ただ、非常に苦しい生活に追いやられるような方に対しては、別途また生活援護その他の面においての救済は当然考えなければいかぬと考えておるわけでございますが、新しい立法をこのためにやることはどうかなという感じが率直にいたしております。
  106. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 確かに民事上の問題であるからそういうことも言えようかと思います。しかし、事が事だけに、この対象の人たちが大体お年寄りの人たちであります。そんなこととか、きょうまでのいろいろな経過、PR、こういうことを含めて考えてまいりますと、少なくとも政治的な責任もあるやに私たちも痛感しております。  そういう点を含めて現在の商法のあり方等々を考えてまいりますと、今後の問題として、被害者救済をあらゆるところで、被害者立場に立った形の中で私たちは考えていかなければいけないような気がします。確かに法的措置は難かしいのかもわかりませんけれども、総合的にそんなことを考えていかなければこのお年寄りの人たちは浮かばれないような気がします。そういう点でこの辺についての取り組みをぜひ明確にする必要があるのじゃないかと思う。その辺をもう一度お答えをいただきたいと思います。
  107. 金子一平

    金子国務大臣 豊田商事その他の関連会社の資産関係がどうなっておるか、まだ全容の解明ができてない際ですから、そういった財産関係解明の推移を見守りながら私どもが一番考えなければいかぬと思うことは、一つは二度とこういう悪徳商法がまかり通らないような、法に不備があるとすれば、その穴埋めを早急にすることであろうと考えておるわけでございまして、非常に気の毒な状況にあるお年寄りがいることは私どもも十分認めまして、それはそれなり対応策を講じなければいかぬと考えておりますが、国で新しいそのための救済の立法をすることはいかがか、それはもう民事上の問題と割り切って考えていくべきであるというふうに考えておる次第でございます。
  108. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 いずれにしてもこの被害者の人たちが無知であったということも事実でしょうし、いろいろなことを含めてこの被害者の人たちが困らないようにこれからぜひ努力をしていただきたい、こんなふうに思う次第でございます。  時間もありませんけれども、最後に私は、この一連の法の裏をくぐるような悪徳商法を二度と起こさせないためにも、それぞれ各省庁が連携をとって、より英知を絞りながら再発防止のために特段の努力をお願い申し上げて、私の質問を終わります。
  109. 竹内猛

    竹内委員長 次に、藤田スミ君。
  110. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 引き続き被害者救済立場から豊田商事グループの問題についてお尋ねしていきたいと思います。  先ほどから何度も出ておりますけれども永野会長の殺人事件、実際白昼堂々、数十人のマスコミ報道陣の前で殺人が行われた。それはたとえ永野会長がどんなに悪徳非道な詐欺商法で数知れない老人たちを苦しめ、命を奪う、自殺まで起こさせるというようなことがあったとしても、このようなテロ行為は許されるべきものではありません。まして被害者がそれによって救済されるのかというと、それはもう全然そうはならないということは余りにも明らかであります。  それにしても、こういうような事態がある程度予測されたのではないかということは、例えばあの豊田グループの中の銀河計画株式会社が例の東京池袋のサンシャインビルに入居をするというときに右翼グループがそれを阻止しようとした。そうしたら、別の暴力団がその右翼グループに対して非常に圧力をかけて抗議をするというような絡みが豊田グループの中にはもう既にあったわけですね。そういう点から、捜査当局が事情聴取の当の本人を全く警備なしに放置してきたのは私は重大な責任だと言わなければならないわけです。さらに言えば、犯人は二日前にもう永野会長宅の下見までしているというじゃありませんか。そういう点で万全の警備を行うべきではなかったか。こういうふうなテロ行為を生じさせたことについて、警察庁は一体どういう責任を感じておられるのか。  それから、犯人の動機、その背景については、今犯人はいかにも正義の味方みたいなことを言っていますよ。しかし、そんなものじゃない。もう本当に多くの国民がそんなものじゃないというふうに思っているわけです。その点で徹底的な追及を厳しく要求したいわけです。まず、ここからお答え願います。
  111. 武居澄男

    武居説明員 お答えいたします。  先ほど来数回御答弁させていただいておるところでございますけれども、結果的にまことに不幸な事態が生じたということで遺憾でございますけれども、当時警察の方で、永野氏個人を襲撃するとかそういった事態情報の把握というものはされておりません。そういった観点から現場警察署長の判断で、マスコミの方もおられますし、いろいろな意味でのトラブル防止というようなことから付近の三時間ごとの警戒態勢で行うというようなことをしてまいったわけでございまして、そういった意味では、情報その他を総合的に勘案しますと、先生の御指摘のようなことは必ずしも当たらないではないかというように考えておるところでございます。
  112. 藤原享

    ○藤原説明員 犯行の動機、背景の問題でございますが、現時点では、動機といたしましては会長らの詐欺まがいの商法に義憤を感じだということを繰り返しておるということでございます。また背後関係につきましては、現段階ではまだ、あるとかないとか明らかになっていないという状況でございます。
  113. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 私は当日のテレビを見ていまして何が一番悔しかったかというと、警察庁のインタビューに対する答弁でした。最高責任者が死亡して捜査上皮陣を来すのだ、外為法違反行為の責任者がいないと捜査がやりにくくなり、その他の違法行為解明も困難になり、資金の流れだとか実態解明も非常にやりにくくなる、印象に残ったのは支障を来すという話ばかりでした。私はそのことに何よりも大きな怒りを感じたわけです。  頭から永野会長が殺害されたことによって捜査上の困難が全くないとは言いませんよ、しかし、そんなことでは国民に対してそれこそ申しわけないじゃないか。だれが考えたって、永野氏一人がこの企業体を牛耳っていた、そんなことじゃありません。これは豊田グループが全体、企業体として動いていたわけです。したがって彼がいなくなっても、例えばこんなことはもう御存じだから別に言う必要もないと思いますが、豊田商事株式会社の発起人と銀河計画株式会社の発起人を比べたら、北本幸弘という取締役らを初めとして半数以上がダブっているわけです。それから、関連会社それぞれを見ましたら、銀河計画と豊田商事の重役たちがずっと並び大名みたいに分かれていっているじゃありませんか。それを、こういうような事件が起きたから非常に困難になった困難になったと言うようなことは、国民に対して余りにも申しわけがないので、私はもう一度警察庁に、全体解明はあくまでも徹底してやっていく、こういう事件が起こったからこそ一層深部にメスを入れてやっていくんだという決意を示していただきたいわけです。
  114. 武居澄男

    武居説明員 お答えいたします。  警察といたしましては、違法な行為があった場合に厳正に取り締まりを行っていくという基本の方針のもとに、豊田の関係につきましてはその実態把握に鋭意努めてきたわけでございます。  今回、そういった中から兵庫県警において外為法の違反容疑というものを明確につかんだということから、その捜査に着手したという段階でございます。そういった意味からしますと、この外為法の捜査その他をやるに当たっても、先ほど来申し上げましたとおり会長が死亡しても全然支障がないということはないという意味で御理解を賜れば幸いかと思います。また、会長が亡くなったからということで捜査がうやむやになってしまうのではないかということに関しましては、警察としましてはやはり全体的な把握、実態解明、そういったものをやってまいる所存でございますので、そういった方向で努力してまいりたいというように考えております。
  115. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 豊田商事は先ほどからも言われているように、もう金商法は行き詰まってきたわけです。そこで豊田商事グループが次に目指していたのが観光、レジャー、スポーツ、そして飛行クラブというふうな、総合的なスポーツ、レジャーの分野に手を伸ばしていこう、こういうことで取り組みを進めていたわけです。  前回私は、沖縄の離島、渡嘉敷島と座間味島の身ぐるみ開発の問題について質問をいたしました。島の人たちを非常に心配させた大きな問題でありました。考えてみれば、彼らは、いわゆる虚業でお年寄りたちからさんざお金を集めて、そしてその金を使って今度は実業の方に変身しようとして、あのお金はそういうところにずっと流されていっている、そういうふうに私には考えられるわけです。  そこで私は、きょうは時間の関係もありますので、特に航空会社経営権を事実上握り、そうして、そこを舞台にして彼らが新たな商法を考えようとしている問題について質問をしていきたいわけであります。  運輸省に来ていただいていると思いますが、私はこの前の質問でも、豊田商事グループ一つであります沖縄リゾート開発株式会社が二つの島の観光開発をしようとしているということを申しました。沖縄リゾート開発株式会社が配布しました渡嘉敷ともう一つは座間味の「総合開発基本構想」というもの、その中で、ページをめくっていきますと一番初めに出ているのが「村民の皆さんへ」というあいさつ文であります。そのあいさつ文は「日頃は、わたくしどもの系列会社の公共航空をご利用いただき誠にありがとうございました。」というふうな文章から始まっているわけであります。  公共施設地図航空株式会社というのは、鹿島商事が現在入っております東京築地のビルの中に本社を置いております。間違いありませんか。
  116. 黒野匡彦

    ○黒野説明員 お答えいたします。  本社の所在地は中央区築地四の十二の二というところまでは確認いたしておりますが、当該場所と他の豊田系会社関係等につきましては承知いたしておりません。
  117. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 公共施設地図航空株式会社の代表取締役は、以前は渋谷逸雄さんそして現在は菊池孝さん。間違いありませんか。
  118. 黒野匡彦

    ○黒野説明員 間違いございません。
  119. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 菊池孝という公共施設地図航空株式会社の現取締役は、六十年二月に渋谷逸雄氏と取締役社長のいすを交代しております。そして、菊地孝氏は同時に日本産業航空の常務取締役を現在も兼務していると私は調査をしておりますが、いかがですか。
  120. 黒野匡彦

    ○黒野説明員 私ども調査では取締役というところまでは確認してございますが、常務か否かということにつきましては確認できておりません。
  121. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 いずれにしても、公共施設地図航空株式会社は六十年二月に渋谷逸雄代表取締役から菊地孝氏に交代をいたしました。六十年二月以前から豊田商事資金援助を受けていたということは、「日刊航空」という業界の情報紙がそのことを詳しく述べております。この「日刊航空」によりますと、現在、豊田商事の小型機事業会社の買収問題で非常に問題になっているのだということをいろいろ書いておりますが、いずれにしても、その公共施設地図航空も豊田商事の方から資金援助を受け、経営体制の再建を図った、そして二月末に代表取締役社長の交代を決めたのだ、こう書いているわけです。  ところで、日本産業航空株式会社の社長は木村潮氏に間違いありませんね。役員の名前もわかっていたらおっしゃってください。
  122. 黒野匡彦

    ○黒野説明員 取締役社長は、先生指摘のとおり木村潮でございます。  その他の取締役の名前は、田村正夫、菊池孝、山村忠司、内山建治、三枝公仁、戸泉政年という報告を受けております。
  123. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 取締役の菊地孝氏は、おっしゃったように公共地図の現在の代表取締役であります。山村忠司氏は銀河計画株式会社の監査役であります。内山建治氏は沖縄リゾート開発株式会社の前取締役であります。そして、三枝氏は沖縄リゾート開発株式会社の前取締役であります。つまり、日本産業航空株式会社というのは、御紹介のあった役員七人のうちの四人までが豊田グループの、しかもトップクラスの人間によって現在そのいすが占められております。  もう一つの問題は北日本航空株式会社。菊池孝がここの社長である七浦邦雄という人と予科練の同期であった。そして、北日本航空大学の充実へ向けて日本産業航空に援助をお願いした。これも「日刊航空」の業界情報を見るとつぶさに書いてあります。そして一方、豊田商事グループはどういうことを言っているかというと、このグループはよって三社で五十八年現在七億五千万円の売り上げを六十年度には五十億円にまで引き伸ばす計画なのだ、飛行クラブ一人当たり六百万円、航空大学で一人一千万円の入学金を取ってかく売り上げを上げていくことができるのだ、グループの所有機は締めて四十機にわたる、こういうことを堂々と言っているわけであります。  もう一つ、豊田航空というのがあります。これは、運輸省に私が聞きましたら、実際には運航していないので運輸省の方はあずかり知らぬということですので申し上げますが、豊田航空の設立されたのが五十九年二月二十四日、初代社長は渋谷逸雄氏、つまり当時の公共施設地図航空株式会社の代表取締役がこの豊田航空の初代の社長を務めております。それから境武三沖縄リゾート開発株式会社の代表取締役が座って、現在菊地孝氏が代表取締役になっていると私の調査では聞いております。  運輸省、先ほどから言いますように、こういうことについては業界でもかなり問題になっているはずでありますし、運輸省も事情聴取をするなど本格的な調査に乗り出したと私は聞いておりますけれども、いかがでしょうか。
  124. 黒野匡彦

    ○黒野説明員 先生今御指摘の業界紙も含めまして複数の情報でさようなことをつかんでおりまして、私どもも私どもなりに調査をいたしております。しかしながら、いわゆる豊田商事系の資金が入ったということを残念ながら今の段階では確認するには至っていないという状況でございます。
  125. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 国税庁にこの問題について聞きたいのですが、時間の関係もありますからもう一つの問題とあわせてお伺いしたいのです。後でお答えいただいたらいいのですが、明らかにこれも一つの大きな資産隠しになっている。しかも、これは新たな非常に巧妙なやり方に変わってきているわけです。  そこで、もう一つの問題を申し上げます。  これは昨年五月十五日に、先ほど指摘をいたしました公共施設地図航空株式会社が枕崎市の市長と協定を結んでいる。私、きょうここに協定書を持ってきております。どんな協定書かというと枕崎の空港建設、それを行うのだという協定を結んでいるわけです。それが結ばれたのが五十九年五月十五日であります。そして、その協定書を見ますと、公共施設会社の方は用地取得以外の費用を負担するんだということで、その費用はざっと三億程度にここに書いてあります。自己資金並びに借入金、こうなっているのです。ところがこの当時の公共施設航空株式会社、つまり五十九年の五月十五日当時は、この航空会社が非常に経営が困難になっていたために豊田商事から非常に援助を受けていたと業界筋で言われている時期であります。そして既にその三カ月前に公共航空の社長渋谷逸雄氏は豊田航空の社長と兼任をして、そして中身がころっと変わっていこうとする、そういう時期的なところに当たるわけであります。当然のこととして地元の枕崎市議会では大問題になってまいります。  私は、きょうはここに南日本新聞という鹿児島県あたりで地方新聞として有名な新聞の六月十八日付の記事を持っております。議会で大問題になったことがここに書かれております。見出しは「提携会社の豊田買収情報 絡みわかれば再検討市長、定例市議会で表明」こうなっているのです。我が党の牧信利議員は市長に「公共施設地図航空の買収後の社長と、その上部会社の豊田航空の社長は同一人物だ。市長はいつ豊田商事関係情報を知り、どう対応したか」と質問しています。私は新聞の記事どおり読んでいきます。田代市長は「三月中旬、県交通運輸課から業界情報として聞いた。公共施設地図航空の持ち株は渋谷前社長と石原慎太郎氏が一部、大部分は日本産業航空と北日本航空に握られている」と答弁をしております。そしてさらに企画課長は「公共施設地図航空の社長は不在だったが、総務部長は豊田商事とは関係ないと答えた」こういうふうに述べたというふうにここの新聞の記事で書かれているわけであります。この「関係ない」というのはうそであるということは、私先ほどからるる述べました。そして運輸省も一定の調査の中でそういうふうなことについても聞いているというふうに御答弁がありました。  こうなりますと、果たしてその枕崎空港建設が本当に実現するのか、実現したとしてもこういう会社がこれからその飛行場を運営していくとしたらこれは大変な問題じゃないか。枕崎市は既にもう二億三千万という用地買収を進めているわけであります。豊田商事グループ一つと言ったらいいんでしょうか、みずから系列会社と言っている公共施設航空が飛行場を枕崎につくり、飛行場を運営していこうとするこの問題については、運輸省としては厳正に対処すべきであると私は考えます。  同時に国税庁、先ほど申しましたように北日本航空、日本産業航空、公共施設地図航空株式会社、この三社はそれぞれは全く豊田商事グループと表面関係のないような形で実は深くかかわりを持って、そしてもう中身が大きく変わろうとし、そこを舞台にして彼らは新たなレジャー産業を始めようとしていました。したがってこの問題についてもメスを入れ、解明をしていただきたい。これは警察庁の方にもお願いしたいわけです。三つ一遍にお答えください。
  126. 西村泰彦

    ○西村説明員 先生指摘の枕崎の飛行場につきましてお答え申し上げます。  この飛行場の件につきましては、昨年の六月、枕崎の市長と公共施設地図航空の社長が私どもの大阪航空局に参りまして計画の概略の説明を行っております。以後数回にわたりまして、資料の提出でありますとかその他の説明を私ども受けておるわけでございます。しかしながら、いまだにこれは設置許可の申請書は出ていないという状況になっておりまして、私どもとしてその正式な申請書を受け取っていない以上なかなかコメントがしづらいわけでございますが、いずれにいたしましても、これは空港の設置基準というものがございますから、それに照らしまして厳正に審査をしていきたいというふうに考えております。
  127. 友浦栄二

    ○友浦説明員 お答え申し上げます。  私どもとしましては、国会で論議されました事柄あるいは新聞等で報道されました事柄を含めまして広く資料、情報を収集して、課税上問題があると認められる場合には実地調査を行うなど、適切に処理を進めているところでございます。また調査に当たりましても、資金の流れにつきましても検討を行い、適切に処理したいと考えております。  本件につきましては、それらの法人の申告の状況あるいは本件を取り巻きます問題点にも十分配意しながら適切に対処してまいりたいと考えております。
  128. 武居澄男

    武居説明員 お答えいたします。  現在外為法違反に着手しておるわけでございますが、豊田商事を含めまして関連会社につきましては、違法な状態があるかどうかを含めた全体的な意味での実態解明というものに努力していきたいというように考えております。
  129. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 自治省、この機会にぜひお願いしたいわけです。豊田商事グループがこういうふうに観光、レジャーで新たな会員権をつくりあるいはまた新たな商法を言い出している。その言い出した背景にはそれなりの準備があったから、そういうことを言い出しているというふうに思うわけなんです。私はこの間沖縄の問題を取り上げましたが、今回枕崎の問題がこういうふうになっているわけです。こうなると、被害者個人から今度は自治体に変わっていっているんです。民間の活力というような考え方で、その活力を導入するんだということで非常に安易に自治体が乗せられてやっていっている。私は、これまでの三つの案件を見てもそのことを思わざるを得ません。  そこで私は自治省に、この際、地方自治体が豊田商事グループとこういうふうな関係で開発などの動きがないかどうか調査をするなり、またそういうこととのかかわりがないように指導するなり、そういう自治省の姿勢を求めたいわけであります。
  130. 今泉浩紀

    ○今泉説明員 お答えさせていただきます。  ただいまの御指摘の点でございますけれども、自治省といたしましては、かねてから各公共団体がいろいろな施策を計画するに当たりましてはその実効性、確実性等につきまして十分に検討の上にその遂行に当たっていただくということをお願いをしているわけでございまして、それは裏から言いますと、各公共団体においてもそれが当然だというふうに考えているわけでございます。私どもはそういった観点から、常日ごろでございますけれども、地方財政の運営の適正化ということで、例えば地方財政の運営通達といったものをお出しいたしまして、都道府県を通じましてより適切に対処するように指導しているところでございます。  ただいま先生からの御指摘の問題もございますが、なお一層こういったことがないように指導を進めてまいりたい、このように考えております。
  131. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 時間が参りましたので、大変残念です。  長官、きょう半日の委員会でしたが、十分いろいろの意見もお聞きのことだと思います。被害者にしてみれば、何箱にもわたるダンボールの箱に詰められた貴重な資料がどんどん焼き捨てられていっている、そこへ永野会長が殺される、捜査が困難だということになる。そして、もう豊田はつぶれるだろう、それだけじゃなしに、その他の、ベルギーダイヤモンドなどもつぶれてしまうだろう。それじゃどうなるんだということで、非常に大きな絶望感を感じているというのが正直なところじゃないかと思うわけです。  しかし、私はそんなに絶望することはない、今本当に国が真剣になって、そして押さえるべきところを押さえ、今のうちに手を打っていけば、国が挙げてこれに取り組んでいけば、被害者救済も決して不可能じゃないというふうに考えております。しかも、今日こういうふうな事態まで起こったのは一にかかって国に責任があるじゃありませんか。私は、このような悪徳商法が全く許されるならば、それはつまり、ひいてはその国の政治もだめであるということを意味するというようなたしか長官の御発言を聞いて、全くそのとおりだというふうに思ったわけでありますけれども、ぜひともこの被害者救済のためにあらゆる力を尽くしていただきたい。  そして、同時に委員長、私は、事がここまで至っている以上、いろいろ意見がありましょうとも証人喚問を行うべきだ、最後にそのことを申し上げたいわけであります。証人喚問は、豊田商事の社長はもちろん——現在豊田商事は石川洋氏です。同時に、銀河計画株式会社代表取締役は北本幸弘氏です。そして、レジャー、観光、こういう新たな分野に手を伸ばす責任者だと言われているのが、マリーングラブ代表取締役並びに沖縄リゾート開発株式会社関係している木村伸二氏であります。その証人喚問を要求して、私の質問を終わります。長官からお願いいたします。
  132. 金子一平

    金子国務大臣 今お話のございましたとおり、私どもは一日も早くこの全貌を解明して、打つべき手は極力打てるような体制に持っていきたい。また、法の網目をくぐるような商法が二度と再発しないように、全力を挙げて必要な措置を講ずるように努力してまいりたい。大変大勢の気の毒な被害者が出ておりますので、そういう点につきましても十分配慮してまいりたいと考えております。
  133. 竹内猛

    竹内委員長 委員長への要請につきましては、前段で、この委員会の前に理事会で相談をしてありますので、そのような取り扱いをさしていただきます。委員長としてはそういうふうにしていただきます。  これにて本日の質疑は終了いたしました。      ————◇—————
  134. 竹内猛

    竹内委員長 この際、御報告申し上げます。  今国会、本委員会に付託された請願は、公共料金値上げ反対に関する請願外十五件であります。各請願の取り扱いにつきましては、先刻の理事会で協議いたしましたが、採否の決定は保留することになりましたので、御了承願います。      ————◇—————
  135. 竹内猛

    竹内委員長 次に、閉会中審査申し出の件についてお諮りいたします。  物価問題等に関する件について、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  136. 竹内猛

    竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中審査案件が付託になりました場合の諸件についてお諮りいたします。  まず、閉会中審査のため、委員派遣の必要が生じました場合には、派遣委員の選定、派遣地、派遣期間等につきまして、委員長に御一任願い、議長の承認を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  137. 竹内猛

    竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中審査のため、参考人から意見を聴取する必要が生じましたときは、その人選並びに所要の手続につきまして、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  138. 竹内猛

    竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  本日は、これにて散会いたします。     午後一時六分散