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松浦委員 ですから、末端
消費者は、現金市場にいけば安く買える。地域小売店で買えば密着して買える、すぐそばにあるお店でありますから、気安く夜でもちょっと修理に来てくれと言えば修理に来てくれる、そういうつながりで地域小売店というのは
存在価値があった。安く買おうとすれば秋葉原等の量販店で買ってくればいい。ですから、こういう二つの
流通過程を通じてずっと今日まで家電業界は我が国の基幹産業になるように大きく成長してきたと私は思うのです。ところが、御承知のように成熟産業ですから、新しい製品開拓というのがなかなか難しい。ビデオならビデオというものを普及するだろうと思って盛んに製造いたしましたけれ
ども、ビデオというものが
国民所得の低迷、伸び悩みによりまして余り業界の見通しどおり伸びない。しかも、
アメリカ市場はどうかといえば、御承知のように発展途上国、韓国、台湾あるいはシンガポールといったところがばあっと
アメリカ市場まで押さえまして、最近は韓国のカラーテレビが
ダンピングの疑いありということで
アメリカで審査が始まろうとしておりますね。また、三百五十億ドルに達する我が国の貿易黒字等から見て、来
年度米国市場というものはそうそう開けた展望は持てない。EC諸国はどうかというと、御承知のように我が国の製品に対して輸出規制の要求が非常に高まってきておる。そういう
意味で、成熟産業として今日まで成り立ってきた電機業界というものが飽和状態に今日来てしまっておるのですね。
こういう
状況になってくると、私は人情だと思うのでありますが、今まで安く売っておる量販店というものがどうも目ざわりになってきた。この際、行政の力もかりて、こういった安売りをしておる市場を閉鎖したい。ある業界の
トップの方がおもしろいことを言われましたが、今まではペットだった、ところがペットが猛獣になってしまった。カメラ、時計業界と同じように家電業界がなってしまっては困る。そういう
意味で、今日この量販店、こういったところに対する業界の締めつけ、圧力が非常に強まってきておるのではないかというふうに私は想像するのです。
ですから、先ほど言った三菱の事件というのは、三菱の方に申しわけないのですが、実際悪いことをしておられたので、私のところに資料が来たから三菱と申し上げるのですけれ
ども、三菱のような姿というのは大同小異行われているのだろうというふうに思うのです。そうすると、一方では手形決済等の小売店の皆さん方は、この量販店等には価格では太刀打ちできない。ですから量販店の皆さん方に対して、何としてももっと価格をおれたちと同じような価格に戻して、地域小売店と同じような価格で売るようにやれと言って、メーカーも通産等に圧力をかける。それは私は当然だと思う。だから小売店の皆さん方が量販店に対して厳しく糾弾したり通産に対して行政を強化せよ言うのは、私はそれは生き延びる道ですからよくわかる。しかし、実質的には今までのそういう
流通機構というのはメーカー自身がつくり上げてきた、あるいは意図しなかったかもしれぬが、そういうことを是認をしてきた今日の
状況であります。こういう
状況に対して通産としては、電気
機器課長としてはどのようにこれから電機業界を
指導しようとしておられるのか、そのことを明確にお聞かせいただきたいということが
一つであります。
それからもう
一つは、これは業界のうわさでありますけれ
ども、通産が時々アドバイスとかヒアリングとかという形で業界を
指導なさる、業界全体からヒアリングをされる、あるいは業界のそれぞれを呼んでアドバイスをなさる、そういったことを今日までやってこられたかどうか、あったかなかったか、その点についてお聞かせいただきたいと思います。