○島田
委員 質問に入ります前に
大臣に、先月の豊かな海づくり大会は非常に成功裏にこれを終えることができました。
大臣もせりかく私の地元の湧別町にもおいでいただきまして、この成功に御協力いただきましてありがとうございました。
なお、その節、当
委員会で私が多田、田川両氏の結婚七十年の件について農業者年金法の改正の審議のときにちょっと触れました。
大臣には早速誠意をもってこの両夫婦にこたえていただきまして、大変ありがたく思っております。この席をおかりしてお礼を申し上げておきたいと思います。
さて、
畑作三品の
価格決定に
当たりまして留意をしていただきたいことが二、三ございますので、順次触れてまいりたい、こう思っております。
そもそも、最近これはこうした
畑作ばかりじゃないのでありますが、私も何度か当
委員会でその点について質問もし、また意見も述べてまいりました。非常に内外ともに日本の農業、農政に対します注文が多くて、大変な時期を迎えているという点では私も同じ認識を持っておるわけであります。それだけに農林
行政、大変御苦労の多いこともよくわかります。しかし、このところだけはしっかり農林水産
行政の中で守ってもらいたいという点をきょうもまたひとつ述べさしておいていただきたいと思います。
今
農家の間に非常に不安がありますのは、だんだん領域が狭められてくるのではないか。 つま力、つくるあるいは営農で、ここだけはどうしても自分で守っていかなければならぬという営農の分野にも大変いろいろな内外からの注文がついていて防戦一方だ。つまり、私流に言わしていただくと、労働者には働く権利というものがあるわけでございます。これは法律によって保障されているわけであります。
農家には物をつくる、これをやはり保障してもらうということが一番大事であります。きつく言えば、つくる権利みたいなものはやはり
農民自身にも持たしてもらわないと困る。
ところが、だんだんあれつくっちゃ困る、これつくってはだめだ、そういうふうに領域が狭められてきています。特に、
北海道なんかのように専業形態を強く志向する地域においては、生き延びる道が当然のことながら狭
いものですから、その意識が強く出てくる。つまり、生活を支えていく分野からも、この領域だけは守らなければ、営農が続けられないだけではなくて生活もできないというところに追い詰められてまいりますと、これは困るわけですね。
例を挙げると、米に始まりますが、減反は、御承知のようにもう半分近くにまで減った。米づくりに問題があるからやめろというところからほかの
作物に転作をせよというところに行ったわけでありますが、米つくらぬかわりにほかのものがつくれるといううちはそれなりに営農にも一定のいわゆる励みもあるし、将来の
見通しもあったのでありますが、さあ、そこに寒地
作物として一番安全なものということで志向していくのは当然ですが、そうなってまいります過程で、今度はビート、どうもこれはこれ以上つくられると困るよ、それだけにとどまらぬで、ジャガイモも面積的にはもう限界だ、せっかく国策として
生産振興が鳴り物入りで進められている
大豆にも問題ありという感じで、耕作のいわゆるテリトリーが狭められている、どこにも生き延びる道がなくなっちゃっているというのが現況であります。畜産はどうか。牛乳も
生産調整が行われました。それが今
当たり前のようになっている。そのうちに牛肉だって豚肉だってだめだ、こうなる。
しかし、米を除くいずれにしても国内的に言えばまだまだ
自給率一〇〇%ではないわけですね。卵がありますけれども、野菜がありますけれども、そのほかの今私が挙げました
畑作物のほとんどすべてについてはまだまだ
自給率は低
いものばかりなんです。
そうすると、
理屈から言えばまだ国内でうんとつくったっていいはずなんでありますが、それが
生産調整ということになっているのは、結論を言えば、
輸入、ここに問題があるからでありまして、これも単純なことを言えば、
輸入を減らせば国内で幾らつくったって消費できるはずであります。それはそれほど単純なものではないことは百も承知なんでありますが、しかし、
農家の気持ちとしては、おれらの領域が狭められる前に外国から入ってくるものをもっと減らしてくれれば農業の
振興は可能ではないか、極めて明快な答えがそこにあるわけでありますね。
そういう点を考えますと、今これから決められようとしている
てん菜、
バレイショあるいは
大豆等につきましては、そういう農政の
基本というものをしっかり守ってくれるかどうかが
価格決定に当たっての最も大事なポイントだと私は思うのですが、
大臣いかがですか。