○後藤(康)
政府委員 農林漁業団体職員共済組合法の一部を改正する
法律案につきまして、その提案理由を補足して御説明申し上げます。
この
法律案を提出いたしました理由につきましては、既に提案理由において申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。
第一は、給付の内容についてであります。
農林漁業団体職員共済組合の給付の種類としては、退職共済年金、障害共済年金、遺族共済年金等といたしており、それぞれ、基礎年金の上乗せとして、厚生年金相当部分に職域年金相当部分を加えたものとして設計いたしております。
このうち、厚生年金相当部分につきましては、公的年金としての性格を有する部分でありますので、その算定の基礎となる基礎給与を全期間の平均標準給与月額とするほか、その他の年金額の算定方式につきましても厚生年金と同様のものとするとともに、年金額算定上の給付乗率については、二十年の経過期間を設けて
段階的に逓減するなど、厚生年金と給付の水準、内容等について均衡のとれたものとしております。
また、職域年金相当部分につきましては、農林漁業団体の職域における独自の給付としての性格にかんがみ、費用の負担能力等を参酌してその水準を厚生年金相当部分の二割相当といたしております。
第二は、各年金給付の個別の改正についてであります。
退職共済年金につきましては、厚生年金に合わせ、新たに配偶者等に対する加給年金
制度及び低所得者に対する在職老齢年金の
制度を設けることといたしております。
なお、支給開始年齢につきましては、従来の経過
措置を短縮し、
昭和七十年から六十歳となるようにいたしております。
また、障害共済年金につきましては、事後重症の制限期間を撤廃することとし、遺族共済年金につきましては、給付率を退職共済年金の四分の三相当額に
引き上げるとともに、四十歳以上の中高齢の妻等についての加算
制度を設け、給付の重点化を図ることといたしております。
第三は、複数の年金を受給することとなる場合の併給
調整等についてであります。
すなわち、本
制度において、一人の受給権者が複数の年金を受給できる場合には、その者の選択する
一つの年金を支給することといたしております。さらに、この
措置は他の公的年金
制度との間にも適用することとし、相互に併給の
調整を行うことにより、年金給付の面での合理化を図ることといたしております。
また、本
制度の年金の受給権者が他の公的被用者年金の被保険者等となった場合には、その者の給与所得の高低に応じ、年金額に一定の割合を乗じた金額を支給停止することとし、現役組合員との所得の均衡を図ることといたしております。第四は、既裁定年金の取り扱いについてであります。
今回の改正案では、年金額の計算方式を原則として厚生年金と同様の方式に改めるとともに、年金額算定上の給付乗率についても
段階的に逓減させる等、大幅な
制度改正を行うこととしておりますので、既裁定年金につきましても、改正後の年金の算定方式に類似している、いわゆる通算年金方式により算定した額に改定することとし、新規裁定年金との水準上の均衡を図ることといたしております。なお、これにより現在受けている年金額が減額することがないよう、従前の年金額はこれを保障することといたしております。
第五は、費用負担についてであります。
本
制度の給付に要する費用は、農林漁業団体と組合員との折半負担とすることといたしております。また、国庫補助につきましては、組合が納付する基礎年金拠出金の三分の一のほか、基礎年金
制度の適用とならない
昭和三十六年四月一日前の期間に係る給付につきましては、従来どおりの国庫補助を行うことといたしております。
第六は、年金額の改定方式についてであります。
本
制度による年金の額につきましては、従来は国家公務員の給与の変動に準じ年金額の改定の
措置を講じてきたところでありますが、これを、厚生年金等と同様、
消費者物価による自動スライド制に改めることといたしております。
第七は、農林漁業団体職員共済組合の組合員及びその被扶養配偶者に対する基礎年金
制度の適用についてであります。
これにつきましては、この
法律により
国民年金法等を改正し、所要の法的
措置を講ずることといたしております。
このほか、所要の規定の整備を図ることといたしております。
以上をもちまして、この
法律案の提案理由の補足説明を終わります。