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小川(国)委員 今伺った数字を聞いて私大変びっくりしたわけでございますが、ARという豚の鼻炎、それからSEPという肺炎、それからTGEの胃腸炎ですか、こういうのが発生しますと、例えば萎縮性鼻炎というのは鼻がつぶれるような
状況になってきてしまう、そうすると結局食欲が落ち込んでくるというようなことで、何か鼻の軟骨も腐ってくるというような
状況になってくるので、やはり呼吸が苦しくなったりしてえさの食いつきが悪くなる。いろいろ詳しく病気に伴う発生症状については私ここで申し上げませんが、いずれも鼻炎、肺炎、胃腸炎を起こしてくると豚のえさの食いつきが悪くなる。そのために余計にえさを、ロスが多くなるというので二割、三割余計にえさを食べさせるようになる。日本全国の
農家で飼っている豚の頭数から見ると大変な数に上っているわけで、しかも、今病気の発生している九県にあらわれているオーエスキー病の数字というのは本当に氷山の一角じゃないかと私は思うのですね。これはこの五年間で日本に入ってきてから三千百八十一頭になっていますが、私は、この数字はあるいは十倍か百倍か、もう恐るべき
状況で蔓延しているのではないかというふうに思うわけなんです。
これは本来なら法定伝染病ということにして、そして屠殺してこれを絶滅するというぐらいのことができなければならないと思うのですが、問題は、この病気の大変な蔓延
状況から、これを法定伝染病の中に加えてオーエスキー病になった豚は全部殺せということになったら、例えば
一つの農場で七割もこの病気にかかっているというところでは破産、倒産しかねない
状況が発生すると思うのですね。だから、そういうことのために
農水省があえてこれを届け出
制度にして法定伝染病にしなかった、それはある意味でそういった
農家に対する配慮であったかもしれないのだけれども、結果的にはそれを撲滅する体制から見れば手ぬるいものになったというふうに私は思うわけなんですね。
ですから、私はこれを撲滅する
対策として
考えるならば、大変厳しいようですけれども、ある意味では法定伝染病にして撲滅する。しかし、何小法律でいくと、屠殺した者については、三分の一ですか、補助金なりそういうような見舞いか何かの金が出る、こういう
制度があるということですから、私はそういう
制度をもう少し、補償
制度なりを活用して、やはり病気を絶滅するということに思い切った
対策をつくるかあるいはまたこれらの病気に対する強力なワクチンをつくる。これは
農水省の家畜の試験場でも研究されているしあるいは民間のいろいろなワクチン製造所なり会社ででもこの研究は行われている、あるいは
アメリカや台湾でも、豚を飼っている
関係から大変研究も行われているということなんですね。
だから、そういうことを
考えてみると、日本全国で今豚は二千万頭いると言われているわけですね。この二千万頭いる豚の中にこれからこれがどんどん蔓延していくおそれを持っている。しかも、貿易自由化の中で中曽根さんが検査を簡単にしてどんどん入れろということになってきますと、このオーエスキー病
一つを見ても大変な蔓延
状況があるのに、さらに日本のいろいろな家畜に恐るべき病気が起こってくるという
事態にもなりかねない。六年前に侵入するおそれがあると言ったのが、五年前の翌年にはもう入ってきてしまったという
実態、それからこの蔓延
状況の恐ろしさから見ると、やはり抜本的な
対策を
農水省として立てるところへもう来ているのではなかろうか。
ですから、繰り返して申し上げますが、法定伝染病の方に入れるのかあるいは今のまま報告
制度でいくのか、そのどちらでいくのがいいのか。それから、もし仮に今のまま報告制でいくとしたら、これをもっと徹底しないと、皆さんの方で、二千万頭いる豚の中から四万二千頭ですか、抽出して検査しただけでは、二千万の中の四万頭ではとてもこの病気の
実態の把握はできないのじゃないか。だから、思い切ってここのところは全国的に、病原菌
対策としてこの検査にどういうふうに取り組むかとか、そういうことを含めて総合的に
考える必要があるのじゃないかと思うのですが、その点いかがでございますか。
〔
委員長退席、田名部
委員長代理着席〕