○松沢
委員 今、
局長が御答弁されたように、やはり
農業資材が安定していなければならぬと思いますし、畜産なんかの場合におきましてはえさ価格という問題も大変大きな問題であろうと思います。その他価格問題、これもそうだと思います。それから、土地の価格なんかの問題も耕種部門等におきましてはやはり大きな問題なんじゃないだろうか。そういうものが安定しないと、せっかく計画を立てても計画どおりに進まない、それが結果として思わぬところで
負債の固定化というものにつながってきた、こういうぐあいに私は
判断しておるのです。
価格の問題につきましては、西ドイツの
農業関係の
皆さんがおいでになりまして、日本の
農業関係の
法律を教えてくれ、こういう話なんです。
法律はたくさんあると思うのですが、とにかく目的だけ、かかっているものを出してくれればいいんだと。そこで目的だけのものを出しましたところ、こんなに手厚く保護されていれば日本の
農業は言うことなしですね、こういう話なんですが、どうですかね。その目的どおりに、
法律どおりに日本の
政府は今までやってきたのかどうかということになりますと、ちっともやってきていなかったわけですよ。
例えば、私、米価な
どもやっていますけれ
ども、米価にいたしましても、去年初めて二・二%上がったのです。だけれ
どもずっと据え置きが続いてきているわけなんでしょう。あの
法律からすると、生産費及び所得を補償するために、再生産を確保するために価格を決める、こうなっているんだけれ
ども、確保するようには決まってこなかったのです。
何でもそのとおりで、
保証価格なんかにいたしましても、ことしは牛乳の場合においては前年と同じわけなんでございまして、生産費及び所得補償方式によって価格というものを考えてもらいたいということ。これは米だけではなしに、牛乳にいたしましても畜産にいたしましても、あらゆるものについて
農業団体、農民団体は主張しているわけなんです。しかし、それに対するところの
政府の対応ができていなかった。そのために、計画を立てても計画どおりいかないわけなんです。だから、今ここに
負債の問題が大きくなってきたということは、そういう価格政策に重大な責任があるんじゃないか。
一方、資材の面はどうであるか。まあ名前は言えませんけれ
ども、今、日本の何人メーカーというところの農機具資本を見ますと、これは何の苦もないですね。戦後小さい会社であったわけですよ。それが今は大変大きな会社になっているわけであります。
農機具会社は大きくなったけれ
ども、農家は兼業化されてしまいました。専業農家なんというのはほとんどいませんし、いるとするならば畜産
関係だとか果樹だとか、そういうところにいるということです。だけれ
ども、それも、畜産は今度三倍にしなければならぬとか果樹は二倍にしなければならぬとか、昭和三十六年の
農業基本法のときに農林省は太鼓たたきながら、笛吹きながら農民をあおり立てたわけなんです。それで日本の
農業というものはめちゃめちゃにされてしまったのですよ。だから、複合
経営であったのがばらばらにされてしまって、そして、とにかく規模さえ拡大すればいいということで、政策単品生産化という方向を選んできたわけなんです。だから豚は豚団地、鶏は鶏団地、野菜は野菜団地というふうになってきたのですよ。
こういうふうにばらばらにするということは、
農業の正常な発展にはつながらないわけなんです。そういうことが結果としては、畜産をやれ、果樹をやれという
政府の言うとおりに動いた人たちは、計画どおりにいかなくて、そして固定
負債に首が回らないというような状態になっている、こういうことになるのじゃないですか。
ですから、そういう点から申しますならば、まさに
農業構造政策というものを根本的に見直して、そしてその上に立って
金融対策というものを立てるべきなんじゃないか、私はそう思います。それをやらないでこのままやっていっても、特殊な農家は生き延びるかもしれませんけれ
ども、
一般の総体的な農家とかあるいはまた山だとか海に働いているところの人たちというのは決して生き延びられないということになるんじゃないかと思うのです。そういう点は一体どうお考えになっていますか。