○島田
委員 時間がなくなりましたから、私の方から少し先ほどのことを整理しながら最後の
質問をもう一点だけやって終わりにしたいと思いますが、先ほど私なり新村
委員が指摘をしてまいりましたものは、これは五十九年度の推算、まだ終わっておりませんから推算でございますが、全体では六十九円十八銭というのが現行の基準取引
価格ですね。そして、
保証価格がありましてその間の
不足払いが行われていますが、これを分析してまいりますと、実際には五十九年度の
乳価を
決定するに当たって推算された
数字というのは、私たちが
考えている
数字とは結果的にはかなり違ってきている。つまり、今申し上げました六十九円十八銭というのは、
生産者のメーカーに売るときの基準取引
価格でございます。それにことし一年間の見込みを入れまして、およそ見込まれる付加価値は二十三円四銭になります。端数のところはまだ幾日か残っておりますから推定が入るので多少動きますが、そんなに大きくは動きません。そして我々が売った
牛乳は九十二円二十二銭という付加価値を生んで結果的には
生産された、結論はこういうことになるのです。ところが、
保証価格は九十円七銭でありますから、二円何がしか、実は我々の売った
牛乳は市況のよい面に支えられて高く売れたという結論になるのですね。
したがって、それを推算して、二百二十万トン、二百二十二万トンでございますが、実はこのうち二十三万トンがらみは
チーズに仕向けられている。それから、今度途中から足りなくなりまして
不足払いの補給金のつかない
牛乳が二十一万トンほどここに持ち込まれておりますから、差し引きいたしますと二百二十万トンがらみではないか、これも多少はトン数が違うかもしれません。しかしそんなに大きくは違わないはずであります。そして、それによって全体で得たといいますか、売った金額は二千二十八億七千八百万円を
政府は推算いたしました。この程度では売れるだろう。ところが実際に売れるのはもっと大きゅうございまして、二千四百十五億と推定されます。えらい違いじゃないでしょうか。
乳価決定に当たって昨年の今ごろ
政府は推算をされ、そしてこれでほぼことしの
乳価が決められましたが、それによると、全体で私たちが売った二百二十万トン、
チーズは入っておりません、二百二十万トンの乳でつくられた
乳製品六品目は、
政府は二千二十八億と
考えましたが、実は二千四百十五億になっているのです。こんなに大きく見込みが違う
試算をするということはやはりいただけないのではないか。
しかし、実を言いますと、これは
三つに分けられますよね。
生産者と卸売マージンともとのメーカーの製造販売経費と利潤、これに分けられていくわけです。その配分が大変正当でないというところに問題があるということを私は指摘しているのです。しかし、そのうち脂肪スライド分というのは曲がりなりにも〇・一%
当たり一円という支払いがなされておりますから、これは満足、不満足という問題は別として、
制度上は一応仕組まれているわけです。ところが、無脂固形分の基準として
政府がお
考えになっている八・三六%は、実質は八・五をかなり上回る成分として、ことしは北海道なんかでもこの分はメーカーとしては乳量を少なくて済んだ、製造
コストが少なくて済んだのだから、その全部とは言わぬが一部を返してくれという交渉が一年がかりで行われましたけれ
ども、これはだめでした。
私は、この際、基準取引
価格はこの
不足払い制度の持つ最も大事なルールの
一つである、このルールが崩れれば
不信感が生まれ、
酪農の前進に大きな阻害要因となってしまう、こういうことを
考えますと、ここはメーカーと
生産者がけんかするなどということは避けるべきである。そういう事態を避けて、
政府がつまり行政の責任においてきちっと決めていけば、何も指定団体とメーカーがけんかしなくたって済むわけですね。そこをことしはちゃんとなったでしょうかという点を聞きたかったのですが、資料が不足のためにお答えできないということでございますので、残念ながらきょうは意を尽くすことができませんでした。
しかし、ならばますます、
政府がお
考えになっていることが現地においても大きなトラブルを起こす原因になるという心配がございますので、
乳価決定に
当たりましては
大臣、ひとつその辺をしっかり踏まえていただいて、いやしくもそういう事態が現地に起きないように基準取引
価格を正規にお決めいただくように、九十九銭が正しいかどうかというのは、きょう議論をもう少し深めればはっきりしてきたのでありますが、一方的な私の方の
試算内容だけ発表して、
政府側がそれを正しいか、正しくないかのコメントさえもできないというありさまでは論議ができないのでございます。
したがって、時間がもうなくなってしまいましたのでここでやめますが、まとめて申し上げますと、基準取引
価格というのは
不足払い制度の持っております核であるということを新村
委員も申し上げました。私もそのことを繰り返して申し上げたわけであります、この点の確認はいただけるものと思います。それから、五十九年度は過小査定
ではなかったかという疑いが消えません、したがって、乳業に結果的には過剰利潤をもたらした、この事実関係はもう少しきわめていかなければならぬと思っています。きょうはこれができませんでした。こうやって、もしも仮に公平な査定を誤ったということになりますと、国費、つまり四百六十四億、せっかくのなけなしの金が乱用されたというそしりを免れないばかりか、財政当局からもそんなおかしな金の使い方をしているなどと目をつけられたら大変な話でございます。私はこの際申し上げておきますが、四百六十四億というお金を法外もなくボリュームを膨らませてくれと言っているのではありません。せっかくの四百六十四億は、
不足払い財源として畜産局でも六割に達するという大きな
予算ですから、これを適正、公平に運用することによってこのせっかくの
予算を有効に使うということがこの法の目指すところではないでしょうか。そう
考えますと私は大変疑問が残ります。
そういう
意味で、きょう出されました
乳価は、あるいは
限度数量の分配、張りつけは、果たして公平、適正な査定をしているのかどうか、私はきょうのこれだけの
質問ではその疑いを解くことができないままに終わらざるを得ません。
生産者に一体この
不足払い法という
法律はだれのためにあるのだろうかなどという疑問を抱かせることがあってはなりません。最終
決定までどうか特段の御
努力をこの際お願い申し上げて、私の
質問を終わりたいと思うのです。