○上西
委員 現在だとどうしても推定でいかざるを得ないでしょうから、それはそれで承っておきます。ただ、わずか〇・二であってもアップすることはどうしたって利用する方々にはしわが寄るわけでありまして、そういった実情だけは十二分に御配慮をいただいて、私、以下、現在抱えている
負債の問題について要望をかねてお尋ねをしたいのであります。
というのは、今度も生産
農家の方々と意見交換をしてみました。そうしますと、いろいろありましたけれ
ども順不同で申し上げますと、はっきり言って、農協や
農業改良普及所の方々、担当の職員の方々から、ああそういうことならこういう制度がありますよ、こういう書類をつくれば大体いいでしょうといろいろ御助言その他をいただいて出しても、だめだと言うのですね。非常にそれがショックになっています。それは農協や
農政の方々の
責任とかなんとかじゃなくで、出てくる結論は、これじゃ本当に完済できるのか、例えば、計画があるが完全に返せるのか、黒字になるのか、剰余は出るのかと突っ込んでいかれたらやはり困るわけですね。今の
農家の実情、畜産を含め林業しかりでしょう。後を追ってまた漁業の方は集中的にお尋ねしますが、いずこもやはり険しい、厳しい情勢の中にある。そうすると、突っ込んでいかれたら、それは今五年で返す予定だが本当言えば八年かかるかもしらぬ、こうなると、それじゃぽしゃっちゃうというのが随所に見られているわけです。
それは事務の簡素化とか手続の簡略じゃなくて、基本の問題なんです。極端に言えば、銀行が優良企業なら貸そう、危険なところには貸さないというのと同じような仕組みがとられているのじゃないかと私は現場での懸念を抱かざるを得ないのであります。こうしたことについて、実情をおわかりであれば実情を、また農水省側としてはどういう行政指導の
考えがあるのかということについても
お答えをいただきたい。
また、ざっくばらんに言って、いろいろと
資金がありますが、やはり返済が厳しゅうございます。そうすると、例えば据置何年、償還開始、そのとき大変きついものだから、やむを得ず系統
資金、プロパーをつなぎで借りる。そうするとそれはどうしたって金利が高くなる、そしてこれがまた悪循環になっている、こういうことが
現実にある。
あるいは、借り入れを希望した方々から私は正直に言われたのですが、例えば
農業用機械機具の購入などで借りるときに保証人が要るなんというのは、それはわかります。ところが極端なことを言って、田畑を全部提供して根抵当を踏んで担保に出しているのに、土地は逃げていかぬ、田畑は値打ちが下がらぬ、にもかかわらずやはり保証人をとるなんということはどうしても合点がいかぬ。せめて永遠に動かないものを、極端に言うと価格も下がらないものをちゃんと抵当に入れているときは保証人なんというのは免除したらどうなんだ。私だって子供のころに、保証倒れであそこがつぶれたというのをよく聞きましたよ。善意で印鑑を貸して保証倒れになった。それがあるから、保証人を出すのは、都市部であろうと農村地帯であろうとみんな、頼みに行く方もたまらない、押す方もためらいがある。そういうときに、せめて土地、明確な不動産をぴしゃっと入れるものについてはという素朴な要望がありました。
さらに突っ込んだことを申し上げます。
大臣以下
皆さん方、少なくとも与
野党を含めてここにお座りの方々は、例えば簿記がわかるでしょう。貸借対照表はわかるでしょう。借入申込書はわかるでしょう。損益計算書だって読めばわかる。金利がどの程度のものになるか計算すればわかる。ところが、おれは牛豚の飼育なら一人前だ、田畑つくらせたら絶対人に負けない、魚を釣らせたら村で一番だというような方々が、若いときからそういうふうに一生懸命やってきて、そうしていろいろやっていったら、今の諸般の情勢これあり、どうしても大量の
資金が要るようになってきた、借りなければならぬ。そうすると書類が、完備したものがいく。見たって、これは悪いけれ
ども猫に小判でしょう、馬の耳に念仏じゃありませんか。金利が八%、それが一年間で幾らになるか、ぱっと計算できませんよ。悪いけれ
ども、あなた方の中にだって約束手形実際切った方が何人おられますか、自分が支払うための手形を。支払い手形しかりだ。
そうなっていきますと、ああありがたやありがたやでお金を受け取る。受け取った金に、これはあなたに対する貸付金と印刷してありませんよ。一万円札に変わりはないわけであります。あなたの預貯金の払い戻しですよとも、借入金ですよ、これは利子分ですよとも、どこにも印刷していないわけでしょう。紙幣に変わりはない。お金に変わりがなければ、結局借りた方々はああありがたやということで受け取り、使ってしまい、後から、極端なことを言うと、忘れたころ、利子を含めてがんとくる。こういうことの
現実が農山漁村の中では随所に起きているのではなかろうか。ところが、行政側あるいは融資する側は、書類は間違っておりません、あなたはこう印鑑をついております、こういう計画書ですということをやっていくから、全く予想以上の
負債が絡んで、相乗して悪循環を繰り返していく。そして、それが結局、先ほど
田中委員からもありましたけれ
ども、農協その他に圧迫の要因になっている。
こういうことについて、やはり基本をもうちょっと深く突っ込んで
現実を御
理解いただいて、私がお尋ねしたいのは、この改正によって現在多額の
負債を抱えている方々は
現実に救われるのですかどうですかということが基本的なお尋ねなんです。そうした
負債を抱える要因というか原因を、具体的に二、三例を挙げたんでありますが、これらの御判断を含めて、
現実に多額の
負債を抱えている
農家の方々、漁家の方々に対してこれがどうなっていくのか。漁業は後を追ってまたお尋ねしますけれ
ども、そうしたことについての見解なり見通しなり、明確なものがおありならばお示しをいただきたいと思うのです。