○藤波国務大臣
各党の
合意があってこの
制度が出発しているということを、今も勉強させていただいたところでございます。
先ほど来、管理
室長から
お答えを申し上げておりますように、
一つ一つの
制度にはその
制度、仕組みの
性格と申しましょうか
考え方がございまして、所得の保障を図るという
年金的な
性格を有するものではないとしつつも、非常に
御苦労いただいた方々に対して特別に敬意を表していこう、
慰労しよう、こういう
給付金として
性格づけられておるわけでございます。
それでは、例えばどういう
基準で準用して
金額を上げていくのかということになるわけでございまして、
先生が今それぞれ御
指摘をいただきましたように、物価も年々どれだけでも上がっておるという実態にあるわけであります。そうすると、何年もためておいてそれでいいのかというような
お話も全くそのとおりだと思うのでございます。
去年の夏であったと
思いますが、
日赤の林社長さんがお見えになりまして、五十四年、五十六年に出発をしてから随分時間がたった、その間に全然
アップになっていない、もともと所得を保障するものではないという
性格はよくわかっておるつもりだ、しかし、ずっと
金額が動かないまま、
恩給の方は兵などはどんどん上がっていくということと比較をするとやはりどうにも耐えられない気持ちになるので、少し時間がたってきておるから、この際
アップすることを大蔵省とひとつ話し合ってみてくれぬか、こういう
お話がございまして、大蔵省とよく話をいたしまして、
先ほど来御説明をいたしておりますように、その間の物価上昇率ということを頭に置いてぜひ
アップをしてもらいたいというお願いをいたしまして、予算に計上する運びになった次第でございます。
その間に、いろいろな
先生方の、また
各党のいろいろな御指導や御助言を賜りましたことも、この機会にお礼を申し上げたいと思うのですが、それではどういう
基準で準用していくのかということになりますと、これも
慰労給付金という
性格上、きちっとしたものとして位置づけることはなかなか難しいと思うのです。そうすると、説明する言葉といたしましては、いろいろ社会経済情勢の変化に即応いたしましてというような言葉にならざるを得ないわけでございますが、心の痛みを感じないのかということにつきましては、これは大いに痛みは感じておるわけであります。いろいろと財政状況なども含めて社会経済情勢がどのように変化していくのか、その中でこの
給付金を差し上げることに至りましたいろいろな最初の経緯などもあるわけでございますし、
考え方、気持ちもあるわけでございますから、それらを十分踏まえさせていただきまして、それでは年々物価は少しずつでも上がるからそのようにスライドをさせてはどうかということにつきましては、これは仕組みの
性格上、なかなかそのようにいたしますとは
お答えしがたいものがございますけれども、そのことは
先生もよく御
理解いただいておると思うのですが、今後とも、この
制度が出発をいたしました経緯、
考え方を十分踏まえまして努力をさせていただきたい。これまで怠慢であったではないかというと、怠慢でございました、こう私が言うのも、歴代官房長官初め
皆さんに申しわけのないことでございまして、私の先代の官房長官もここにいらっしゃるわけでございます。これから
政府はよく努力をいたしてまいります、こういう気持ちをきょうは申し上げることでお許しをいただきたいと思うのでございます。仕組みを大事にいたしまして、関係者の方々の
御苦労に十分心を痛めながら今後対処させていただきたい、このように考える次第でございます。