○佐藤(祐)委員 私は何事を進める場合にも、実情を本当によくつかんでいくということは大事だと思うのですね。どうもそういう点が、さっきの第三種の例で言いましたが、ほかの一般一種、二種にしましても、とにかく翌日配達ということを大きな柱にして
輸送改善、執務の
改善をやられたわけですが、最初にいろいろ計算してそういう体制をつくるというところまでは非常に緻密にやられる。ところが、実際にそれが運行しているのかどうかという方の、中曽根首相の好きな言葉で言いますと検証ですけれ
ども、その方が私は非常に弱いのじゃないかという気がするのですね、いろいろな問題を聞きますと。ですから、ぜひそういうことをやる、事実を調べて、必要なら手直しをしていくということでありませんと、機能も生きないわけですから、そういうことを主張したいと思います。
今の問題でも、労働組合の側での
アンケート調査というのをやられているわけです。私はたまたま東京中央
郵便局労働組合ですか、東京中郵のものを持ってきているのですが、これは昨年十月以降二週間にわたって
調査をした。対象は東京中郵のデスク事務を除く内勤、外勤、現場事務作業者ですね、ここの組合員だけでなくて、全逓の組合員及び労組未加入者、未加入の労働者、こういう人の
調査をしたということなんですね。これも詳細いろいろありますけれ
ども、
調査結果で出てきている幾つか特徴的な問題があるのですね。
それを御紹介しますと、「交替制勤務による私
生活上の不便さは、どこに現われてきていますか、不便を
感じている順に一、二、三、四……と記入して下さい。」というのがある。これは各世代ごとの集計をしてあるわけですね、二十代、三十代、四十代、五十代、世代ごとの集計をしてあるのですが、各世代共通で圧倒的に多いのが「疲労がとれず、他のことをやるのがめんどう、意欲が低下」、こういうのが出ているのですね。十六勤の場合も、休息時間の短縮というのは、去年五月二十七日でしたか、からやられたこともありますし、全体に労働密度が高くなった、あれだけ物数がふえるわけですから、当然そうなんですね。
去年私は現場へも行きました。一部を拝見させていただいたのですが、相当なものですね。重い郵袋を、それも深夜の時間にさばくわけですから、そういうことから疲労がたまって、翌日どうも余りほかのことを考えるのは面倒になるというのが第一位なんですね。それから二番目に、これも共通しているのですが、ただ二十代は別ですね、「家族との食事や、ふれあい等の機会が少なくなった」、こういうのが出ている。さらには「夫婦
生活がうまくいかなくなった」というのまで、まあここまではあれとしましても、そうだろうと思うのですね。
深夜勤務が続きますと、私は新聞の
関係で深夜勤を随分やった経験がありますが、夜明けに帰って、また夕方出てくるとかいうのがあるのですね。そういうことになりますと、家族と一緒に食事をするとか、どこかへ行くとかがなかなかできにくくなる。昼はなかなか眠りにくいのですよね、朝帰りましても。ですから、よほどやはり深夜の労働配置については、計算上でここにこれだけ要るんだからやれというようなことではなくて、本当によくそういうことも加味してといいますか、そういうことをむしろ基礎に置いて、効率よりは本当に労働者の健康を大事にする、家庭
生活のことも考えるというようなことに
重点を置いて配置も考えていかなければならぬ。そうでないと、やはり無理がいろいろな形で出てくると思うのですね。
そういう点を考えていただくということと、やはり現場の労働者の
意見を本当によく聞いて進めていっていただきたい、そのことを最後に要望して、最後ですから、
大臣にお聞きをして質問を終わりたいと思います。