○
武部委員 公式答弁はそういうことにもなるでしょうが、問題は、やはり
現実は無視してはならぬと私
どもは思うのです。ですから、個人個人とか個々の名前を申し上げたくないので、やはり
一般論として
郵政省の
人事あるいは特定局のあり方、そういうものについては十分なひとつ
調査をし、関心を持っていただかないと、これからの
事業運営にそれがマイナスになるようなことが起こりかねない、このことを私はおもんぱかって言っておるのであります。
それならば、
特定局長代理ということを申し上げました。主事を申し上げました。主任を申し上げました。これはそれぞれの職制で上がっていくわけであります。職場も千差万別で、無集配から集配特定局から
普通局からいろいろなところがありますね、
人数もまちまちであります。主任は当該の局で任命いたしますが、主事ということになると、これは転勤をしてよその局で主事に任命されていく、こういうやり方をしながら
人事を大変うまくというか、慎重にやっておられる、これはそれなりに
意味があると思うのです。当該の局に長くおらないで、昇進するんだから隣の局へ行って、そしてそこで苦労してやれ、これも
一つの考え方でしょう。ですから私は、それを否定いたしません。そういうやり方が田舎の方では
現実にやられておりますね、それはそれなりに成果を上げておると思います。
ところが特定局は、無集配局が今言ったようにまさに世襲、そういうやり方が今申し上げたような
数字の中で歴然とあらわれておる。しかもこの
人たちは転勤がほとんどない。無集配
特定局長の転勤というのは、我々としてはいまだかつて余り耳にしたことがない。そういう世襲制であり、同時に転勤がほとんど行われないという特殊な職場であります。少なくとも十年、二十年、三十年、そういう長い経歴をもって勤め上げた人が、主任から主事になり、そして
局長代理に任命されておるわけです。この
人たちは最後には
局長になって、そこで最後の定年を迎えてやめる。
人間ですからお互いにそういう
希望を持って勤めておるに違いないと思います。
〔
委員長退席、
吹田委員長代理着席〕
そういう芽を摘まんじゃならぬと思います。そういう
人たちは全く登用されないで、今申し上げたように息子さん、そういう
人たちがぼこんと
局長に任用されてくる。確かに調べてみますと、それは無集配特定局であります。数が少ないです。ですからそういう
局長代理は、二十名とか二十五名とか大きい集配特定局の
局長になっていくとか、そういうことを考えておられるに違いないが、それにしても数が余り多くない。この点を考えると、やはり
職員の
期待や
希望に沿えるような
人事は
郵政省としてはやはり考えておかなければならぬ。これが
職員に対して
勤労意欲を燃え上がらして一生懸命働いていくための
一つの法則であることも間違いないと思うのです。
先ほど人
事部長は、局舎のことについて、それとは
関係ない、こういうことをおっしゃいました。なるほど公式答弁はそうでなければならぬと思いますが、実はそうではない、ここが問題なのであります。しかし、
現実に
任用規程があのように決められ、局舎は私有局舎であってもこれはいいということが規定上はっきりしておりますから、それは今ここで全部違法だとかそんなことを言うのではない。問題は局舎、その局舎が実は投資になっておる。投資にしても、格好の投資だということは
局長の諸君が一番よく知っておるのであります。
自分で局舎を建てるが、それはちゃんと
郵政省との間に契約を結んで毎月毎月局舎料をもらっておる。その局舎料を計算をしてみると格好な投資になっておる、こういうことは間違いない。
しかも
局長の中には、それは不都合を言い方だと思いますが、
自分の子供を
局長にするためにはこのくらいな投資は先行投資みたいなものだ、こういうことをうそぶいておる連中がおることは間違いないのです。これは限られた
人間ですよ、限られた
人間だが、そういうことをうそぶいておることを私は耳にいたしました。これも事実であることは間違いない。確かに大した先行投資ではないかもしらぬが、この局舎を
自分が持っておるために将来
自分の息子を必ず
局長にできる、それならばここである程度の投資をしてももとは返ってくるということを口で言っておるのであります。こういう事実があることをぜひひとつ
郵政省の
皆さんも知ってもらいたい。御
承知だと思うのですが、そうなんです。
それならば、そういう
状況の中でこういう
人事が行われて局員がこれに対して一体どういう
気持ちを持つだろうか。私はちょっと俸給表を調べてみました。今度発令された、先ほどの十四名のうち七名ということを申し上げました。この七名の
局長はほとんど年齢三十歳以下です。この
人たちは付近にいないのであります。全部よその局、
郵政局があるいは大きな
普通局に勤めておって、数年たって帰ってきておる、こういうケースであります。
昔は自由任用制のときに部外者から任用され、大問題になりました。少なくとも地方に土木出張所やいろいろなものがあるが、土木出張所の所長が全くの
民間人が登用されたことがあるかといって問題になる、そんな長い歴史がございましたが、これは釈迦に説法で言わなくてもいいと思います。そういう歴史をずっと繰り返してきて、今部外から全く経験のない人がこの
任用規程に基づいて登用されることはほんの一、二しかない、そういう
状況にまでなったことは私は大きな進歩だと思いますし、結構なことだと思います、一、二例外はありますが。
しかし、それは今形を変えてこういう格好で
局長が任用され始めてきた、これは数年来非常に数が多くなってきておるのであります。部外者の任用は、これはやはり世間体があるし、問題がある。何とか
郵便局に入れておけというので都会に入れて、三年か五年辛抱してそこへ勤めさしておく、事務官に任用というのはすぐですから。今度の発令を見ると、
新聞には事務官と書いてある、何々局事務官。なるほど昔は事務官にはなかなかなれませんでした。十七年くらいたたなければ判任官になれなかった。その
時代と全く違う、一年たてばすぐ任官ですから。事務官としてちゃんと
新聞に辞令として出ますね。
一般の者から見ると、これはなかなか立派な人だなと思えるようになっておる。なっておるが、内容は三年か四年、たかが五、六年の
勤続年数しかない人です。先ほどの十四名中の七名はみんなそうなんです。そういう
人たちが
局長になったときにどういう給与になるだろうかと思って調べてみました。
三十歳の
一般の平の
職員は、
局長に任命されますと管理職群の俸給表を適用されますから、ぽんと俸給表が上がりますね。
一般当務者で三十歳の人が
局長に活用されますと、直ちに三万三千六百円俸給がはね上がるのであります。これに対して今度は
管理者手当というものがつきますね、一番少ない
管理者手当は本俸の九%。これを合わせますと、三十歳の
職員が二人おった、一人はそのまま残っておる、この一人は
局長さんの息子で、帰って
局長になった、直ちに俸給に五万円の差が出るのであります。これもちゃんと歴然と、俸給表から見るとそうなる。三十五歳、四十歳とずっとやっていきますと、だんだんこれは差が出てきますね。
なるほど
管理者には、管理職群の
皆さんには、超過勤務手当はないかもしれません。こっちは当務者にはあります。これは働いておるのですから当たり前のことでありまして、それは比較になりません。したがって、ここで同じ年齢で同じときに入って一緒に勤めたが、片一方は
局長の息子で我が家に帰って
局長になった、本人はそのまま当務者として残っておる。片一方と、
局長になられた方との間に俸給麦で最低五万円の差が出てきた、これを一体
職員がどう見るだろうか。
局長任用の規程はございます。局舎の規程もあります。しかし、少なくとも
人事管理の面で、こういう事実が職場の中でいい影響を
職員に与えるだろうか、恐らくだれもそう思われないに違いない。そういうことをぜひ考えてもらわなければならぬのであります。
なるほど人
事部長の言われるように、
局長の任用は地方の
郵政局長に権限があります。
郵政局が監察局に
調査を依頼して、その人物が
局長の任用基準に当てはまっておるかどうかということを
調査して発令されるというその手願も私は知っております。しかし、
現実にあらわれた結果はこういう形になっておる。そうしてこれが、目の前におる者をつかまえては言いませんが、いろいろな形で不平不満となって職場の中に広がったときに、それは
事業に対して決してプラスにはならぬと思う。たくさんの例を私は知っておりますが、一々申し上げません。こういうことを考えたときに、
特定局長の任用、管理職群の登用という面については、慎重な上にも慎重な配慮をしてやられることが、
現業の第一線で働いておる諸君に対する
人事管理で最も大切な点ではないだろうか、このように思いました。
たまたまこの四月一日に発令されて、あちこちからそういう意見を聞きました。私は具体的な事実を見て、これならば職場で毎日働いておる連中が不平に思い、不満に思うのも無理はないと思いました。みんな三十歳以下であります、登用された
局長の年齢を見ると。しかもそれは、わずか四、五年しか勤めていない。こういう
人たちが、二十年、三十年と本当に一生懸命まじめに働いてきた
人たちの上にぽんと
局長の地位に座るということであります。これは
人事のことですから大変難しいことですが、そういうことが少しでも是正されていくような方法を
郵政省は、ふだんから各
郵政局長に対して十分周知をして、
人事管理の面で少しでもそういう不平不満がないようなあり方を考えるように指示すべきだと思うのですが、この点はいかがでしょう。