○岡田(正)委員 私がいろいろと承りましたところでは、現職の警官の方がその職務に殉じて壮烈な殉職を遂げた場合には、いろいろ取りまぜて大体二千五百万から三千万円くらいのお金を支給されると聞いております。間違っておったらどこが違う、こういうふうに今度は各項目を挙げて指摘をしてください。二千五百万から三千万ぐらい支給をされるはずであります。
そこで、けさほど来のいろいろな質疑応答を聞いておりますと、亡くなりました
大学生に対する国からの給付金というものは二つ道があって、
一つは行きずり犯罪
被害者等給付金、これは
犯人が逃げてしまっているのですからまさにだれかさっぱりわからぬ、そういう者に刺し殺されたわけでありますから、これも当てはめようと思えば当てはめられる。しかしながら六百四十万という最高額に至ることはない。なぜならば、家族がない、独身者である、そして職業を持っていないというようなことをいろいろ考えると、せいぜい見積もっても二百五十万ぐらいしかならない。
〔臼井
委員長代理退席、
委員長着席〕
さすればというので、
協力援助者
災害給付金という一時金の支給にすればどうなるかというので、先ほど来
お話がありましたように一日五千九百円、これは巡査の方の日割りの計算でありますが、それの千倍、五百九十万が相当ではなかろうかと考えておる。最高は警視の身分の方で特三等の人がおおむね一日一万円、したがって千倍にいたしますと一千万、こういうことになるのでありますが、この場合二十二歳の
大学生でありますし、独身でもありますし家族はないし稼ぎがないということを考えると、巡査としての五千九百円の一日の計算は決して不当なものでもないというような
意味で
お話がずっと続けられたわけでありますが、私が考えるのに、これが金の多寡によって物が決まるとは言いません、そんなやぼったいことは言いませんけれ
ども、しかしながらいかに言うてもこれは五百九十万というのは安過ぎるではないか。何らかの
措置を講じてこの額を引き上げてやることはできないものだろうか。
この子のためにというので将来を託してきました親の気持ちというのは、もうまさにはらわたがちぎれるような思いがしておるのじゃないでしょうか。大事な大事な宝を失ったという気分が大きいと思うのです。しかもただ単に学校でけんかしたとか、あるいは町でやくざとけんかして刺されて殺されたというのではありません。
警察のいわゆる治安維持に
協力をして戦った結果が死という報いであったわけでありますから、私はこれはもう十分過ぎるくらいの褒賞を認めるべきではないかと思うのです。
大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、聞くところによりますと、先ほど
官房長の
お話にありましたように、特にその業績が顕著なる人につきましては総理
大臣より特別ほう賞金が出るという
制度があるそうであります。ところがこれも、内容を読んでみますると
警察官に限られております。他の者には出すようになっておりません。
それでは資格がないから、しようがないからそのままほっておけということになるかといったら、それは私は知恵のないやり方だと思うのであります。なぜなら、今経済大国世界第二位というところになりました我が
日本で、一番嘆かわしいと思っておることは何でしょうか。これはちょっと言い過ぎかもわかりませんけれ
ども、我さえよければいい、人はどうなろうと構わないということです。
例えば電車に乗っておって、隣の席で妙齢の娘さんが酒に酔っぱらった人に絡まれて乱暴至極なことをされておっても、父親が見ておったら絶対に許すはずがないけれ
ども、赤の他人であればさわらぬ神にたたりなしとみんな逃げていく風潮。たまにそれをとめに入れば、年齢が大きいものですから、力が足らないで逆に殴り返されて大けがをしてしまうというような
事件。あるいは暴走族がやかましくてかなわぬからといって注意をすれば、外国の人でも引っ張り出されて袋たたきに遭って本当に半身不随になるくらいやっつけられる。あるいは乗用車で走っておって、自動車の前をバイクで妨害をして、それを注意したら車をとめて扉をあけて中から引きずり出して、今度は単車で何台ででもその体をひいてひき殺していく、こういうことが平然として行われております。
とにかく自分の身に直接火の粉がかかりさえせねば、まあいいじゃないか、おれには関係ない、こういう風潮があるということは、私は経済大国
日本の一番重大な汚点ではないかと思っておるのです。言うならば、今や
日本民族にとって大事なものは、正義感を取り戻さなければいかぬということだと思うのです。
それでは
政府はどうしたらいいのだろうか。私はお金の問題だけではないと思います。今の五百九十万、考えられるものならもう
一つ配慮をしていただきたいという希望と、さらにいま
一つは、現職の警官の人が殉職をなさいましたときには、特別の功績があれば総理
大臣のほう賞金が特別に出るのですから、そういう
制度があるのですから、
警察官に成りかわって
国民的な英雄行為を行ったこのとうとい犠牲者に対して、あれほど世論を気にしておる中曽根総理
大臣が黙っておくという手があるでしょうか。ほかに規則もない、
法律もない、どうにもならぬものだったらポケットマネーだってあるはずだ。
私は少なくとも内閣総理
大臣中曽根康弘という名前をもって、貴君の行為はまさに
国民的英雄行為であるということを褒めたたえた感謝状の一枚と、金一封ぐらい持っていつだって罰は当たらぬと思います。そういうことを、国家公安
委員長である
古屋さんからじかに総理
大臣に直言をしていただきたい。そのことが
国民に対して、ああやっぱり見てくれてるのかという
一つの
現象になるのじゃないでしょうか。それを中曽根さんが聞かぬというのなら、これはいい
政治的な材料になりますから後で教えてください。とうとう聞かなんだわい中曽根はとおっしゃってくだされば、この次の選挙で私は大変有利な戦いをすることができます。
そこで、総理
大臣がやらなかった場合のことを言ってはいけませんが、もし応じないというようなことがあったら
古屋さん、あなたは普通の
大臣じゃないのですね、国家公安
委員長ですね。
日本の治安を守る最高の立場に立っている人ですね。だから、
日本のトップが表彰することが嫌だというのなら、
日本の治安を預かる
古屋が出す、そのぐらいのことをやってください。これをお願いしたいと思いますが、決意のほどを承りたいと思います。