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和田(貞)
委員 次官、そういう現状なんですよ。労働安全衛生法の適用を除外されておるから、こんなに危険な
状況の中で責任を全うしなければならない
消防職員の事業所では、
職員の安全
管理者あるいは普通の事業所であれば置かれておる安全
委員会、ほとんど置かれておらない。衛生
管理者については約七〇%置かれておるけれ
ども、安全
委員会というのはあるいは安全
管理者というのは、普通の事業所であれば義務づけられておるにもかかわらず義務づけられておらないので、
消防庁の一片の通達しか出ておらないわけだから、これは拘束力も何もない。だから
現実の姿としてはこういうことだという
状況です。大臣おられませんが、そういう
状況をひとつ次官、かみしめてもらいたいと思うのですよ。私は、決して
消防けしからぬとかというのじゃなくて、やはり
消防職員の安全性を確立をして、
消防職員が安心して任務を全うしてもらうために言っているわけでありまして、私はこのことはここに通じると思うのですよ。
例えば先ほど
消防庁長官が、はしご車の場合を含めて
消防の機械、器具について
補助金の
対象にするための交付要綱の中で、はしご車について日本
消防検定協会が安全装置の問題であるとか、あるいは操作上の時間的な問題であるとか、あるいはリフターの構造についてとか、あるいははしごの材質についてというようなことはいろいろ条件つけられるのです。けれ
ども、でき上がってきた、納入されたそのはしご車つき
消防自動車を操作して作業するあるいは訓練する、たまたま事故が起った。そうすると、その事故が起こったにもかかわらず、同じメーカーの同型のはしご
消防自動車が三十五台出回っておる。本来
消防用の機械、器具でなければ、労働省なり通産省がそのチェックをするために直ちに使ってはいかぬ、あるいは製造待ったというような
行政措置が加えられるのですよ。ところが、このことさえもできないで、第二の事故、第三の事故がその三十五台において起こらぬとも限らぬじゃないですか。今の
状況ではそういう
措置も講ずることができないのですよ。
あるいはクレーン車の場合でありましたならば、クレーンを操作する者は、ちゃんと労働省で国家試験を受けて一定の資格、免許の所持者でなければクレーンの操作というのはできない。だからクレーンを艤装した車を運転するのは大概そういう自動車の運転免許を持っている者が運転していって、そこでその作業をする。クレーンの操作と自動車の運転と両方の免許を持っている者が大体やっているのです。
消防のはしご車の操作というのは、運輸省の言うように一般自動車だから、その自動車の運転の免許の資格のある者だけ、はしご車の操作については資格がない。ただ、あなたはその機械員に任命するということで、
消防庁の辞令一つによって任務を与えられて操作している、もちろん訓練もあると思いますけれ
ども。
そうすると、その操作上に何かが起こるといったときに一体どうなるか。時間がありませんので、私の方から言いますけれ
ども、
消防庁に答えると言ったら、必ず、それはそれで操作の手順というものをちゃんと示してありますと答えるに決まっている。その操作の規程というか手順というか、それはあなたの方でつくったのではない。この事故を起こした日本機械工業株式会社とそれから森田ポンプサービスセンター、大体この二通りまだ小さいところがありますけれ
ども、大方
全国の
消防機関ではこの二つのメーカーのはしご
消防ポンプ車です。それぞれのメーカーが仕様書というものをつくって、うちのつくったはしご
消防車についてはこういうように操作してください、これをメーカーからあなたの方に提供して、そしてさも
消防本部あるいは
消防署がつくったように書き改めてあるだけですよ。メーカーの言うとおりさしておるだけの話だ。何の責任もない。私はあなたが答えるということを想定して、先に答えておいた。メーカーの
資料に基づいてやっている。
しかも、これはメーカーからある
消防長あてに出しておる
文書ですよ。「荷物を吊り上げるクレーン車は、労働安全衛生法にて、又、屋内で使用されるエレベーター等に於きましても、法定検査制度になっておりますが、
消防車(梯子車、スノーケル車等)の艤装部には、自動車に搭載され、走行し尚かつ、地上高く伸して、風雨にもうたれ、人命救助等に使用されるにもかかわらず、法定検査制度もなく、各自治体の自主的判断により分解整備が行なわれているのが現状であります。」だからこれだけの予算が今度はあなたの方につくようになりました。みんなメーカーは知っている。これだけの分解整備費の予算があなたの方につくようになったでしょう、だから私の方にその
仕事をさしてください。こんな
文書がメーカーから出ておるのです。
はしご車の操作の手順づくりにいたしましても仕様書づくりにいたしましても、あるいは点検整備の点からいいましても、全く重立ったこの二つのメーカーの言うとおりじゃないですか。メーカー自身がこうやって教えておる。あなたの方に何ぼ予算がつきました、だから使いなさい、私のところに
仕事させなさいと言わんばかりの文章である。こんなようなことでは全く
職員が安心して
仕事の任務を全うすることができないわけであります。
私が申し上げたいのは、次官、これはなぜ労働安全衛生法という
法律がありながら、同じ自治体の職場であるにもかかわらず、片方清掃事業の職場については適用になっている、
消防事業所は適用になっておらないかというと、これはもう明々白々なんですよ。労働基準法ができ、労働安全衛生法ができたときには、
消防行政というのは
警察の
行政機構の中に組みされておった。だから、除外されておる。その後に
消防組織法ができて、
消防法ができて今の自治体の
消防になったのです。
警察から完全に離された
消防行政になったのだ。にもかかわらず延々として今日まで労働安全衛生法の適用が除外されているというところに私は問題があると思いますので、大臣きょうは見えておりませんが、これは所管は労働大臣でございますが、閣議の中でこのことを十分議論していただきまして、
消防職員が正義感に燃えて、身を挺して危険を冒して市民の生命と財産を守るために、その任務を全うすることができるように、労働安全衛生法の改正によって
消防職場も機械、器具だけではなくて、日常を通じて
職員の安全
管理、衛生
管理というものが行えるように法の改正を私は要請したいと思うのでありますが、どうですか。