○
古屋国務大臣 正直言いますと、この二月まで自民党の日韓議員連盟の法的地位の私は責任者をやらしていただいておりましたもので、今
先生の
お話を聞いたり、法務省、外務省の話を聞いておりましていろいろ
感じておるところでございます。
初め在日韓国人の方がいろいろ要望されたのは、御
承知のように金融の問題、それから福祉の問題では、厚生年金法が今度改正になりますと韓国人も同じような扱いになるということでございます。
それから、国会で問題になりましたのは、長野県の学校の
先生、これを内定して取り消したという問題で、大変この前問題になったことは
先生も御
承知のとおりでありますが、非常勤職員ということで、文部省は、そういう方ならこれは県の教育
委員会で決めることであるということを松永文部
大臣が言いまして、
日本では公権力の行使の地位にはつけない、
公務員だとか学校の
先生、そういうことも考えますと、いいか悪いか再
検討すべき時期に来ているんじゃないだろうか。プロ野球でもいろいろな問題、韓国出身者の方が立派な成績を上げられる。また、バスケットでもバレーでもなにしておる
状況を見ますと、そんな扱いを、公権力の行使というのを今ごろやらなければならぬかなという疑問も私は持っております。
それから、この法的地位の問題で、一つ外務省
関係で、椎名さんが行きましてあれしましたときの話を聞きますと、韓国人に対して外国人と同じように扱う。今度指紋の問題も、外国人に拒否されて裁判になっておることも御
承知のとおりであります。そういう場合に、昔から、おじいちゃん時代からおる韓国人とこっちへ五年ぐらいおる外国人とどういう区別をするかというような問題もあります。
それからもう一つは、実はこれは私ちょっと古いかもしれぬと思って今いろいろ考えておるのですが、北鮮からの密入国というのを警察で大体この十年間、百五十件ばかり扱っておる。それがあの登録証とか指紋で、そればかりではありませんが、そういうところで検挙されておる事例も割合にあるわけであります。そうすると、今韓国がオリンピックを控えておるときに、
日本が北鮮のそういうスパイ活動の基地になってしまって、指紋を廃止して、
日本の人が、これは韓国人である、これは朝鮮の人であるということはちょっと顔では私
どもは判断できないわけですね。だからそういう場合にどうしたらいいのだろうか、いろいろなことを私も考えておるわけでございます。
警察だけの立場、外事警察の立場でいうとなかなか難しい問題だと思いますが、実はこの問題は総理の
お話もあったとみえまして、聞いておりますと、官房副長官が中心になって、警察庁の次長だとか、法務省の方は言われなかったが、私、言って恐縮でございますが、そういう次官級あるいはそれに匹敵するトップレベルで事務的
協議を続けておるというのが今の実情じゃないかと私は思っております。
そういう意味で、もしおじいちゃん時代から
日本におる人、そういうものを改正したらほかの外人の
関係がどうなるだろうか。そんな先の方の、これはちょっと苦労が過ぎておる、そんなことまで考えぬでもいいとおっしゃればそういう点もあるような気がしますが、そういうことで、これ以外に五十七年に改正になったばかりでありまして、去年ぐらいは総理も、改正になったばかりだからまだこれはちょっと早過ぎるというようなことを国会で答弁されておりました。
ただ、大統領との会談以後、会談でも
お話しになられましたああいうことが出てまいりまして、前の住法務
大臣は国会で、あなたは
日本の法的地位のあれだからおれもこれを頑張って、韓国にはどうしてもあれだからなんというような
見解を住さんは持っておりました。これは人によってみんな違う問題でございます。
だから私は、おじいちゃんからおるようなそういう韓国人は、外国人でも何らか特別な扱いをすることを考えられぬかしらんということを――まあ率直に言うと、私、内輪だけで言えば、そんなに嫌だったら
日本人に帰化したらいいじゃないか、こういう暴論も出てくるわけであります。これは韓国の人の誇りを傷つけることになりますので、そういうことを公になかなか言いにくいことでございます。だからそういう特別の人、おじいちゃんぐらいからおったその子供たち、そういう人に対してはもう
日本人と何ら変わりない、扱い方も変えることもないしというような
感じも私はひとしく持っておるのであります。
実はそういう意味で、こういうところできょうも
先生方の御
意見を聞きながら私もいろいろ考えておったのでございますが、いきさつはそういうふうでございますので、今、事務官のトップレベルにおきまして、次官、官房副長官が中心になってこれを相談しているということを私知っておるわけでありますが、その結果につきましてはまだまとまっていないのじゃないかと思っております。
公安
委員長という立場じゃなくていろいろ私見を入れて申し上げましたが、そういう悩みを持ちながら、この問題にどういうふうに対処するのが一番韓国でも
日本でもいいかという点で私も非常に苦慮しておるのでありまして、また
先生方いろいろ御
意見があったらお教え願いたいと思っております。