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大林政府委員 市町村におきます適正
規模についての御質問が第一でございました。これは御案内のように、一番
最初の
町村合併促進法、
昭和二十八年
時点におきます
考え方は、町村は、おおむね八千人以上の
住民を有するのを標準とするという
考え方が打ち出されておりました。当時は非常に行財政力の弱い
市町村が多かったものでありますから、最低限八千人程度なければ今後の
行政需要はこなし切れないだろう、こういう
考え方のもとに八千人というものが打ち出されたと承知をいたしております。
その後、
町村合併がいろいろ行われてきたわけでありますけれ
ども、ただ、
住民の日常生活圏というのは年を経るごとにますます拡大の傾向にございます。さらに今後広域化の
要請に応じて効率的に処理するためには、今後とも
市町村の
区域、
規模の拡大が必要となるような事情が当然に生じてまいると思います。ただ、その場合にどの程度の
区域、
規模が合理的なのか。
昭和二十八年当時は八千人という標準があった。現在の
時点ではどのくらいを標準として
考えるべきか、こういう御質問でございますが、非常にこれは難しいわけであります。
昭和二十八年当時の
行政需要で何が一番真っ先に取り上げられたかと申しますと、御案内のような六・三制の実施、つまり新制中学校をつくらないといけない、そうすると
一つの中学校を
一つの町村が維持しますためには、三学年、数学級というものを頭に置いて、少なくとも四、五百人は生徒がいないといかぬだろう、四、五百人の生徒がいるためには
人口がどのくらい必要であろうか、こういう逆算を当時はしたようでありまして、八千人というのが大体そういった中学校
一つを維持するための逆算の結果の
人口、こういうことであったということであります。
今日、それ以外にもいろいろな複雑な
行政需要が生じておりますので、そういういろいろな複雑な要素というものを頭に置きながら、どういった
人口が最低限あった方がいいかというのは、
人口密度なりあるいは地勢の問題もございましょう、いろいろな事情に照らしまして具体的に
考えるべき問題でありまして、画一的に
一つの数字の基準というものをつくることはなかなか困難であります。ただ、こういう問題については、非常に基本的な重要な問題ではございますので、あるいは今後の
市町村の事務移譲につきましても、
市町村の対応能力という面で大きな問題になってまいりますので、現在
地方制度調査会等において
一つの
研究課題として取り上げていただいておるところであります。
それから二番目の
地域格差、
合併に伴う
市町村間の格差の拡大の問題であります。
現在自主
合併ということで、それぞれの
地域に応じて
合併の
機運の盛り上がったところから
合併をしていただいた結果が編入が多い、それによって
地域格差というものがますます拡大するではないかという御
指摘であります。そういった面は確かに否定できません。特に離島でありますとかあるいは陸の孤島と言われるような、地勢によって取り残されておるところも昔から相当ございます。こういったところについて、どういう行政をしていくか、これが広域行政の
一つの役目でありまして、そういった取り残された
地域の
行政需要に対処するためにも、今後さらに広域
市町村圏を中心とします広域行政施策、これを充実強化いたしまして、できるだけそういった
地域格差の縮小に努めてまいりたいと
考えておるところであります。