○中西(績)委員 熱意については我々と一致するわけですね。後半の
部分で言われたのは、六十六年という一定の枠、それを今度は少しでも短縮をするような論議にさせぬような答弁をしておりましたけれども、いずれにしましても、何としても四十人学級、一学級の生徒数編制、あわせまして、それに伴う教員定数の改善寺含みまして、この際にやはり基本的に論議をしておく必要があるのじゃないだろうか。なぜなら、今、後藤田長官が言われましたように、財政というのがもう必ず付随的に出てくる。そうすると、この一年というのが次にまた一年という可能性だって出てくるわけです。ですから、この四十人学級というものの持つ意味をもう少し論議をしておく必要があるんじゃないだろうかと私は思うのです。
特に、前回のときにも文部省の
局長と討論をする過程の中から私が確認ができましたのは、例えば五十人あるいは四十五人あるいは四十人を比較した場合に、最も理想的なものは二十五人から三十人、これは九大、広島大学、名古屋大学などの大学
関係の調査結果あるいは全国教育研究所連盟の調査によりましても、あるいは
アメリカ、
イギリスあたりの調査によっても、数の点からしますと四十名よりはるかに低いということです。これが
一つ。
それからもう
一つ。時間がありませんから簡単に申し上げますと、四十人と四十人以上、五十人くらいと比較をした場合に、集中力、集中性にすぐれたものがあり、授業が大変しやすいという、このことは文部省も認めているわけです。さらにまた、学級の秩序を維持しやすい条件がこの中には含まれている、あるいは児童生徒間の協力活動がやりやすいという。
先ほど
大蔵大臣が言われましたように、私も七十人近い学級で育った一人です。
ところが、雑草みたいにはなったのかもしれないけれども、私たちのクラスは、当時小学校であのクラスには近寄るなというぐらいに、もうとにかく乱暴で始末がつかなかった、そういう状況を私は経験した一人です。ですから、ここにありますように、今一番問題になっておる集中性、それから、そのことによって学級における秩序がどう保たれ、連帯し、そして活動がしやすくなるかという今一番問われておる
部分が私はここにはあると思うのです。
かつて私がある
大臣と討論したときに、少なくとも私も教職の経験がございますので、五十名いる、五十五名いるクラスを当時の高等学校でやった場合と、それが今度は選択によって半分になった場合の例なんかを挙げて、教師の視角の中に入る、そうするとその生徒との
関係が、十分絶えず対話ができる。左を向いたときに右の者が視角から外れてしまうということは、やはり教師にとっては大変な過重になるし、生徒にとっては人間的なかかわりというのが薄らいでくるわけですね。私だって、やはり話をするときにはそうなんです。ですから、この点からいたしましてこの範囲内と、こう言った
ところが、その
大臣こう言ったのですよ。いや、アイスホッケーなんかの場合にはこちらが見えるようになっている、だから少人数にする必要はないというような話をしましたから、私は、もうそんなばかげた話、討論はしたくないからと言ってやめたのですけれども、もう少し実態と現場の状況というものを判断してほしいということをその際に私は申し上げたわけであります。
いずれにしましても、こうした四十人学級の持つ意味、このことが、今の時期に最も私たちが期待をし、要求をしておる
部分であるということの理解をぜひしておいていただきたいと思うのです。このことが、将来三十五人学級を目指すということにつながっていくためにも、私は何としても必要だと思うのです。というのは、もうこれは御存じだと思いますけれども、大規模校の場合には、四十人以上の、四十五人学級なんですよ。しかも、それは対人
関係のない、完全に孤立化したような子供たちが集まってくるような
ところで特にそれが多いわけでしょう。
ところが今度は、我我が育ったような山村あるいは田舎の方に参りますと、生徒の数というのは二十五人だとか三十人程度で、例えば四十五人を超えれば二クラスになるわけですから、そういう
ところでは、周囲の社会的な人間
関係というのは割合深い中で、なおかつそうしたものが整えられておる。ですから今、非行問題だとか暴力問題、特に中学校なんかで出てくる状況というのはどういう
ところに多いかということを考えますと、はっきりしているのは大規模校であり、そうした都会の人間
関係の薄い
ところでそういうものが出ておる。一学級の数はどうか、四十五人だという。こうしたものが具体的な例として出ておるわけです。
ですから私は、この四十人学級、わずか五名だけれども、これの持つ意味をもう一度
政府においてはとらえ直しておく必要があるのじゃないか、こう考えるわけです。
大蔵大臣、この点について感想があればお聞かせいただきたいと思います。