○正森
委員 その方がある座談会でこういうことを言っておられるんですね。前の方は省略いたしますが、
国年は何とかして追いつけというんで、人為的成熟化を図った。ですから、国年の方は一番最初にパンクする。今の任意加入の問題もどうにもうまいこと解決できない。妻の任意加入はどうしても強制でいくしかない。また事業主の
負担がなければ損だということで、被用者の妻は全部こちらの方に強制加入しちゃうという手を使って、婦人の
年金権の名のもとに、ああいう
制度を考えた。一人ずつが
年金持ちというのは、どこの国でも生活はすべて世帯単位で行われるという
原則の無視です。名前を
基礎年金とかえで、社会保障
制度審の基本
年金とマギらわしい名前を活用したわけです。 今度の
改正は
国民年金救済法といっていいと思う。
基礎年金との改名で世間をごまかしている点にむしろ
国民的反感さえ感ずる。
こう言っておられます。つまり、こういうように専門家が、
国民年金は今のままだと遅かれ早かれパンクせざるを得ない。そこで
基礎年金という名前で今度の
制度を
導入して、サラリーマンの妻などは全部強制加入にして、そしてその保険料は御主人の方から払わせるという格好で
基礎を広げることによって、
国民年金の破綻を救ったものであるというのがこういう方々の
指摘であります。
現在、
年金の中で一番財政規模が弱いのは言うまでもなく国鉄でありますが、その次が
国民年金だ。この
国民年金を救うためにこういう
制度をつくったんだけれども、それを
政府は余り言わないで、
国民共通の
基礎年金ということを言っておるが、そういう言い方には「
国民的反感さえ感ずる。」というのを、これは今井一男という相当責任のある人が言っているんですね。これはある意味では当たっているのではないですか。そして、救うために、先ほど坂口
委員からも
指摘がございましたが、非常に高い保険料を払わせて、国の
負担というのは非常に少なくしているということが言えると思います。
委員部、資料を配っていただきましたか。
大臣、
関係の方、その資料を見てください。この資料は、我々が一定の前提のもとにインプットしたものでありますが、まず、数字の方を見ていただきますと、これは左側のは、月の保険料が六千八百円で、毎年三百円ずつ上げていくという
政府の考えで、それがどれぐらいたまっていくかというのを見たものであります。年齢は二十一歳から始まって六十歳までずっと積み立てる。六十五歳までは据え置きということでございますから、それを見ていただきますと、単純積み立てで国庫
負担がゼロという場合は五百四十三万三千六百円、六十歳になったときには積み立てておる。これは単純な数学であります。それが右の方に行きますと三%の複利計算。これはただで遊ばしていくわけではございませんで、財投の場合には現在七・一%でありますが、物価上昇がございますから、実質金利が三%といたしますと、これは金利がつきますから、六十歳のときに九百六十三万六千七百三十円になります。さらに、据え置き
期間も金利はふえてまいります。六十四歳を見ていただきますと、これが一番高くて、複利計算で千八十四万円になります。
右側を見てください。これは
制度が成熟したときに、月に一万三千円納めていくという場合であります。これは初年度は一万三千円掛ける十二ですから十五万六千円。それをずっと下へ行っていただきますと、六十歳のときには六百二十四万円、三%の複利計算をいたしますと、千百七十六万円になります。それをさらに下へ下っていただきますと、六十四歳というのがピークになりまして、千三百二十三万八千九百六円であります。ここから六十五歳は月五万円ですから、六十万円ずつもらっていくわけであります。
〔
中川(秀)
委員長代理退席、
熊川委係員長代理着席〕
ここからが減り始めるわけですね。しかし、減り始めますけれども、三%の複利計算で見てみますと、一番最後のところですね。八十歳まで長生きするということで、一万三千円の場合には、十五年余り六十万円ずつもらいましても八百七十八万七千六百五円残ることになります。六千八百円から始める場合には四百九十四万八千五十三円残ることになります。
これは私が昨日本
会議で、これはとんでもないことではないか——いいですか、来年から六千八百円ずつ納めて、毎年三百円ずつ上がり、一万三千円まで上がるということになれば、三分の一の国庫
負担をいただくどころか、そんなものをもらわなくても、三%の複利計算で運用するとすれば、約四百九十五万円払い過ぎということになる。一万三千円の
制度が成熟したときには、八百七十九万円近くも国に寄附したまま死んでいくということになる。これでは三分の一の国庫
負担ということは、成熟した段階等で、保険料を納めている人には少しも還元されないではないかという理屈になるわけであります。私の
質問に対して、本
会議では、厚生
大臣はそういうことにはなりませんというような簡単な
答弁がございましたが、コンピューターで数字を入れてみるとこういう結果が出てくるのですね。これについてどういうぐあいに御
説明いただけますか。お願いいたしま