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志賀政府委員 お答え申し上げます。
まず総務
部長からお答えした問題について若干コメントさせていただきます。
年報に出ております「その他」の件数、これは約四千四百件くらいであるわけでございますが、その
内容につきましては先ほど総務
部長からお答えしたとおりでありまして、大体その大部分は弁護士さんによる代理あるいは社員の代理あるいは法人代理等々ではないかというふうに私
ども思っておるわけでございます。ただ、いずれにいたしましても、
先生から御
指摘がございましたような弁理士法に触れるような、そういう問題がもしあったとすれば、それは私
どもとしても極めて遺憾でありまして、厳重に取り締まってまいりたいというふうに思っております。
そこで、弁理士法の
改正問題でございますが、これは弁理士法、おっしゃるように片仮名法でございまして、前からこの弁理士法の
改正をすべきでないかという御
指摘があるわけであります。私
どもといたしましては、昨年の二月以来弁理士会と
特許庁との間で弁理士
制度検討懇談会というものをつくっておりまして、現在までに十回ばかり会合を開いてまいっております。最近、弁理士会の役員の方の交代などがありましてちょっと中断しておりますけれ
ども、またいずれこの懇談会を
再開して検討を続けてまいりたいと思っております。
いろいろな多面的な検討を行っているわけでありますけれ
ども、その中で現在の弁理士法の二十二条ノ二の問題をどう考えるか、これを強化する必要がないか、こういった問題が
一つあるわけであります。この問題につきましては、現在の弁理士法の二十二条ノ二というのは、
先生から御
指摘がございましたように、報酬を得る目的でもって、かつ業として
特許庁に対する代理業務等をやってはいけない、こういう規制であるわけでありますけれ
ども、これをさらに強化して、およそその代理行為というものはいけないというふうにすべきでないか、こういう問題であるわけであります。本件につきましては、私
どもといたしまして、やはり他方において憲法の職業選択の自由等とのかかわり合いがございます。あるいはほかの法体系との
関係もございます。ということで、そういった問題を含めまして検討していかなければいけない問題だというふうに思っているわけでございます。
いずれにいたしましても、弁理士法の
改正問題につきましては、先ほど申し上げましたように懇談会を開いて、その結論が出たところで
対応してまいりたいというふうに思っているわけでございます。
それから最後に、
審査官、審判官の七年以上の経験のある人間について弁理士となる資格を与えているということについて問題ではないかという御
指摘でございます。率直に申しまして、
審査官、審判官の七年以上の経験のある人間について弁理士の資格を与えるというのは、
昭和三十五年に設けられた
規定でございます。当時の記録を読みますと、審判官、
審査官というのは法律的あるいは技術的に専門的な経験を必要とする、そういう仕事をやってまいっているわけでございまして、そこに七年以上在職した場合には、それは十分高度の能力を持つ、したがって、弁理士の資格を与えるのが適当である、こういう
判断のもとに
昭和三十五年に設けられたということでございます。
いずれにいたしましても、最近十年間におきまして、
特許庁の退職
職員のうち弁理士登録を受けた者というのが約百七十八人でございます。このうちのほとんどはかなり長期の経験を積んでおるわけでございまして、十年以内の経験者というのはこのうち十八人
程度、したがって約一〇%
程度でございます。全体として見ますと、ごくわずかであるわけであります。いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、弁理士会との間でいろいろ懇談を続けているわけでありますので……。