○奥野(一)委員
センターの自主性というものを尊重するということについては大変いいことだと思うのですが、審議をする我々にしてみますと、
センターそのものというのは将来一体どんなふうになっていくのかというものをつかめないわけですね。つかむというのは、大体
予算規模だとかどんなテーマを扱っていくのかということが、ああ将来
センターというのはこんなふうになっていくんだというふうに我々理解がつくわけですよ。しかし、それはでき上がってみなければわからない。これは
センターの方だって困るのじゃないですか。例えば、
資金がどのくらい回ってくるのか仮にわからないなんということになったら、やりたいと思ったってそれはできないということにもなりかねない。だから、本来であれば実際に
センターが
設立をされてからどんなことをやるかということは
センター自身がお決めになるのですけれ
ども、つくる方の生みの親の皆さん方の方が、いやこの子はこういうふうに育てたいんだというような構想とかなんとかというものが何もなくて、ただ
センターが必要だからつくります、あとは全部お任せくださいでは少しひどいんじゃないかという感じがするのですね。
これは今わからないということならしようがないと思うのですが、ちょっとこれに
関連しまして、先ほど後藤委員の方からも
指摘がございました。これは後で
質問しようと思っておりました郵政との共管体制ということとも
関連をしてくるわけでありますから、これも一緒に
質問しておきたいと思うのでありますが、先ほどからの後藤委員とのやりとりを聞いておりまして、なぜ郵政と
通産だけの所管のものにしたのだ、こういうことについて
大臣やあるいは
政府委員の皆さん方の方からもそれぞれ御答弁はございました。私聞いておりまして、なぜ郵政と
通産の所管だけに絞られてきたのか。これはやはり電電株の売却益の使途をめぐっての争いと言っては語弊がありますけれ
ども、そういうやりとりの中から生まれてきたのだろうと私は思っているのですよ。だから、郵政と
通産の所管だけに絞られてしまった。
これはきのうの情報処理促進の
法律審議の際にも私も申し上げましたけれ
ども、本来であれば例えば情報処理なんていうものについてだって
関連各省のものはたくさんあるじゃないか、そういうものをどうして
一つにまとめたものをつくらないんだということを実はきのうだって主張したのですよ。これだって同じなのですね。もし本当に
基盤技術というものの促進が必要であれば、先ほど後藤委員が
指摘したように、それじゃ厚生省だとか農水省だとか、そういうものも含めたものをつくって、初めて国の
一つの
施策になるのじゃないですか。
こういうのが例えば、いや
通産は郵政との
関係があって、本来
通産だけでつくりたかったのかもわからない。郵政は郵政だけでつくりたかったわけでしょう、電気通信
振興機構というような形の中で。それがどうもうまくいかなくて両方が合体した。今度は農水は農水でつくるのだ、厚生は厚生でつくるのだということになれば、国の一貫した
基盤技術の整備ということになっていかないのではないか、そういう可能性というのがあるんですね。むしろ
行政が複雑になっていく。これはお互いにそういう研究の中でまた生かせるものだって出てくることもあるわけでしょう。そういうものが全然その
扱いが違うということになれば、これはやはり問題があると思うのですね。その点が
一つあります。そういう中で郵政と
通産との共管ということになっているわけです。
お話を聞きますというと、いや郵政とは大変仲よくやっておりまして、決まるまでは随分ごたごたしたけれ
ども、決まった以上は仲よくやって、うまくやっていくんだ、こういうことを前に聞いておるわけでありますが、やはり心配されるのはその点なんですね。ですから、この郵政との共管の
関係について、
両省の間でこの
扱いというものを円滑にしていくためにどういう話し合いというものをされてきているか。あるいはこれからこの
法案の中でも、これは郵政、これは
通産ということがいろいろたくさん条文の中にもあるわけでありますけれ
ども、それを今
一つ一つお聞きする時間もないようですから、総括的にそういう共管の事項についての
扱い方をうまくやっていけるということについての
考え方をひとつまたお聞きをしたい、それが二つ目でございます。
それからもう
一つは、その
資金の
関係や何かについてもどうなるのだかわからないというようなお答えでもあったわけでありますが、そう簡単にいかないんじゃないか。これはもちろんやり方にもよるかもしれません。ただ、「あっせんする」とか、この
センターの業務の内容を見ますと、
一つは、「
民間において行われる
基盤技術に関する
試験研究に必要な
資金の出資及び貸付け」、これは大した手間暇かからないと思いますね。それから「
政府以外の者に対し、」「国の
試験研究機関と共同して行うことについてあっせん」ですから、これも大した手間暇かからない。「
政府以外の者の委託を受けて、
基盤技術に関する
試験研究を行うこと。」これは
センターの中では手間暇のかかるということになると思うのですよ。ですから、ここが一番重要なことになっていかなければならないと私は思うのですね。そうすると、この
資金計画もわからないということになった場合に、どれほどの研究というものが一体できるのかという心配が
一つあるわけです。
電電公社の場合には今の
技術は
世界的にも有数な
技術になっているわけですが、もちろんこれは
基盤だけでなくていろんな面の
技術研究をやっているわけですが、人員だけでも五十九年度は三千七十二人研究要員というものを配置しているわけですね。金額では千二百六十六億円というものをつぎ込んでやっているわけですよ。それくらいやってやっと
外国と競争できるという今の
技術に到達をしているわけですね。だから、そういう面から見て果たして大丈夫なのか、こういう心配もあるわけですが、その辺も含めてひとつお答えをいただきたいと思います。