○沢田
委員 これも余りなってないような答弁でありますが、経済企画庁の総合計画局の「二〇〇〇年の日本-長期展望テクニカル・レポート」によって見ると、二〇〇〇年で
考えると、年金で
給付の場合、現在は十八兆でGNP比でいきますと六・四%くらいであります。六・四%はGNPとの割合を言っている。現在は二百八十四兆を基準にして計算しておる。それから二〇〇〇年には、さっき言った経済の成長率を五ないしその程度に見ていくわけでありますが、八百四十六兆になる。その中で年金は一三・五%の割合になるだろう、こういうふうに「二〇〇〇年の日本」では
指摘をしているわけです。
そして問題は、今度はその次の負担の方なんです。負担の方では、二〇〇〇年では、現在が五・四%でありますが、八百四十六兆になったGNPにおいては九%である、こういうふうに
指摘をしておる。そうすると倍にはいっていない。GNPが八百四十六兆になったとこれは推定がされるわけでありますが、その中での
社会保障負担は、全体ではありませんよ、年金の分を言っているのですが、年金の分で占めるのは九%、一割。だとすれば、この中に変動要素はたくさんありますけれ
ども、現行
制度をもってしても、またあなたの方の資料をもってしても、何もこんな無理をした、いいところはいいとしても、年金額を急に下げたりあるいは負担の急激な増加を図ったりしなくとも、もっと緩やかなもので十分に目的が達成されるのではないか、こういう推定ができるわけであります。杞憂という言葉があるが、天がおっこちることを心配するということなんで、あなた方のやっていることでは確かにその点がある。
昭和三十六年に
国民年金ができたときに我々は反対した。もしこんなことでやったならば、
国民年金はただ国の財源になるだけでだめになってしまうであろうということで、
昭和三十四年、五年の時代は反対をしたわけであります。その後、
国民年金が成熟して、ようやく二十五年の掛金の終了する六十一年を前にして、要すれば現在はパンクするという状況だ。我々の予言が当たったということにもなるのかもわからぬですが、結果的には、三十六年に
国民年金が出発したその当時には、国民の皆さんに、二十五年掛金を納めてもらえば老後の不安は一切ありませんよ、そういうことでこの国民
年金制度がスタートをしたわけです。そういうことですね。ところが、ちょうど成熟した二十五年たって掛金が終了した時点になったら、おっとどっこい、そうはいかないよ、これはパンクなんだから、今度は
基礎年金に変わるんですよ。
基礎年金制度そのものは我々反対しませんよ。しませんけれ
ども、
国民年金そのものについてはそういう状況に至らざるを得なかったということなんで、その点は極めて残念なことでありますから、今出しておる案について、少し杞憂過ぎるというか、
考え方が余り極端過ぎるのではないかというふうに我々は
考えるわけです。
例えば、あなたの方で出されている表でいきますと、果たして
昭和がそんなに長く続くのかなという気がしないではないのでありますが、
昭和百二十年まであなたの方の表では書いてあります。
昭和百二十年といったら我々も墓場の中にいるわけでありますけれ
ども、その計算でいくと、
昭和八十年には現行のままでいっても一八%の負担率で済んでいる。だからこれを折半でいけば九%です。あなたの「保険料率の見通し」でいっても、
昭和八十年まではこの体系でやっていける。ただ、八十年からその後が、急激に老齢化社会を迎えて、現行法でいくと二四なり二五まで急激に上がっていく危険性を持っておる。しかし、ここは予測しがたい条件があると思うのであります。ですから、もしこれをやるならば、このとおりで
考えるのではなくて、私もこのまま主張するわけじゃない、もっと緩やかなカーブというものが描けるはずであるし、描いていくべきではないか。
改正案のような形で今からばさっとやっていくのではなくて、もう少し緩やかな傾斜をとっていくことが、当面保険料率の問題にしてもあるいは
給付の問題にしてみても必要な条件ではないのか。
これは皆さんのところに配られているものでありますから、ごらんになっていると思うが、
国民年金にしてもしかりであります。今は六千二百二十円、この保険料は、
厚生年金にしてみれば、今回の
改正で十万円で六千二百円ですから、十万円の収入にすれば六・二ということになります。それで現行の
国年の保険料の六千二百二十円、これは現在の
厚生年金の五・三よりも掛金は確かに高い。だから、そういう
考え方からすれば、確かに一回で納めるか四回で納めるか毎月納めるかによって違いますが、負担の重さを感じます。これをもっと、今の
法律改定のような厳しさをしなくてもいいように、ぜひ、あなたの方で配られたこの三十五ページにあります表のとり方、それから将来の展望、今は基金がこれだけあるという、こういう形で
法案を出しておりますけれ
ども、もう少し将来展望というものをきちんと決めて、そしてこの負担というものをやはりもっと
考えていく必要があるのではないか、こういう気がいたします。これは、もう時間の
関係で、後は社労の
皆さん方にお任せをしながら、要望だけにとめておきたいと思うのです。
それからもう
一つ、まとめてもしお答えをいただくならいただきますが、これは経済企画庁の「国民経済計算年報」、それから国民所得に対する比率、それから現行
制度を維持した場合の数字、これも経済企画庁「二〇〇〇年の日本」から抽出をいたしましたが、二〇〇〇年の場合に年金は一二%、
給付はこういうことになります。それから負担の方は九%、現在は五%。やはりこういうことで、二〇〇〇年に対する
社会保障の場合の負担の割合から見れば、急いで今のような
改正案をつくらなくとも、もっと緩やかな傾斜によって、二〇二五年の最高のピーク時を展望しながら、十分数値を描けるはずである。確かにピークの二〇二五年になれば年金は一九%、それから負担の方においても一六%、こういうふうに膨大に膨れ上がることは事実であります。しかしながら、今からこの急激な変動を必要とするかどうかということについては、こういういろいろな指標を
考えてみても若干問題がある、こういうふうに思います。これは時間の
関係がありますから、もうまとめて厚生
大臣から――どうも厚生
大臣じゃ頼りないような気がするのでありますが、本当に厚生
大臣になったばかりだから無理もないと思うのですが、
大臣を前にやっていればもう自信を持って答えられるでしょうけれ
ども、急に任命されて急に答えるということはお気の毒だと思います、その点は同情しますが、しかし我々も真剣ですから、そういう意味において、これはどういう省であってもいいです、しっかりした答弁を、将来展望に立っての
考え方としてお答えをいただきたい、こういうふうに思うのです。