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塩田委員 ただいま
加藤職安
局長から詳細に御説明がございました。我が国の高齢化社会への対応、また女子の職場進出に対する
雇用対策あるいは技術革新、ME化に伴う失業防止、あるいは労使の意思疎通、国際化の問題等々各般にわたってその対策を御説明いただいたわけでございます。
私は、この問題に加えまして、特に先ほど情勢の中で説明がございました若年労働者の定着率が非常に低くなっておる、逆に流動化が進んでおる、離職率が高くなっておる。この問題につきましては、まだまだ諸外国に比べては低い段階ではございますけれども、我が国の特徴は若い労働力がほとんど失業することなく、むしろ一時は人手不足で金の卵と言われておった状況の中で、若年労働者というものが完全
雇用だというところに大きな特徴があったと思うのです。
その点から見ますと、先ほどの御説明のような状況あるいは兆候があらわれているということは注目すべきことだと思うのです。したがいまして、これらの若年労働者層に対する定着対策、なぜそうなのか、求人求職に合わないのはなぜなのか、あるいは、どうして早期に離職をして、そんなにして転職をしていくのか、こういったことはよく調査されまして適切な手を打たれることが必要だと思います。
私は、日本の現在の社会が政治を含めまして安定した社会であるという一番の根本は、完全
雇用政策、これも完全
雇用というところまでにはなかなか言い切れないところがありますが、ほぼそれに近いところに、労働省を初めとして国民的努力、労使の努力によりまして、地道ではありますけれども、これが
雇用の面において非常に適切にいっている。諸外国から比べて、この点が日本の安定社会をもたらす最も大きな力になっておるものだと思いまして、この面について、皆さん方の御努力に対しまして敬意を表しますとともに、しかし、今あらわれようとしているそういった問題、将来危険になるかもわからない状況につきましては、早目にその状況をつかみ、そして適切な対策を早期にやっていくことによって、現在まで来ました安定した社会、そして繁栄する経済、こういったものを支えていかなければならない、このように思いますので、ひとつ手抜かりのないよう今後ともよろしくお願いを申し上げます。
続きまして、労働時間の短縮と連続休暇の
推進の問題でございます。
これにつきましては、御承知のとおりことしの四月四日、国会におきまして各党、特に与野党五党でもっていわゆる時短懇を発足いたしまして、これらの問題をどのようにして有効に
推進するか、精力的に協議を重ねてきたところでございます。ゴールデンウイークを前にいたしまして、四月二十五日には、御承知のとおり政府に対しまして、連続休暇の促進を図るための企業なりあるいは都道府県、政府関係機関に対しましての趣旨徹底の働きかけをしたところでございますし、また五月九日におきましては、関係各党の幹事長・書記長会談で合意されました連休等休日の増加の問題については、法的措置を含めてその実現を図るように努める、こういう申し合わせがありまして、この線に沿いまして、自民党からは
丹羽雄哉議員、また日本社会党からは阿部未喜男議員、公明党からは
大橋敏雄議員、民社党から私、
塩田晋、そして社会民主連合からは
菅直人議員が出まして、参議院の大坪健一郎議員を座長といたしまして鋭意協議を重ねてまいりました。
そして、この五党の間でまとまりましたのは、労働者
福祉の観点から、また内需拡大という当面の要請、経済の持続的成長のためにはそれが必要だという観点から、また貿易摩擦の解消という観点から、そしてまたいわゆるワークシェアリングという形で
雇用機会を確保していくという観点から、労働時間の短縮あるいは休日の増加というものは避けて通れない国際的あるいは国内的傾向である、このように把握をし、これに対する適切な措置をすべきであるという結論に達しました。
しかも、家族がそろってゆとりのある生活をする、こういう観点から、五月の連休を実現する、ゴールデンウイークは花と緑と太陽の週間として大型連休を実現するという方向に向かって議論を重ねてきたところでございますが、とりあえず祝日と祝日に挟まれた平日の五月四日については法制化によって休日として、そして三連休を実現するということを合意したところでございます。実際には、六十二年以降有効に働く法的措置をしようとして、今各党でその法制化に向かいまして取り扱いを鋭意協議して、きょうも与野党の政調・政審会長会議が行われる、また、せんだっても国対
委員長会議が行われておる、こういう状況で具体的に進んできておるわけでございます。
今後、このような方向で関係方面挙げて一層努力をする必要がある、週休二日制を含めた労働時間の短縮、また年次有給休暇の完全消化といったことをなお一層進めていく必要があると思います。例えば、夏には一定期間連続した休暇を思い切ってとるといったことを含めまして、政府が率先してこういった措置をとり、積極的な行政指導あるいはまた閣議決定等によって国民全般に行き渡るように時間短縮を進めていく、休日増加を進めていく必要があると思いますが、これにつきましてどのように労働省は対処しようとしておられますか、お伺いいたします。