○森田(景)委員 直接
労働者派遣事業法に
関係のないお話で恐縮かと思いましたけれども、やはり
法律で定められたこと、
法律を守るという基本精神の上に立っていかないと、
法律をつくっても屋上屋を重ねていくだけだ。また新しい違反者が出て、それに対応するためにまた
法律をつくらなければならない、こういうことであってはならないと思うのですね。そういうことでお忙しいところこちらへおいでいただきました。皆さん、ありがとうございました。通産省さん、厚生省さん、
警察庁さん、今後ともひとつしっかりと頑張っていただきたいと思います。ありがとうございました。結構でございます。
それで、私は決して
時代の流れというものを否定するものではありません。
時代の流れを否定したら本当に
時代おくれになるわけでございまして、今我々は電話を使い、あるいはその他の機器を使って交通、通信などやっておりますが、昔は、江戸
時代は飛脚が走ったという、こういうこともありますが、それがだんだん変わってきておる。
時代の流れだと思います。あるいは、昔はかごに乗って行った人たちが今は自動車に乗っていく、あるいは飛行機を利用するとか、これは
時代の流れで、決して否定するものではありません。
しかし、
法律でやはりやってはいけないと決めたことが、いろいろ
時代が
変化するから、その
時代の
変化に対応するためにはこうしなければならない、こういうことについては、もともとある
法律をしっかりと適用させていかなければいけない、私はいつもそう思っているのですけれども、そういう意味では、これも本題と離れますが、この間、軽貨物タクシーといいますか、これを禁止する、やめさせる
法律を参議院先議で衆議院で可決いたしました。あの軽貨物タクシーというのも、もともと
法律で禁止されていたものですね。法の網をくぐってといいますか、沖縄あるいは奄美大島ですか、とにかく鉄道もないところでそれこそ住民の
ニーズにこたえて物すごい勢いでふえてきたわけです。それがだんだん九州に上陸し、本州に上陸といいますか、こういう形をとって、それでこのままでは今までのタクシー業者がつぶれてしまうじゃないかという心配があって、これはいけないということになったわけですね。もともと
法律でいけないものをまた改めてもう一遍いけないとやったわけです。だから、本来の
事情を考えますと、気の毒な
状況もあったわけです。しかし、
法律を守るという立場で我々もあの
法案には賛成したのです。
ある日刊紙には、社会面に漫画の欄があります。あそこに、軽タク北上前線予想といいましたか、桜前線予想に合わせまして漫画が掲載されたこともありました。そのぐらいあれはそのままにしておけば物すごい勢いで日本じゅうに広まったはずなんです。ところが、広まるのはやはり
ニーズがあるからです。その
ニーズにこたえて
供給も出てくるという、両方マッチしておる。ちょうどこの
派遣事業に似たような
状況——
内容は違いますけれども、似たような
状況だったですね。ところが、向こうはそういうことで、きちんといけませんよとしたんです。それは
法律があるからなんです。
こちらも
法律があるのですから、この
法律を守るということで、これから成立するならするということでもしっかりとやっていただかなければならない。
職業安定法も
労働基準法もきちんと守るようにひとつやってもらわなければならない、こういうことを私は申し上げたかったわけです。あくまでも
法律を守るようにしていこうじゃないか、守らせようじゃないか、
法律の網をくぐって、ふえてきたから新しい
法律にそれを認知しよう、こういう
考え方じゃいけない、こう思っているわけです。
ですから、もう一面から考えますと、あの軽貨物タクシーをやっている人たちは大体個人でやっているわけです。こういう例え方は悪いかもしれませんが、個人でやっていました。ところがタクシーの方は、あれは
企業とそれから組合がありまして大きいのですね。だから、その大きいところには小さいものはいつも負ける。逆に今度は、この
労働者派遣事業というのは
事業を認めるわけですから、これが物すごい大きな資本がやることになるわけですね、現在小さいところがやっているかもしれないけれども。この間、私も
マンパワージャパンというところを見せてもらいましたけれども、これは今アメリカを
中心としてすごい勢いでやっているわけですね。そういうでっかいところが出てくると、もう太刀打ちできない。こういうことじゃいけないだろうと思うのです。やはり
法律は公平でなければいけない、このように思っているわけでございます。
そういうことで、大変前置きが長くなりましたけれども、この
労働者派遣事業がここ十年ぐらい急速に伸びてきた、こういうふうに今までもいろいろと
説明があったわけでございます。なぜ伸びてきたのか。それは
ニーズがあったから伸びた、こう言っていますけれども、なぜ伸びてきたか。この
派遣事業というのは、
実態はどうだったのか、これは調べてはありますね、発表しておりますから。その辺のところを御
説明いただきたいと思います。