○網岡
委員 今度は大蔵省に
質問させてもらいますが、まず一つは、資金運用部がおっしゃった、国の信用で集まった金だから国が公共的な立場で統合的に使わなければいかぬ、こういう
考え方を示されたわけでございますが、それは大蔵省資金運用部の言い分としては一つの響きを持っているかわかりませんけれ
ども、
年金の積立金でございますから、それはやはり被保険者の
保険料によって集まった金が大半なんですね、ほとんど九九%近くがそういうことだと思うのでございますが、そういう金であれば、それは当然、冒頭の
年金局長の御答弁にもありましたように、一つの
厚生省の立場からいけば、その金は、
年金の
財政を姓がにしてそしてそれを被保険者の
保険料なり
年金受給者に還元をしていく、そういうことをしていかなければならない責務がこっちにあるわけです。これは
政府という一つの大きな建物の中で、二つの
考え方を同時にやっていかなければならぬことになっているわけでございます。
先ほ
ども冒頭に御答弁がありましたように、たった一%の利子の効率運用によって
保険料が最終的に一%下がる、これは今まで
厚生省がずっと考えてきた中でいけば大変な変革だと私は思うのでございます。それくらいの影響を持つわけですね。したがって、そういう国家的な
年金の見地に立つならば、大蔵省も
政府の一環でございますから、その金を運用するに当たっては、やはり
年金の
財政を助けていくための有利な運用あるいは、
厚生省が別皿でというような表現をなさっていますが、私はこれは手ぬるいと思うのです。はっきり堂々と自主運用さしてもらいたい、こういうことを
厚生省は言うべきだ、そう言う根拠もあるはずなんでございます、私は後で言うつもりでございますが。そういう中にあって、資金運用部がかたくなに自分の論理だけで進めているということはいかがなものだろうかという気がいたします。
それから、二つ目は、おっしゃるように臨調の第五次答申が出たことは事実でございます。しかし、もう少し中身を突っ込んで言えば、これは同じ答申案の中でも、
財政投融資、資金運用部のあり方についても、その効果なり運用の問題が相対的に低下してきているということが、はっきり臨調の答申案の中にも出ているわけでございます。理由としては、郵便貯金が非常に減退をしていく。それからもう一つは、さっきの答申によれば、
年金が八五年ごろになると大体事実上積立方式からやむを得ず
賦課方式に切りかわらずを得ない、こういうところに
年金財政は落ち込んでくるわけでございます。そうなると、預託はしたいけれ
ども預託はできない、完全にはできない、とは言えないかもわかりませんが、非常に苦しいときが来る。そうなると、資金運用部というものが、
年金財政としては非常に困っている状況の中で、それを吸い上げて公共のために投資をしていくということが果たしてできるだろうかということを、いみじくも臨調は第五次答申の中で言及しているところでございます。しかし、当分の間、やはりあなたが言われたように、国の信用のもとで集めた金なんだから、それは公共的な運営をしたらよろしい、こういうことになっておるわけでございますが、問題は、
賦課方式まで落ち込んでいく
年金の
財政は、今は五十九年ですが、勘定をしやすく六十年とすると、あと二十五年くらいで来るわけですよ。そうすると、
年金財政にとってみれば、
年金の本体といいますか、持っているレベルが五年なり四年なり三年なり、そういう資金量を持っているときに有利運用をして、そしてその資金を膨らまして
年金被保険者に還元をしていくということにしていかなければ、ゼロになってから、
賦課方式に陥らざるを得ないところまで来たときにぽっと放してもらっても、それはもう短期利用しかできないということですから、利子の運用の効果というのは非常に少なくなってくる。そうすると、それは大蔵省だけではいいかもわかりませんけれ
ども、国全体の福祉を中心とした行政としては、そこで非常な落ち込みをすることになるわけでございまして、まさに臨調が言っている答申の内容というものは、行政の質や将来の
展望というものを踏まえながら考えなければいかぬよ、こういうことを答申していると思うのでございます。
そういう長期の
展望や先の見通しをつけた上で、大蔵省資金運用部としても考えるべきときに来ていると思うのでございますが、その辺はどうでしょうか。
それから三つ口は、あなたもおっしゃったように、運用部資金法の
法律の第一条を見ると、預託者に対して可能な限り有利に運用しなければならない、有利性を確保しなければいかぬということが出ているわけでございます。それはこちらが出せる金、ただで預かってただで渡すということではない。とにかく一分にしろ二分にしろ利子はついているのだ、だから有利なのだ、こういう解釈も成り立つかもわかりませんけれ
ども、それはやはり一般金融市場における金利やそういうものと照らし合わせた場合に、可能な限りの有利性というものを持つんだ、こういうことがその
法律の中の法文解釈の精神だと私は思うのでございます。
そういうことからいきますと、今までの長い一つの
期間を見た場合に、例えば国債や債券というものの率よりも確かに資金運用部の利子というものは低い、こういうことでやられていたということは大きな問題じゃないだろうかと私は思うわけですが、その点いかがでしょう。
〔
委員長退席、愛知
委員長代理着席〕