○坂井
委員 まどろい話はしたくないんだ。大臣、要するにそうした場合の救難
体制は、
事故があった、そういう場合に救難
体制をもう一回全部検討し直さなきゃいかぬですね、これは。だから、落ちないだろう、前提はこういうことでしょう。落っこちちゃったんだ。もう二度とないという保証はどこにもないんだ。そういう場合のために常日ごろから備える、それが
体制ですよ。ですから、どうかそういう救難
体制をもう一回
点検をして、
国民の前にもこういう救難
体制があるから大丈夫だということをひとつしっかり示していただきたい。
私はこれをくどくど申し上げない。
運輸省はこれを許可しているのでしょう、このサーチライトを装置するヘリコプターについては。
運輸省は本当に知っておらなきゃいかぬですよ。そのことは知っておるんだろう。知っておるんだろうけれ
ども、今のお答えのとおりで、言うなれば管轄外だ、そういうことじゃいかぬ、
運輸省も
防衛庁も
警察も。
警察にもあるんですよ。警視庁は五百メーター上空から新聞を見れるようないいのはないんです、残念ながら。一番いいのは東京消防庁にある、こういうふうに申し上げておきましょう。そういうことについても
関係各省庁はわからない。ですから、救難
体制はそういう横の横断をして、そういうときにはこういう夜間であれば照明を持ったヘリコプターがここにある、ここに要請すればここがすぐ出動できる、こういうことが必要だということを申し上げたいわけなんです。ぜひお願いしたい。
参考までに申し上げますが、一九七二年十二月二十九日、これは夜遅くです。マイアミ
空港にニューヨークからのジェット便、アメリカのイースタン航空回〇一便、これが着陸しようとしたときに管制
レーダーからすぐ消えてしまいました。管制官は、これは異常
事態だということでもって無線で四〇一便を呼ぶわけですが、応答がなかったので直ちに沿岸警備隊にヘリコプターによる
捜索を要請いたしました。十五をいし二十分後に照明を持ったヘリコプターが現場に到着したのです。そして、サーチライトに照らし出された四〇一便の残骸、ところが奇跡的にあちこちに
生存者がある。それをサーチライトが照らし出すわけですね。そこでもって約四時間かかりまして、
乗客、
乗員百七十六人のうち九十九人が亡くなりましたが、七十七人、重軽傷を負いながらも
救出をした、こういうことがございました。これもそのときに初動
捜索、直ちに夜間照明を持ったヘリコプターが
現地に急行した。これでもって助かった。
こういうことについては、私は、今申し上げることは実は非常に胸の痛みを感じながら申し上げていることでありまして、
遺族なんかがこんなことを聞けば、それはもう無念とも残念とも腹立たしいとも何とも言えない、いたたまれない
気持ちだろうと私は思いながら、実はもう言うことをはばかろうかなぐらいに思いながらも、しかし、次への航空安全を期するためにはあえて言わなければいかぬと思いまして申し上げているわけでございます。すべて事実に基づいてそういう
指摘をしながら、次への
航空機事故等に備える救難
体制、それをどうかひとつ確立をしていただきたい。
それから、先ほ
ども申し上げましたが、やはりどこに落とし穴があるかわからぬですね。
事故調査委員会の手によってやがて
原因は
究明されるであろうと期待もしておりますし、ぜひそうあっていただきたい。ただ、今までの
調査委員会の
報告等を私は私なりにそれなりに見てみましたが、どうもやはりこうだという
原因の特定というのはなかなかしづらい、難しい面もやはりあるのだろうと思いますけれ
ども、今回の
事故については、しっかりひとつ
事故調査委員会に対しましてお願いをしておきたいと思います。
金属疲労というような問題につきましても非常に難しい問題があるようでございまして、外見上の変化はなくても蓄積をされるという性質、それからもう
一つは、小さい傷でありましても急速にそれが広がりまして、ある瞬間に一気に爆発する、こういう特性を金属疲労は持っているようでございますので、日ごろの検査
体制の中で、あるいは
整備体制の中で、そういうほんの小さな傷でも発見できる、見つけ出すというような、もっと何が科学的な方法がないものだろうかというようなことは、これは
日航にも大いに申し上げておきたい。みずからの手によっても、先においてもそういうことを確立していこうということで臨んでいただきたい。
なぜ私はこういうことを申し上げるかというと、
ボーイング社がこういうふうにやりなさい、こうやれば絶対大丈夫だから、そのとおりやりました、これ以上安全の
確認のしようはありませんというのでは、これはならぬ。それはなぜかというと、前段申しましたように、全日空の場合はロールスロイス社と、相当注文をし、文句もつけながら
事故の解明をやったという。私はこれは輝かしい
一つの安全に対する取り組みだったと思うから申し上げているわけでございまして、どうかひとつそういうことでお願いをいたしたいと思います。
それから、言われるようなフェールセーフという考え方、これはどうも崩壊したような気がしますね、今度の
事故を見まして。一部分が破壊されても次のところには影響は及ばない、大
事故には結びつかないというような設計思想でもってつくられておるということのようでございますが、あるいはこれも神話だったのかなというような気すらする。油圧系統四本とも飛んでしまう、尾翼の部分が、後ろの部分が飛んでしまう、隔壁が破裂するというようなことは、これはとても考えてはないのでしょう。しかしそれが現実のものになった。この事実にやはり粛然として、そうした従来のフェールセーフの設計思想、これももう崩壊したのじゃないかというぐらいの考え方に立って、
ボーイング社に対しても、次の安全を期する設計上の大問題として問題提起をしてもあるいは当然かなというぐらいの気すら私はするわけでありまして、いろいろとそうした面で反省点がございます。どうか
運輸省、
事故調査委員会、
日本航空、
関係者それぞれの立場で、今申し上げているようなことをひとつしっかりお願いをいたしたい。
私に言わしめれば、今回の
事故は予測できなかったのかと問われれば、これは冒頭
運輸大臣が、新聞を見ても人災だとおっしゃった。私も人災だと思う。予測できないことはなかった。その決意がないと、また
事故は起こりますよ。そう思いますね。予測できた。それぐらいの日ごろの検査
体制、それを確立をして、
事故に結びつくようなものを細大漏らさず検知して、そして未然にそれをきちんと
事故に結びつかないように直しておればこういうことにはなっていない。いや、そうじゃない、十分やったんですよとおっしゃるだろう。おっしゃるだろうが、その
気持ちが航空安全ということにはならぬと私は思いますので、あえてそのことも申し上げておきたいと思います。
それから、いろいろとございますけれ
ども、最後に、先ほどのサーチライトをつけたヘリコプター、これがあればもっと早くということで申し上げたわけですが、ただ
防衛庁が
運輸省に対しまして、陸上
自衛隊の出動の要請をしないのかと何回も督促をしたというような報道があるのだけれ
ども、これは事実そうなんですか。