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広瀬委員 私は、ただいま継続か
廃案かが問われております
国家秘密に係る
スパイ行為等の
防止に関する
法律案は、これを
審議未了、
廃案にすべきであると
日本社会党・
護憲共同を代表いたしまして主張をいたすものであります。
まず、この
法案の内容を見ますと、
日本国憲法の
平和主義、
民主主義そして
基本的人権尊重の三つの理念のいずれにも反する、この点が極めて重大な
問題点であります。特に、良心の
自由思想の自由あるいは
表現の自由がすべて脅かされるという危険な要素を持っておるというのが、第一の
反対の理由でございます。
憲法ができてからもう四十年近くをけみするわけでありまして、
基本的人権そして各種の自由というものが定着をしている中で、今何でこのようなものが必要であるのか、その実態、特に
国家機密という漠然たる問題、特に
付表等を見ますると、これはもう
表現の自由も言論の自由も何もなくなってしまうというような、防衛問題あるいは
外交問題等についてすべてそういうものに結びつかざるを得ない、こういう危険を持っておるわけでありまして、今このような
法律を設けるという実体的な理由も私は全く乏しいと思うし、しかも
国家機密という漠然たる概念で一切の国民の自由を奪おうというような、これはまことにとんでもない、
日本国憲法を無視する、
日本国憲法とは全くなじまない
法案である、こう言わざるを得ません。したがって、そのような出し方に対しては断じて承認をするわけにはいかない。
さらに、我々が重視しなければならないのは、このようなものが制定をされるというようなことになりますれば、国権の最高機関である
国会の
審議にも多かれ少なかれ必ず影響を及ぼして、守秘
義務を盾にとって
国会、国権の最高機関にすら、
国家機密あるいは防衛機密、外交機密というようなことを理由にして国民の代表である
国会の
審議権すら無視される大きな危険をはらんでいる。まさに議会制民主政治瓦解の方向にすらつながりかねない、そういう
問題点を含んでおるわけであります。
また、これは与党の
諸君が
議員立法として出しているわけでありますが……(発言する者あり)ちょっと静かにしてください。このメンバーを見てみますると、非常にタカ派的な、防衛関係に非常に深くタッチした人たち、その方の働きかけによってやられた。その裏にはまた、アメリカとの関係において日本が自主性を失っているということの一つの証明でもあると私は言わざるを得ないと確信をいたします。
また、この
議院運営委員会で継続
案件について採決に持ち込まれるであろうということで、自民党と統一
会派を組んでおります新自由クラブの
諸君が、某
議員が議院
運営委員であったはずでありますが、それをすら差しかえてやるということについても、私どもは手続として余りにも……(発言する者あり)