○岩垂
委員 総量規制という考え方というものが進んだ対応として出てきたことはわかります。しかし、その総量規制の
あり方自身についていろんな問題を含んでいる。しかも、NOxの
環境基準緩和のときの通達が、正直なところを言うと、例えば七年後とか五年後とかいうことを見越して通達を出されるよりも、いわば緩和と言われることに対する責めをいかにして逃れるかという言いわけのために、かくかくしかじかこうなりますよといういわば計算上の数字を並べたという面が非常に多い。私は一々きょうは読みません。読んだら
環境庁は恐らく本当に恥ずかしくなります。
でも少し触れてみますと、例えば総量規制の問題、本気で自動車対策をやる気があったら、それは憩いけれ
ども、自動車の排ガスの対策とその効果と、そしてその総量規制の結果というものを逐次、逐年でいいじゃないですか、きちんと押さえて、そしてこの点でどうも六十年の三月三十一日には間に合いそうもないぞ、お互いにしっかりやろうじゃないかということを御指導なさるのが
環境庁のあの通達の筋だと私は思うのです。
例えば、あの通達の中にこういう文章があります。「まだ
環境基準を達成していない、一口平均値が〇・〇六ppmを超える
地域は、東京都、横浜市、大阪市、名古屋市などの大都市及びその周辺
地域であって、人口、交通、工業等が著しく集中している。これらの
地域の最高汚染地点において七年以内に〇・〇六ppmを達成することは、容易ではない。また、交通量の多い幹線道路に面した
地域においても同様である。しかし、上乗せ規制や総量規制を含む最大の努力をすれば、おおむね達成は不可能ではない。」以下「
環境基準のゾーン内にある
地域であっても、」云々と、さっき私が申したことが書いてある。最大の努力をもってすれば不可能ではないと言い切っているのです。
ところが、私に言わせれば、
環境庁は地方自治体に対して、例えば上乗せ規制の御指導をなさったことがありますか。地方自治体はそれに対してどういう努力ができるのですか。
法律を持っていない以上、交通の規制ができますか。そういうことは
環境庁がきちんと努力をなすって認めていかなければ、努力をしていかなければこれはできっこないのです。地方自治体の努力にまちますというようなことを言ったって、言うだけの話であって、地方自治体に苦労をかけるだけじゃないですか。その点、私は恐らく答えがないと思うのです。
あるいは、これは私も余り
専門じゃないのですけれ
ども、例えばあの
環境基準の設定緩和にかかわるときのテンモードのとり方、そんな
状態に今合ってないこともお認めいただけると私は思うのです。それをどう見るのか、見直すのかという
議論もなされなければならぬ。
それだけじゃございません。例えば新車への代替率、当時五年と見ましたね。今、七、八年になっているでしょう。それが使用過程車の問題となって総トータルで
影響を及ぼしていることは事実ですよ。計算の基礎が違っているじゃないですか。これだってもう時の流れで、ちょっと不景気だったからそのうちによくなってきて何とかなるというような勘定では済まないはずです。
まだ言いたいことがある。例えば、今の
状態でいうと二割五分が違反車だと言われている。二割五分じゃまた少ないんじゃないかとさえ言われている見方もある。数字のことはおいておきましょう。しかし、使用過程車が相当の数にわたって実際問題として違反を繰り返している危険性というのはあるのです。それをチェックする機能がありますか。何にもないのです。私に言わせれば、本当にやる気があったら、例えば自動車の整備工場に使用過程車のチェックをするような、これは余り金がかからない施設が、機械があるそうです。そういう形でチェックをしていく、そしてお互いに気をつけようということを努力していく。チューインガム
一つでもって何とか処理ができるみたいな、そういうことも、やられているかどうかは別として、いろいろ問題があるのです。こういうことに対して何にもやっていないのです。
また、さっき
局長は、ディーゼルとか大型革のことをおっしゃった。極端にふえていますよね。最近は宅急便というのですか、本当に路地まで入り込んできて、いろいろな形で
地域の、狭い路地の大気にまで
影響を及ぼしているということも事実なんです。率直なところ、そういうことをお調べになったことがありますか。むしろこれからでしょう。
こういうことを挙げればまだ切りがないのですよ。だけれ
ども、そんなことを言ったって始まらないから言いませんけれ
ども、少なくとも通達のときの初心がまじめであれば、このぐらいのことは努力していたはずです。
環境庁が地方自治体にハッパをかけてやっていく努力をなさったはずです。地方自治体も自発的にいろいろなことをやれたはずです。
環境基準の緩和の後そのままなんです。
率直に言うと、国会でもこれらの問題について、私も緩和のときには随分やったが、ちょっと
委員会を離れていた
関係もありまして国会でやる機会がございませんでした。そのままになっているのです。さっき林部さんは、やりましたとは言った。それがどれだけの効果が上がっているかということについての、いわばアフターケアといいましょうか、フォローもまだまだ十分じゃないのです。そういうことを無視しておいて――無視してというか黙っておいて、今日、達成が難しゅうございますというようなことを言ったって私は始まらないと思うのです。これからどうなさるおつもりですか。率直に
環境庁長官、答弁してください。