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1985-02-22 第102回国会 衆議院 環境委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
六十年二月二十二日(金曜日) 正午
開議
出席委員
委員長
辻 英雄君
理事
柿澤
弘治君
理事
戸塚 進也君
理事
岩垂寿喜男
君
理事
中村
茂君
理事
和田
貞夫
君
理事
大野
潔君
理事
中井 洽君
竹内
猛君 馬場 昇君
小川新一郎
君
草川
昭三
君
永末
英一
君 藤田 スミ君
出席国務大臣
国 務 大 臣 (
環境庁長官
)
石本
茂君
出席政府委員
公害等調整委員
会委員長
大塚
正夫君
公害等調整委員
会事務局長
菊池 貞二君
環境政務次官
中馬 弘毅君
環境庁長官官房
長
岡崎
洋君
環境庁長官官房
会計課長
八木 規夫君
環境庁企画調整
局長
山崎
圭君
環境庁企画調整
局企画保健部長
長谷川慧重
君
環境庁自然保護
局長
加藤
陸美
君
環境庁大気保全
局長
林部 弘君
環境庁水質保全
局長
佐竹 五六君
通商産業大臣官
房審議官
山本 雅司君
委員外
の
出席者
環境委員会調査
室長
綿貫
敏行君 ――
―――――――――――
委員
の異動
昭和
五十九年十二月十八日
辞任
補欠選任
斉藤 節君
小川新一郎
君
竹内
勝彦君
大野
潔君
春田
重昭
君 岡本 富夫君
薮仲
義彦君
草川
昭三
君
昭和
六十年一月二十九日
辞任
補欠選任
金子原二郎
君 平泉 渉君 同月三十一日
辞任
補欠選任
綿貫
民輔君 金丸 信君 二月八日
辞任
補欠選任
草川
昭三
君
矢野
絢也君
同日
辞任
補欠選任
矢野
絢也君
草川
昭三
君 同月九日
辞任
補欠選任
草川
昭三
君
矢野
絢也君
同日
辞任
補欠選任
矢野
絢也君
草川
昭三
君 同月二十一日
辞任
補欠選任
永末
英一
君
小平
忠君
同日
辞任
補欠選任
小平
忠君
永末
英一
君 同月二十二日
理事春田重昭
君
昭和
五十九年十二月十八日
委員
辞任
につき、その
補欠
として
大野潔
君が
理事
に 当選した。 同日
理事中村茂
君同日
理事辞任
につき、その
補欠
と して
和田貞夫
君が
理事
に当選した。 ――
―――――――――――
一月三十一日
公害健康被害補償法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
第一二号) は本
委員会
に付託された。 ――
―――――――――――
一月三十日
空きかん等
の
公害防止対策
に関する
陳情書
(第二六四号)
自動車公害
の
規制
に関する
陳情書
(第二六五号)
公害健康被害補償制度
の
公害指定地域
に関する
陳情書
(第二六六号)
国立
・
国定公園
の
環境整備
に関する
陳情書
(第二六七号) 四国における
自然歩道
の
整備促進
に関する
陳情書
(第二六八号) は本
委員会
に参考送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した案件
理事
の
辞任
及び
補欠選任
公害健康被害補償法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
第一二号)
環境保全
の
基本施策
に関する件
公害紛争
の
処理
に関する件 ――――◇―――――
辻英雄
1
○
辻委員長
これより
会議
を開きます。 まず、
理事辞任
の件についてお諮りいたします。
理事中村茂
君より、
理事辞任
の申し出があります。これを許可するに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
辻英雄
2
○
辻委員長
御
異議
なしと認めます。よって、さよう決しました。 引き続き、
理事
の
補欠選任
の件についてお諮りいたします。 ただいまの
中村茂
君の
辞任
による
欠員
のほか、去る十二月十八日
理事春田重昭
君が
委員
を
辞任
されておりますので、現在
理事
が二名
欠員
になっております。その
補欠選任
につきましては、先例により、
委員長
において指名するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
辻英雄
3
○
辻委員長
御
異議
なしと認めます。 それでは、
理事
に
和田
貞夫
君 及び
大野
潔君を指名いたします。 ————◇—————
辻英雄
4
○
辻委員長
次に、
環境保全
の
基本施策
に関する件及び
公害紛争
の
処理
に関する件について
調査
を進めます。 この際、
環境庁長官
から
環境保全
の
基本施策
に関する
所信
を聴取することといたします。
石本環境庁長官
。
石本茂
5
○
石本国務大臣
第百二回
国会
における
衆議院環境委員会
の御
審議
に先立ち、
環境行政
に関する私の
所信
を申し述べ、
委員各位
の御
理解
と御
協力
を賜りたいと存じます。
環境行政
は、
公害
を防止して
国民
の健康と
生活環境
を守り、また、かけがえのない自然を
保護
し、さらに進んで快適な
環境
を創造するという大変重要な
行政
でございます。 このような任務を有する
環境庁
が発足して以来、十四年になります。この間、
国会
を初めとして、
関係省庁
、
地方公共団体
、
国民各位
の御
協力
を得て、
各般
の
環境保全施策
を講じてまいりましたが、これら
施策
は、着実な成果を上げてきたと考えております。 しかしながら、
経済社会
の
変化
に伴い、
有害化学物質対策
、
交通公害対策
、
湖沼等
の
水質保全対策等
ますます
重要度
を加えてきている問題も多く、これらの問題に対し総合的に取り組まなければならないものと考えております。また、近年、質の高い
生活環境
に対する
国民
の願いも強まってきています。 このような
状況
を踏まえまして、
国民
すべてが健やかで、快適な
生活
を享受し得るよう、安全で、質の高い、快適な
環境
を築くことが重要であると考えます。私は、この
目標
に向かって、二十一
世紀
をも見通した長期的な展望のもとに、
環境汚染
の
未然防止対策
を初めとして、諸
施策
を総合的に進め、
環境保全型社会
の形成に努めてまいる
所存
であります。 このような基本的な考え方に立ち、私は、次のような
事項
に重点を置いて、
環境行政
の
推進
に最大限の努力を払ってまいる
所存
であります。 第一に、安全で良好な
環境
の確保であります。 このため、
大気
、
水質
の
保全等各種公害対策
を引き続き積極的に
推進
してまいります。 特に、近年
環境
への
影響
が懸念されている
有害化学物質
につきましては、その
汚染実態等
について
調査研究
を進め、
汚染
の
未然防止
に資するよう、
対策
を総合的に
推進
していく
所存
であります。
水質保全
につきましては、昨年成立した
湖沼水質保全特別措置法
の施行を早急に図るとともに、これとあわせて
湖沼
の
富栄養化防止対策
として、
窒素
及び燐に係る
排水基準
を新たに設定するなどの諸
対策
を講ずることとしています。 また、
大気保全
につきましては、
窒素酸化物対策
、
交通公害対策等
を総合的な見地からさらに進めてまいります。
公害防止
の
監視測定体制
につきましては、その
重要性
にかんがみ、引き続き
所要
の
整備
を
推進
してまいります。 第二に、
環境保全長期構想
の
策定
と
環境汚染
の
未然防止
の
徹底
であります。 今後予想される
経済社会
の
変化
に対応しつつ、二十一
世紀
に向けてより質の高い
環境保全型社会
を形成していくため、
環境行政
の新たな指針となるべき
長期構想
を
策定
いたします。 また、
環境影響評価
につきましては、昨年八月、当面の事態に対応するため、
閣議決定
という形で
実施
することとされ、現在、その
実施
に向けて
所要
の準備を進めているところであります。
環境汚染
の
未然防止
の
徹底
が図られるよう、今後とも努力してまいる
所存
でございます。 第三に、健全な
環境利用
と快適な
環境づくり
の
推進
であります。 限りある
環境資源
を適切に
保全
、
利用
しつつ、
地域
の
発展
を図り、さらに、
安らぎ
や
潤い
のある快適な
環境
を創造していくため、
地域
の特性を生かした
各般
の
施策
を
推進
してまいります。 第四に、
自然環境
の
保全
と
緑化
の
推進
であります。 「緑の国勢
調査
」として第三回
自然環境保全基礎調査
を
実施
することなどにより、
生態系
に根差した体系的な
自然環境
の
保全
に努めるとともに、
自然公園等
の
施設整備
、
自然観察
の森の
整備
を進めるなど、自然との触れ合いの増進、
緑化
の
推進
を図ります。さらに、絶滅のおそれのある
鳥獣
の
保護
の
強化等鳥獣保護対策
の
充実
を図ります。 また、
ボランティア活動
を取り入れた
自然保護教育
を
推進
するとともに、
国民環境基金活動
につきましては、新たに、
税制
上の
優遇措置
を講ずるなどその
発展
のための
基盤整備
に努める
所存
であります。 第五に、
公害健康被害者
の
救済対策
であります。
公害健康被害者
の迅速かつ公正な
保護
に万全を期することは、
環境行政
の重要な責務であります。このため、
公害健康被害補償制度
の適正かつ円滑な
実施
に努めるとともに、これに必要な財源を引き続き確保するための
所要
の
法改正
をお願いしているところであります。また、
水俣病
の
認定業務
の
促進
を図ってまいります。 なお、
公害健康被害補償法
の第一種
地域
の
指定
及び解除の要件の
明確化等
今後のあり方に関しましては、現在、
中央公害対策審議会
において
審議
が進められているところでございます。 第六に、
環境行政
の
基盤
の
強化
であります。
環境行政
を的確に
実施
していくには、
環境保全
に関する
科学的知見
の
整備充実
を図ることが重要であり、
国立公害研究所
における
環境研究
の
推進等
に努めてまいります。また、
環境
問題の
解決
のためには、
国民
の
理解
と
協力
が不可欠であり、
広報活動
や
環境教育
にも力を入れてまいりたいと考えております。 第七に、
環境
問題の国際的な広がりへの対応であります。
OECD
、
UNEP等
の
国際機関
を通じた
国際協力
を積極的に
推進
するほか、我が国の提唱に係る
国連環境特別委員会
に対しても一層
協力
してまいります。 また、昨年末以来二つの
環境大臣会議
が開かれ、六月には
OECD環境大臣会議
が予定されているなど、
環境
問題に対する
国際的取り組み
の
強化
が求められております。これらの
会議
を通じて積極的な役割を果たしてまいる
所存
であります。さらに、
開発途上国
の
環境
問題の
解決
に資するための
環境協力
についても、これを
推進
してまいります。 以上、私の
所信
の一端を申し述べました。 私は、
国民
の健康を守り、
環境
を
保全
し、よりよい
環境
を創造していくために、これまでの経験を生かし、二生懸命に取り組んでまいる決意でございます。 何とぞ、本
委員会
及び
委員各位
におかれましては、
環境行政
の一層の進展のため、今後とも御支援、御
協力
を賜りますよう、お願い申し上げる次第でございます。 ありがとうございました。(拍手)
辻英雄
6
○
辻委員長
これにて
大臣
の
所信表明
は終わりました。 次に、
昭和
六十年度
環境庁関係予算
の
概要
について
説明
を求めます。
岡崎官房長
。
岡崎洋
7
○
岡崎政府委員
それでは、
昭和
六十年度の
環境庁関係予算案
について、その
概要
を御
説明
申し上げます。
昭和
六十年度
総理府所管一般会計歳出予算要求額
のうち、
環境庁予算要求額
は四百二十九億九千七百六十万七千円であり、これを前年度の
予算額
四百三十五億三千三百十八万円と比較すると、五億三千五百五十七万三千円の減額となっております。 次に、
予算要求額
の主要な
項目
について御
説明
申し上げます。 第一に、
公害対策
について申し上げます。 まず、
環境保全企画調整等
の
経費
については、
安らぎ
や
潤い
のある快適な
環境
を創造するための
計画策定等
の
経費
、
環境
の健全な
利用
を図るための
環境利用ガイド
の
策定
の
経費
のほか、長期的、
総合的視点
に立った
環境保全長期構想
を新たに
策定
するための
経費
、
環境影響評価制度
の効果的な
実施
を図るための
経費
、瀬戸内海の
環境保全対策
を
推進
する
経費
、
公害防止計画
の
策定
を
推進
する
経費
及び
地球的規模
の
環境
問題に関する
調査費
など、これらを合わせて七億九千九百八十五万円を計上しているところであります。 次に、
公害健康被害補償対策
については、
公害健康被害補償制度
の適正かつ円滑な
実施
を図るほか、
水俣病
の
認定業務
を
促進
することとし、これらの
経費
として百七十一億七千百九十三万円を計上しております。
公害防止事業団
につきましては、
事業団
の
事業運営
に必要な
事務費等
の
助成費
として四十億二千五百六十二万円を計上しております。 次に、
大気汚染防止対策
の
経費
については、新たに、未
規制大気汚染物質
のモニタリングを
実施
するなど未
規制大気汚染物質
の総合的な
対策
を進めるほか、従来に引き続き、
窒素酸化物対策等各種
の
大気保全対策
を
策定
するための
調査等
を
実施
することとしております。 また、
交通公害防止対策
については、新たに、
新幹線鉄道騒音環境基準
の
達成目標期間
の到来する東海道・山陽新幹線について
達成状況
の
調査
を
実施
するなど総合的な
交通公害対策
の検討を行うとともに、
自動車公害
についても、従来に引き続き、
自動車排出ガス
、
騒音対策
の
強化
のための
技術評価
を
実施
し、
測定調査
の
充実
を図るとともに、
スパイクタイヤ
による
粉じん等対策
のための
調査
を行うこととしております。 さらに、
騒音
、振動及び
悪臭
についての
対策
を
推進
するため、新たに、
住工混在地区
における
騒音改善
のための
調査
を
実施
するなど七億五千七百二万円を計上しております。
水質汚濁防止対策
の
経費
については、新たに、
湖沼
に係る
窒素
、
燐暫定排水基準
の
適用業種
に対する
指導マニュアル
を
策定
するほか、
窒素排水基準
の
適用対象湖沼判定
のための
調査
を行うこととしております。さらに、
水質総量規制
を引き続き
推進
するための
経費
、
生活雑排水対策
を
推進
するための
経費
、
赤潮防止対策
を
推進
するための
経費
など八億二千五百五十五万円を計上しております。 このほか、
地盤沈下防止
及び
廃棄物対策費
として一億六百八十四万円、
土壌汚染防止
及び
農薬対策費
として一億七千九百七十八万円をそれぞれ計上しているところであります。 次に、
公害監視等設備整備費
については、
地方公共団体
の
監視測定体制等
の
整備
を円滑に
推進
するために必要な
経費
として九億二千七百五十六万円を計上しております。
公害防止等
に関する
調査研究
の
推進
のための
経費
については、
有害化学物質
による
環境汚染問題等
について科学的な
調査
及び
試験研究
を
促進
するため、
総額
三十七億三千八百八十三万円を計上しております。 このうち、
国立試験研究機関等
の
公害防止等試験研究費
として二十七億六千四百七十二万円を
環境庁
において一括計上し、各
省庁
の
試験研究
の
総合的推進
を図ることとしております。 また、
光化学スモッグ
に関する
調査研究費
及び
公害
による
健康被害
、
大気汚染
、
水質汚濁
、
自然保護等
に関する
調査研究費
についても八億八千四百十一万円を計上し、必要な
調査研究
を進めることとしているほか、
環境保全総合調査研究促進調整費
として九千万円を計上し、
関係省庁
が所管する
各種
の
環境保全
に関連する
調査研究
の
総合的調整
を図ることとしております。 さらに、科学的な
行政
を
推進
するため、
国立公害研究所
の機能を
充実
強化
することとし、これに必要な
経費
として四十三億六千六十万円、
国立水俣病研究センター
の
運営等
に必要な
経費
として四億二千四百六十万円、
公害研修所
に必要な
経費
として九千七百七十一万円をそれぞれ計上しております。 第二に、
自然環境
の
保全対策
及び
施設整備
について申し上げます。 まず、
自然環境
の
保全対策
及び
自然公園等
の
維持管理等
に関する
経費
については、
自然環境保全施策
を適切に
推進
するため、第三回
自然環境保全基礎調査
を初めとする
調査研究
を
実施
するとともに、
国立公園等
の
保護管理
の
強化
を図るために必要な
経費
として十六億千三百十三万円を計上しております。 また、
鳥獣保護
については、新たに、
タンチョウ生息地特別調査事業
を加えるなど
国設鳥獣保護
区の
管理強化
を図るほか、
特定鳥獣
の
保護事業
及び渡り鳥の
保護対策
を
推進
するなど一億九千七百八十二万円を計上しているところであります。 さらに、
自然公園等
の
整備
を図るため必要な
施設整備費
として二十七億九千四百三十三万円を計上しております。 以上、
昭和
六十年度
環境庁関係予算案
の
概要
につきまして御
説明
申し上げました。
辻英雄
8
○
辻委員長
次に、各
省庁
の
昭和
六十年度
環境保全経費等
の
概要
について、便宜、
環境庁
から
説明
を求めます。
山崎企画調整局長
。
山崎圭
9
○
山崎
(圭)
政府委員
各
省庁
の
昭和
六十年度
環境保全経費等
の
概要
について御
説明
いたします。 まず、
歳出予算
について御
説明
いたします。
昭和
六十年度における
環境保全経費
の
総額
は一兆一千百七十二億円であり、前年度の当初
予算
に比べ、二百九十七億円、二・六%の減となっております。 このうち、
一般会計分
は一兆二百十億円であり、前年度の当初
予算
に比べ、百三十六億円の減、また、
特別会計分
は九百六十二億円であって、前年度比百六十一億円の減となっております。 これを
事項別
に見ますと、
各種基準等
の設定のために十億円、
監視取り締まり
の
強化
のために四十五億円、
公害防止事業助成
のために八十一億円、
公害防止関係公共事業等
の
推進
のために九千四百十四億円、
公害防止調査研究
の
推進
のために二百七十五億円、
公害被害者保護対策
の
充実
のために百八十一億円、
自然保護対策
の
推進
のために一千九十七億円、その他として六十九億円が計上されています。 主要な
項目
については、次のようになっています。 まず、
環境保全経費
全体の八四%を占める
公害防止関係公共事業等
のうちでは、
建設省等
に計上されている
下水道事業費
六千七百七十九億円、
公共用飛行場周辺
及び
防衛施設周辺
における
騒音防止対策等
の
経費
として
運輸省
の六百三十億円及び防衛施設庁の九百十五億円、さらには、厚生省、
運輸省等
に計上されている
廃棄物処理施設整備費
七百一億円などがあります。 また、
公害被害者保護対策
のうちでは、
環境庁
の
公害健康被害補償対策経費
百七十二億円、
自然保護対策
のうちでは、
建設省等
の
公園事業費
八百二十七億円などがあります。 次に、
公害防止関係財政投融資
の
概要
について御
説明
いたします。
昭和
六十年度における
公害防止関係財政投融資
は、
貸付規模等
において
総額
一兆二千九十六億円を予定しており、前年度の当初
計画額
に比べ四百四十二億円の増となっております。
機関別
の主な
内訳
としては、
公害防止事業団
が
事業規模
で六百五十億円、日本開発銀行が
貸付規模
で八百十億円を予定しているなどのほか、
地方公共団体
の
下水道整備
、
廃棄物処理施設整備等
の
事業
を
推進
するため、
地方債計画
において一兆五百九十一億円を予定しております。 このほか、
中小企業金融公庫
、
環境
衛生金融公庫、
北海道東北開発公庫
、
中小企業事業団等
において
産業公害防止対策等所要
の融資を引き続き行うこととしております。 最後に、
環境保全関係税制改正措置
について御
説明
申し上げます。 まず、
国民環境基金
、
ナショナルトラスト活動
の一層の
推進
を図るため、
自然環境保全法人
に対する
寄附金
に係る
特例措置等
が新たに認められることとなっております。 また、
公害防止関係
の
特例措置
については、
公害防止用設備
の
特別償却制度
について、
適用期限
を延長するほか、
公害防止事業団
に係る
所得税等
の
特例措置
について、
適用期限
を延長すること等
各般
の
措置
をとることとしております。 以上をもちまして、
昭和
六十年度の各
省庁
の
環境保全経費等
の
説明
を終わります。
辻英雄
10
○
辻委員長
これにて
昭和
六十年度
環境庁予算
及び
環境保全経費等
の
説明
は終わりました。 次に、
昭和
五十九年における
公害紛争
の
処理
に関する
事務
の
概要等
について
説明
を求めます。
大塚公害等調整委員会委員長
。
大塚正夫
11
○
大塚政府委員
公害等調整委員会
が
昭和
五十九年中に行いました
公害紛争
の
処理
に関する
事務
及び
昭和
六十年度
総理府所管一般会計公害等調整委員会予算案
について御
説明
申し上げます。 まず、
公害紛争
の
処理
に関する
事務
の
概要
について申し上げます。
昭和
五十九年中に当
委員会
に係属しました
公害紛争事件
は合計九十五件で、その
内訳
は、
水俣病
に関する
調停事件
七十五件、
大阪国際空港騒音被害
に関する
調停事件
十八件、
仙台湾
における
養殖ノリ被害等調停事件
一件及び壱岐における
養殖真珠被害原因裁定事件
一件であります。
昭和
五十九年中に
処理
が終結しましたものは四十一件であります。これらは、すべて
水俣病
に関する
調停事件
であり、
水俣病
と認定された
患者
五十四人に対する
チッソ株式会社
の
損害賠償
について、
患者個々人ごと
に具体的な
支払い金額等
を定める
調停
を成立させたものであります。 その他の係属中の
事件
につきましては、
目下手続
を進めているところであります。 次に、全国の
公害苦情
の
実態
について申し上げます。 当
委員会
の
調査
によれば、
昭和
五十八年度の総
苦情件数
は約六万四千件となっております。この
苦情件数
は、四十七年度の約八万八千件をピークに以後減少を続けてまいりましたが、五十八年度においては、前年度より〇・七%の
増加
となっております。 これを
公害
の
種類別
に見ますと、
騒音
に関する
苦情
が最も多く、三三%となっております。次いで、
悪臭
一九%、
大気汚染
一四%、
水質汚濁
一二%の順であり、これらで全体の約八〇%を占めております。 これらの
苦情
につきましては、
都道府県
、市町村がその
処理
に当たっておりますが、当
委員会
といたしましては、これらの
地方公共団体
に対し、
公害苦情相談指導者研修会等
の
実施
、
苦情処理
に必要な
情報
の
提供
、あるいは個別の
事案
についての
指導
、
助言等
を積極的に行っているところであります。 引き続き、
昭和
六十年度の
公害等調整委員会
の
予算案
について、その
概要
を御
説明
申し上げます。
昭和
六十年度
総理府所管一般会計歳出予算要求額
のうち、
公害等調整委員会
の
予算要求額
は三億九千二百五十二万二千円であり、これを前年度の
予算額
三億九千二十六万八千円と比較いたしますと、二百二十五万四千円の増額であり、その
増加率
は〇・六%であります。 次に、
予算要求額
の
内訳
について御
説明
申し上げます。 第一に、当
委員会
に係属する
公害紛争事案
の審理及び
公害
の
因果関係
の解明に必要な
調査
並びに
一般事務処理等
のための
経費
として五千四百九十万四千円を計上しております。 第二に、
中央
及び
地方
における
公害紛争
の
処理
について、
都道府県等
と連絡協議するための
経費
として四百三十八万四千円を計上しております。 第三に、
公害苦情
の
実態調査
及び
公害苦情
の
処理
を担当する
地方公共団体
の職員に対し
指導
、
研修
、
情報提供等
を
実施
するための
経費
として二千二百七万円を計上しております。 その他は、主として
人件費
であります。 以上が、
昭和
五十九年中に
公害等調整委員会
が行ってまいりました
公害紛争
の
処理
に関する
事務
及び
昭和
六十年度の
公害等調整委員会予算案
の
概要
でございます。 よろしくお願い申し上げます。
辻英雄
12
○
辻委員長
これにて
昭和
五十九年における
公害紛争
の
処理
に関する
事務
の
概要等
についての
説明
は終わりました。 ————◇—————
辻英雄
13
○
辻委員長
次に、
内閣提出
、
公害健康被害補償法
の一部を改正する
法律案
を
議題
とし、趣旨の
説明
を聴取いたします。
石本環境庁長官
。 —————————————
公害健康被害補償法
の一部を改正する
法律案
〔
本号末尾
に掲載〕 —————————————
石本茂
14
○
石本国務大臣
ただいま
議題
となりました
公害健康被害補償法
の一部を改正する
法律案
について、その
提案理由
及び内容を御
説明
申し上げます。
公害健康被害補償法
は、相当範囲にわたる著しい
大気
の
汚染
または
水質
の
汚濁
の
影響
により健康が損なわれた人々に対して、その迅速かつ公正な
保護
を図るため、
各種補償給付
の
支給等
を
実施
することとしております。これらの
実施
に必要な費用のうち慢性気管支炎等の非特異的疾患に係るものにつきましては、
大気汚染
防止法に規定するばい煙発生施設等を設置する
事業
者から徴収する
汚染
負荷量賦課金を充てるほか、自動車に係る分として、
昭和
四十九年度から
昭和
五十九年度までの間におきましては、自動車重量税の収入見込み額の一部に相当する金額を充てることとされてまいりましたが、今回、
昭和
六十年度から
昭和
六十二年度までの間の
措置
を定めるため、この
法律案
を提案した次第であります。 次に、この
法律案
の内容について御
説明
申し上げます。 今回の
法律案
は、
昭和
六十年度から
昭和
六十二年度までの間において、政府は、引き続き、
大気
の
汚染
の原因である物質を排出する自動車に係る費用負担分として自動車重量税の収入見込み額の一部に相当する金額を
公害
健康被害
補償協会に対して交付することとするものであります。 以上が、この
法律案
の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、慎重に御
審議
の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
辻英雄
15
○
辻委員長
これにて趣旨の
説明
は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ります。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十九分散会 ————◇—————