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瀬崎説明員 UPUには、南アはずっとメンバーとして
加盟していたわけでございますが、一九六〇年代になりましてアフリカに独立国が非常にふえまして、
UPUのみならずその他もろもろの国際
機関におきまして、南アの委任状が挑戦されるようになったわけでございます。
UPUにつきましての一九六四年のウィーン
会議、それから六九年の東京
大会議、七四年のローザンヌ
大会議におきまして、南ア代表団を
会議から追放する——
会議からでございます。
会議から追放するという決議が通っておりまして、その後七九年のリオ
会議、八四年のハンブルク
会議、これでは南アを
加盟国として追放するという決議になったわけでございます。
そこで、八四年のハンブルクの
大会議でございますけれ
ども、これはその前の
大会議のリオデジャネイロにおける
会議におきまして、南ア追放の決議が通ったわけでございますが、この前回の決議が有効に存続することを確認し、南アが
国連加盟国の資格で再加入することができないとする決議、これがアフリカ二十九国の提案で導入されたわけでございます。
UPUにつきましては、
加盟国の追放
規定は
憲章に書いてございません。
国連憲章でございますと、
国連憲章の原則に執拗に違反する国については、安保理の勧告を受けて
総会が追放することができるという
規定がございますが、
UPUには追放の
規定はないわけでございまして、この
UPUの
会議におきましては、常にこの南アの追放あるいは前回の
会議ではイスラエルの問題も出たわけでございますけれ
ども、大問題になりまして、少なくとも三分の二で決めるべきであるというような議論が出たわけでございますが、これも否決されまして、結局単純多数、最終的には九十一が
賛成、二十八が反対、七票が棄権ということでこの決議案が通りまして、南アは追放されたということになったわけでございます。
前回のときにも南アは追放されたわけでございますが、その後
国連加盟国の資格で再加入しておりまして、今回は、今後
国連加盟国としての再加入の道も封じているということでございますので、南アがどのように出てくるかということが注目されているわけでございます。
他方、除名
規定がないわけでございますので、
憲章も
改正せずに
加盟国を追放するということにつきましては、この決議の有効性に非常に疑義がありまして、
日本のみならずその他多数の国が前回の決議は有効でないという宣言をしております。
日本もその一カ国でございまして、
日本側といたしましては、政治性のない技術的な
専門機関におきまして、例えば南アの代表権であるとかイスラエルの代表権であるとか、その他アパルトヘイト、パレスチナ問題、こういった問題を非常に時間を費やして議論をするということになりますと、本来の専門分野の
意見交換あるいは協力
関係というのが損なわれますので、
日本の例えばアパルトヘイト、ナミビア問題に対する基本的な姿勢というのは、
国連総会等におきまして明確に打ち出されておるわけでございまして、
専門機関においてはこのような政治論は避けたいというのが
日本の基本的な
考え方でございます。